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アパレルOEMメーカーの選び方とは?メリットやデメリット、ODMとの違いも解説

アパレル業界では、ODM・OEM生産が定番になりつつあります。

しかし、名前が似ていることもあり、違いが分かりにくいですよね。

そこで今回は、アパレルにおけるODMの概要と、OEMとの違いを解説します。

「アパレルならではのODM生産の特徴は?」
「OEMとはどう違うの?」
「実際ODMはどんな流れで生産されているの?」

こういった疑問にお答えしますので、ぜひ最後まで読んで、アパレルビジネスに役立ててみてくださいね。

なお、中国輸入でアパレルOEMを検討されている方は、中国仕入れ代行サービスのCiLEL(シーレル)へお問い合わせください。
ご状況に応じたご提案をいたします。
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OEMとは?

 

OEM (Original Equipment Manufacturing)とは、受託者が、委託者のブランドの商品として製品を生産することです。

「ODMと何が違うの?」と思った方もいるかもしれませんね。

OEMとODMの大きな違いは、工程のどこまでを外部委託するかです。

商品が完成するまでの工程を再度みてみましょう。

【商品の企画から販売までの工程】
・企画 → 開発 → 設計 → 製造 → 販売

ODMでは、開発~製造までを委託します。

対してOEMは、一般的に「製造のみ」を委託。

デザイン設計や開発、販売といった生産以外の工程は、委託者が自社でおこないます。

そのため、高度な生産技術が必要な場合には、委託者が受託者に技術的な指導をするケースもあるようです。

OEMは、とくに下記のような業界でおこなわれています。

・自動車
・家電
・アパレル・ファッション小物
・スポーツ・アウトドア用品
・生活雑貨

OEMで生産された自動車の代表例といえば、スズキの「ワゴンR」。

マツダの自動車「フレア」をモデルに作られ、エンブレムを除けば非常によく似た構造をしています。

「ブランドは違うけど、デザインや内容がよく似ているな」という商品を見かけた経験がある方も多いのではないでしょうか。

これらの商品は、同じOEM企業によって生産されている可能性が高いといえます。

OEM生産されている商品を詳しくを知りたい方は『OEM品にはどんなものがある?』の記事もご覧ください。
OEM製品を具体的にご紹介しています。

アパレルにおけるOEMのメリット・デメリット

 

他の業界と同様、一般的にアパレルのOEMでは生産のみを他社に委託します。

かつて、生産は国内の縫製工場などでおこなわれるのが主流でしたが、現在はグローバル化が進み、国内生産は減少。

ほとんどが中国などの海外の工場で生産されています。

アパレル業界において、自社生産で製品を作っている企業は少数派といえるでしょう。

委託者・受託者ともに、ODMとOEMの両方をおこなっているケースが多く見られます。

OEMのメリット

アパレルにおけるOEMには次のようなメリットがあります。

委託者 受託者
メリット ・生産能力が不足していても商品を作れる
・生産コストを抑えられる
・新しい商品のデザインや販売に専念できる
・大量の在庫を抱えるリスクが少ない
・委託者からノウハウを吸収できる
・指導してもらえることで技術力が向上する
・生産量の増加により収益が増す

アパレル製品の生産には、ミシンや裁断機だけでなく、資材や完成品を置くためのスペースなど、さまざなものが必要です。

そのため、生産設備を持たないブランドにとって、生産を委託できるのは大きなメリット。

また、必要な数量のみを発注するため、自社工場で大量生産する場合と比べて、在庫を抱えるリスクも低くなります。

委託している間の時間を利用して、新商品のデザインや販売に専念することもできますね。

競合が多数集まるアパレル事業を1から始めるとなると、同じことをしていても差別化は難しいものです。

ブランドや製品が認知され、売上を伸ばすためには、個性やオリジナル性が求められます。

そこでOEMを選択すれば、安い初期投資でオリジナル製品を外注することができます。

OEM委託は、少ない商品数(小ロット)でオリジナル商品を作りたい個人、デザインや設備投資にかかる費用を抑えたい中小ブランドなどに多く選ばれています。

OEMについては『小ロット簡易OEM!』の記事で、アパレル商品OEMのメリット・デメリット・手順を詳しく解説しています。

OEMのデメリット

続いてOEMのデメリットを紹介します。

委託者 受託者
デメリット ・自社で生産ノウハウが蓄積されない
・委託先が競合になるリスクがある
・自社生産による収益が得られない
・生産に関する技術が流出する可能性がある
・自社ブランドが市場に浸透しにくい
・ODMに比べて利益額が減る

OEMでは生産部分を他社に委託するため、縫製や裁断などの工程で必要な技術を社内で得る機会が少なくなります。

またODMと同様に、受託者が同じ業界で自社ブランドを立ち上げ、競合となるケースもあり得ます。

 

OEMの受託者のデメリットは、他社とビジネスをする過程で、自社の生産ノウハウが流出する可能性があることです。

また、取引先の企業のブランド名で商品を販売するということは、自分たちの企業名が知られにくいということ。

ODMにもいえますが、自社の認知度が上がりにくいデメリットがあります。

アパレルにおけるOEMとODMの違い

OEMとODMは、言葉こそ似ていますが明確な違いがあります。

OEM・ODMに関係なく、新たな商品の企画を立ち上げた場合は、 開発から設計、 製造へと制作過程を経て販売になります。

制作過程のうち、開発から製造まで全て委託するのが「ODM」です。

一方で、製造のみ委託するのが「OEM」となります。

単純に、委託する範囲が変わるだけですが、それにより委託者・受託者ともにメリット・デメリットが変わってくるので、両者の違いは明確に認識するようにしましょう。

ODMとは

アパレルにおいても、ODMの概要は同じです。

アパレルブランドなどから依頼を受け、他社がアパレル製品のデザインから生産までを請け負います。

また、ひとつのブランドが複数の業者にデザイン・生産を依頼する、コンペティションのような形式をとる場合もあります。

アパレル製品のODM受託先には、次のような企業が挙げられます。

・縫製工場
・アパレルメーカー
・総合商社
・繊維商社
・パーツ(副資材)の専門商社
・アパレル小売 など

企業によっては、ライバルのアパレル関連会社とODMを委託し合うことも。

最近では、かつてOEMを主流としていた企業が企画力を強化するために、OEMからODMに転換するケースも増えてきています。

時代とともに、ODM生産も多様化してきているといえますね。

ODMのメリット

アパレルにおける委託者、受託者別のODMのメリットは以下のとおりです。

委託者 受託者
メリット ・専門知識がなくても商品を作れる
・技術や生産に関するコストを削減できる
・販売に専念できる
・大量に在庫を抱えるリスクが少ない
・より専門的なノウハウが得られる
・技術レベルが向上する
・生産量が増えることで収益が上がる

ODMを依頼する最大のメリットは、デザインやパターンの知識がなくても商品を作れるところです。

また、OEMに比べて依頼費用は高額になりがちですが、大量生産によってコスト削減が可能。

デザインチームを社内に持つ必要がないため、企業全体の人件費を抑えることもできます。

生地の選別やファスナーのパーツなど、細かな提案までしてもらえれば、委託者の負担は大きく軽減できますね。

大量生産したい、商品を安く販売したい、企画や販売に専念したい会社にとっては、おすすめの生産方式と言えるでしょう。

一方、ODMを受託する企業は、デザインや生産を請け負うことで、膨大なノウハウを蓄積できるのが最大のメリットです。

実際、アパレル業界に限らずODMの受託経験を経たのち、自社ブランドを立ち上げる企業も少なくありません。

他社ブランドの商品を生産しながら、将来独立するための力をつけたい企業にとっては、メリットの多い生産方式と言えるでしょう。

ODMのデメリット

アパレルにおけるODMのデメリットは、以下のとおりです。

委託者 受託者
デメリット ・自社の生産技術が育たない
・販売価格が上がるケースがある
・委託先が競合になるリスクがある
・自社と類似した商品が出回る可能性がある
・製品に不備があった際に責任を問われることがある
・扱う範囲が広い分リスクも上がる
・委託者の社内都合によって計画がなくなるケースがある

ODMは、扱う範囲が広いため、販売価格が上がる傾向があります。

また、委託していることから自社でノウハウを蓄積できないリスクがあります。

結果、受託者ばかりが成長し、パワーバランスが崩れてしまうことも。

くわえて、企画・デザインから他社に任せることで、自社ブランドと似たデザインの商品が他社から販売されてしまうリスクもあります。

そのため、大手アパレル企業では、「差別化が必要」と、ODMを脱却するところも珍しくありません。

委託ではなく自社で生産をまかない、競合との差別化を図るブランドも見られます。

アパレルOEM・ODMメーカーの選び方

委託するメーカーは、どこでもいい訳ではありません。

アパレルでは「レディース」「メンズ」「キッズ」と扱うカテゴリーが大別され、メーカーごとに得意とするカテゴリーも違います。

ここでは、委託先を選ぶ際のポイントを解説していきます。

実績を確認して選ぶ

実績は、その企業の実力や信頼性を測る1つの基準になります。

多くの実績があるということは、多くのクライアントニーズに応えてきた証拠です。

自社の企画に自信がないうちは、委託先の技術を信頼して頼るのも選択肢として間違いではありません。

製造拠点の数を確認して選ぶ

受託企業には、複数の製造拠点をもち、それぞれの工場に特色を持たせていることがあります。

複数の拠点をもつ企業であれば、委託者の多種多様な依頼でもコストや生産性に見合った対応が期待できます。

今後、商品開発を発展させるビジョンがあるなら、選択肢に入れるべきでしょう。

依頼可能な最小のロット数を確認して選ぶ

生産能力で選ぶなら、最小ロットを確認しましょう。

「なぜ最大でなく最小ロットの確認?」といった疑問もあるかもしれませんが、商品は試作段階を経て販売につなげる必要があります。

試作段階での生産に対して、必要以上の数しか作れない偏った生産力では無駄が生じます。

最大ではなく、最小ロット数の確認はしておきましょう。

「ODM」「OEM」「SPA」アパレルブランド事例一覧

 

「まだ、よくわからない」「もっと具体的に知りたい」と感じている方もいるのではないでしょうか。

この章では、ODM・OEM・SPAそれぞれの生産形態で、代表的なアパレルブランドを紹介していきます。

読みながら、ブランドをイメージしてみてくださいね。

OEM

OEMは、多くのファッションブランドでおこなわれています。

「しまむら」や「ユニクロ」は、OEM生産も並行しておこなっていますし、イオン「トップバリュ」で販売されている衣服など、PB商品とも呼ばれている商品も入ります。

また、個人で販売しているオリジナル商品も含まれます。

たとえば、「衣服にタグだけつけて販売したい」「Tシャツにオリジナルのロゴだけつけて販売したい」といった場合も、依頼が可能です。

詳しい手順などは『中国輸入OEMの具体的な手順は!?』で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ODM

ODMを採用している代表的なブランドには「forever(フォーエバー)21」や「しまむら」が該当します。

フォーエバー21は、1984年に米ロサンゼルスで設立されたファッションブランドです。

日本にも進出し、人気を集めていましたが、2019年10月末に破産。

日本市場から撤退し、オンラインストアも閉店しています。

SPA

SPAとは、speciality store retailer of private label apparelの略で、商品の企画から販売までを一貫して自社でおこなう生産方法です。

おもにアパレル分野を中心に展開されています。

代表的なブランドには、ユニクロ・無印良品・GAP・コムサなどが挙げられます。

とはいえ、ユニクロのように、SPAかつOEMも取り入れているブランドも少なくありません。

たとえば、ユニクロはSPAの生産形態として代表的ですが、ユニクロの商品作りにはマツオカコーポレーションの存在が欠かせません。

マツオカコーポレーションは、ユニクロを傘下におく「ファーストリテイリング株式会社」にOEM提供をしているOEMメーカーです。

こうしたことから、「ODM」「OEM」「PB」「SPA」など、さまざまな呼称はあるものの、やり方は多様化してきているといえます。

今後は、より線引きが曖昧になってくるといっても過言ではないかもしれませんね。

アパレルOEM・ODMの流れ

 

一般的には、以下のような流れで進められます。

・企画・デザイン
・サンプル作成
・商品規格書の作成
・生産
・検品
・納品

この章では、アパレル商品の流れを紹介します。

それぞれの工程を詳しくみていきましょう。

企画・デザイン

企画・デザインの段階で、OEMとODMでは委託者のかかわる範囲が異なります。

OEMでは、依頼側がデザインや販売計画までを自社でまとめた後に受託者に伝え、依頼するのは生産工程のみです。

一方ODMでは、自社のコンセプトを伝えて企画・デザインの段階から委託することになります。

自社で企画・デザインを行なう技術力があるならOEM、アパレルが新規参入で開発力に自信がないうちはODMと分けて考えてもいいでしょう。

サンプル作成

受託側である企業のパタンナー(型紙をつくる役割の方)がパターンを作成します。

この際、生地やパーツなどの資材や加工の方法などを記した仕様書も作成されます。

これらのパターンと仕様書をもとに、受託者がサンプルを作成。

委託者と相談しながら、よりイメージに近い形に整えていきます。

修正を重ね、理想の状態に落ち着いたら、次のステップに進みます。

商品規格書の作成

委託者と受託者が納得できるサンプルができたら、工場で生産する際に必要な商品規格書を作成します。

商品規格書には、生地やパーツの情報、洗濯ネームの付け位置、仕上がり寸法、生産量などを記します。

商品規格書ができあがったら、最終チェック。

内容に間違いがないか、生地やパーツは生産に必要な量を確保できているか、などをもう一度確認します。

生産

アパレル製品は国内か海外の自社工場か、提携する工場で生産されます。

近年では、グローバル化により、中国やベトナムなどで生産されるケースが主流になりつつあります。

また企業によっては、小ロット生産やコストの相談に応じてもらえることも。

受託者がコストや品質などを管理しながら、納期に合わせて商品を生産します。

検品

仕上げのプレスが終わったら、受託者が提携する検品工場で商品を検品します。

アパレル製品の場合、縫製のほつれや汚れだけでなく、まれにミシン針が混入する場合も。

これらのケースに備え、検針機やX線検査機などでチェックします。

生地の状態やパーツなどの付け位置が商品規格書と合っているか確認したら、納品のステップに移ります。

納品

検品が終わったら商品を納品します。

指示した通りのデザインになっているか、数量に問題がないかを確認します。

納品後は委託者側が商品の管理から販売までおこないます。

中国からOEM・ODM製品を輸入する際の注意点

港付近で山積みのコンテナ

上述したように、アパレル製造は、中国やベトナムなどで「OEM・ODM生産」されるケースが多くなってきています。

ここで知っておいてほしいことが、「海外からの輸入について」です。

関税や時間の問題など、海外からの輸入ならではの注意点を紹介します。

関税がかかる

まず注意してほしいのが関税です。

中国の商品を買い付ける、製品を発送してもらう、といった場合、日本に商品を輸入することになりますね。

海外からの輸入では、関税や輸入手数料、配送料などもかかってきます。

関税の計算は、「個人輸入か・商用輸入か」によって異なり、税率も変わってくるため、知識がないと難しく感じることも…。

そのため、中国輸入の際には、輸入代行業者の利用が必須です。

輸入代行業者を利用すると、輸入に関する一連の手続きを請け負ってもらえます。

あわせて『中国輸入の関税のしくみや税率』の記事も読んでみてください。

不良品を仕入れてしまう可能性がある

不良品を仕入れてしまう可能性があることも注意しておきましょう。

中国輸入は不良品が多いです。

不良品といっても、「衣服が破けている」といった明らかなもの以外もあります。

たとえば、以下のような場合も不良として扱われます。

・糸くずやゴミが付着している
・機械の油汚れがついている
・ボタンホールが開いていない
・糸が飛び出している
・穴あき、ほつれがある など

不良品を販売してしまっては、クレームの対象となり、自社の信頼をも失ってしまう可能性があります。

不良品の販売を防ぐためには、「検品」をしっかりすることが重要です。

中国で検品してもらう、Amazonで検品してもらう、代行業者に検品してもらう…。

コストは増してしまいますが、1度失った信用を取り戻すのは簡単なことではありません。

検品にかかる費用は抑えようとせず、丁寧に検品をしてもらいましょう。

以下の記事ではアパレル商品の不良率や事例を紹介しています。

参考:アパレル商品の不良率を30%から8%にする方法

商品発送や修正時に時間がかかる

商品発送や修正時に時間がかかる点も注意が必要です。

なぜなら、輸送距離があるからです。

配送日数は平均1週間程度、船の場合は、さらに日数がかかると言われています。

仮に、修正依頼をするとしましょう。

日本で確認してから、再度中国へ発送すると、プラス1週間。

修正後に再度輸入するとなると、さらに1週間。

納期に余裕をもっておかないと、納品日に遅れてしまう可能性があります。

OEM・ODMでアパレル製品を生産しよう


アパレルにおけるODMの概要と、OEMとの違いを解説しました。

ODM(Original Design Manufacturing)とは、受託者が他社のブランドの商品として製品をデザイン・生産すること

委託者にとっては以下のメリットがあります。

・デザインやパターンのノウハウが無くても商品を作れる
・技術の取得や生産に関するコストを削減できる
・企画や販売に専念できる
・大量の在庫を抱えるリスクが少ない

また、受託者にとっては以下のメリットがあります。

・より専門的なノウハウが得られる
・生産量が増えることで収益が上がる

一方、OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、受託者が他社のブランドの商品として製品を生産すること。

委託者にとっては以下のメリットがあります。

・生産能力が不足していても商品を作れる
・生産コストを抑えられる
・新しい商品の企画や販売に専念できる
・大量の在庫を抱えるリスクが少ない

また、受託者にとっては以下のメリットがあります。

・委託者からノウハウを吸収することで技術力が向上する
・生産量の増加により収益が上がる

ODMとOEMの大きな違いは、企画やデザインをどちらの企業が担当するかです。

ぜひそれぞれの特徴を理解して、ビジネスの戦略を立ててみてくださいね。

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