今回は中国輸入のOEMをおこなう具体的な手順を解説をします。
「中国輸入を始めたけれど、思ったように売れない」
「オリジナル商品を作ってみたいけどむずかしい…」
このようなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
中国輸入はAmazonで販売をおこなう方が多いですが、Amazonで相乗りされて売上が減ってきてしまい、その対策としてOEMを始める方は多くいらっしゃいます。
この記事では、中国輸入のOEMについて、事例や注意点を紹介しながら詳しく解説。
初心者でも取り組みやすい「簡易OEM」と、オリジナル商品を企画・生産する場合のOEM手順についてご説明します。
中国輸入OEMを考えている方はぜひ参考にしてください。
すでに具体的な希望商品やご予算等が決まっている方は、CiLELに会員登録いただければご状況に合わせたサポートをいたします。
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中国輸入のOEMって何?
まずは、OEMについての基本的な内容について説明します。
そもそもOEMとは?
OEMは、Original Equipment Manufacturing(もしくはManufacturer)の略語です。
直訳をすると 「委託者のブランドで製品を生産すること、または生産する人やメーカー」 となります。
委託者のブランドで、製品を設計・生産することをいいます。
例えばすでに工場で作っているバッグや帽子に、自分のブランドのタグをつけて 「自社ブランド品」 として販売するということ も、OEMのひとつの方法です。
似た言葉に「ODM」というものもありますね。
OEMとODMの違いについては、こちらの記事をご覧ください。
『ODMとOEMの違いとは?メリット・デメリットもわかりやすく解説』
中国輸入OEMと日本国内OEMの違い
OEMでの生産工程は同じですので、委託先の工場が中国にあるか、日本国内にあるかの違いです。
中国の工場に生産を委託して、輸入して仕入れることを「中国輸入OEM」などと言います。
国内の工場に委託する場合であれば、現物を確認するために足を運んだり、サンプルを短期間で送ってもらうこともできますが、委託先が中国の場合はそれが難しくなります。
なので、中国輸入OEMは、輸入代行業者を介して行う場合がほとんどです。
中国輸入のOEMでのメリットは?
次に、OEMでオリジナル商品を作るメリットを解説します。
Amazon相乗りの価格競争から抜け出せる
Amazon販売の場合、ライバルに相乗りをさせずに独占的に販売ができるという点が大きなメリットになります。
Amazonには「1つの商品に対して商品ページは1つだけ」というルールがあります。
そのため、誰かが既に中国輸入で出品している商品を販売したい場合には、同じ販売ページを使って出品することになるのです。
(これを相乗りといいます。)
相乗りの場合、価格競争から抜け出すことができません。
しかし、オリジナル商品として別ページで販売することで、価格を自分が自由に設定できます。
同じ販売ページに被せての相乗りはされなくなるので、価格競争から抜け出せるということです。
中国輸入のOEMに関しては、オリジナル商品で付加価値をつけるというよりも相乗り販売から脱出して独自の商品ページで勝負をすることを目的にしてその手段としてOEMを行うということが多いです。
品質が安定する
自分のオリジナル商品の生産を委託するわけですから、既製品を仕入れるよりも品質のコントロールがしやすくなります。
たとえばアパレル商品の場合、生地の厚みが変わると品質が全然違ってしまいますよね。
これを生地から丸ごと作ると、生地の厚みがクレームの原因になることを、ある程度は回避できます。
ロットは多くなりますが、品質を安定させることができるのはメリットです。
中国輸入のOEMでのデメリットは?
OEMでオリジナル商品を販売することのデメリットもあります。
具体例を紹介しながら解説します。
資金力が必要
OEMはまとまった個数で発注することになるので、スタートのためには資金が必要です。
資金力が低いと、キャッシュフローが悪くなって、資金繰りが厳しくなってしまいます。
少なめのロット数で見積もりをしても、最低ロット数が1,000個〜などと工場側から提示されることもあります。
下記は日本円で1個380円ほどのアパレル小物の既製品のデザインを一部変更するOEMの例です。
単価は下がりますが、最小のロット数は既製品をそのまま仕入れを行う場合の20倍です。
例)
既製品の場合
■ 最低ロット数:20個
■ 単価:日本円で約380円
OEMの場合
■ 最低ロット数:1,000個
■ 単価:日本円で約220円
これは一例ですが、OEMでは既製品を仕入れるよりも最低ロット数が多い場合がほとんどです。
販売予測や実績によって見合ったロットで生産することはもちろんですが、資金回収のリードタイムが長くなってもキャッシュフローが回るように、余裕を持った資金計画を立てましょう。
今までの販売経路がなくなる
OEMでは、新しくオリジナルの商品を販売することになります。
つまり、今までの販売経路がなくなります。
Amazon販売の場合「ページを独占できたら相乗り販売より売れる!」と考えがちですが、それまでの販売経路がなくなるため、売れなくなる場合も多いです。
そのため、マーケティングをしっかりおこない、ニーズにあったオリジナル商品を作らなければなりません。
類似商品をいくつも比較して、購入者にとってなにがメリットになるのか、購入の決め手になるのは何なのかをしっかり考えましょう。
競争が激しい商品では、しっかりブランディングまで行っていかないと売れない場合もあるので注意しましょう。
商品を真似される
OEMでオリジナル商品を安定的に販売ができるようになったとしても、これで安泰とは言い切れません。
「同じようなタグをつける」「セット商品にする」などでライバルが出てくる可能性があります。
その場合は、やはり価格競争になってしまうため、ライバルが価格を下げて販売すると自分の商品が売れなくなってしまう可能性があります。
「発注した大量の在庫があるのに、予定価格で売ることができない!」ということになっては大変です。
中国輸入OEMは「簡易OEM」から始めよう!
では、実際にOEMでオリジナル商品を作るというのはどのようにするのでしょうか?
既製品を大きく改良してオリジナル品にする方法もありますが、始めからオリジナル商品を開発するのは少し難易度が高いです。
OEMのスタートとしては、難易度が低めの簡易OEMがおすすめです。
ここでは具体的な3つの方法を見ていきたいと思います。
タグをつける
まずタグをつけるという方法があります。
上の写真は、弊社サービス「CILEL」(シーレル)のロゴをタグにしたものです。
ロゴのデザインは自分で用意する必要があります。
自分でデザインが難しい場合は、クラウドソーシングサービスなどでデザイナーさんに依頼して作成してもらうと良いでしょう。
無料のロゴジェネレーターを使用するのも良いですね。
ちなみに、Amazonでは、恒久的でないタグをつけるだけではオリジナル商品とはみなさないというルールを決めているので、しっかりタグを縫い付ける必要があります。
ノーブランド品に対し、不適切に商標を付して商品画像に掲載する行為、および、ブランドとの不適切な関連付けの言葉を商品詳細ページに含める行為:
出品者が保有している商標を、恒久的でない方法(例:シール、ラベル、タグ等を貼付する等)でノーブランド品に付して商品画像を掲載することは原則禁止されています。また、ノーブランド品(シールの貼付等恒久的でない方法で商標が付されたものも含む)の商品詳細ページにおいて、出品者が保有している商標に言及すること(商品名に商標を付すことを含む)は禁止されております。Amazonは、本規約に抵触する商品、商品ページ、または商品画像を削除もしくは修正する権利を留保します。
引用:amazon sellercentral出品者の禁止活動および行為、ならびに順守事項
Amazonのルールに従って販売が行われていない場合は商品を削除されてしまいますので、注意してください。
ロゴをつける
もうひとつは、商品自体にロゴを入れるというものです。
ロゴをいれることによってデザイン性を上げることもできます。
またロゴではなく、デザインをプリントしてオリジナル商品にすることもできます。
注意点としては、「恒久的な方法にする」ことです。
さきほどご紹介したように、Amazonのルールで 「恒久的でない方法」でのロゴはオリジナル商品とみなされないため、簡単に取れるシールでロゴを入れるようなやり方はNGです。
ロゴを入れる簡易OEMを行う場合は、中国の工場に依頼や交渉をする必要があります。
個人で直接、展示会などで交渉を行うこともできますが、実際にはサンプル品などを見て、品質を確認するという工程もあるため、OEMは輸入代行業者に頼む方がスムーズです。
下記の記事も参考にしてください。
『中国輸入でOEM!代行業者を使うメリットと代行業者の選び方』
複数商品をセットにする
これはOEMの本筋とは少しずれますが、 「複数の商品をセットで1つの商品にする」ことによって、オリジナルの商品にするというものです。
下記の写真は商品のルームウェアで、長袖トップス・半袖トップス・ボトムスなど7点がセットになっています。
引用:HANIストア パジャマ
このように いくつかの商品を組み合わせる ことで、オリジナル商品として別ページで販売をすることができます。
具体的に中国輸入でOEMをする手順解説
ここからは具体的なOEMの手順を解説していきます。
CiLEL(シーレル)は中国仕入れの代行を行っていますので、「既製の型を使った小物入れにロゴを刻印するというOEMを、代行業者を介して中国の工場に依頼する」 という例で解説していきます。
この方法は、比較的初心者の方でも行える内容です。
具体的な過去の事例と注意点を紹介しますので、OEMでどのようなトラブルが考えられるのか確認したい方は必見です。
事前のリサーチ
まずはリサーチが必要です。
通常の仕入れと同じように「商品はどれくらいのニーズがあるのか」「実際にどれくらい購入されているのか」というリサーチをおこないます。
また、先ほど記載したようにOEMは最小ロット数が多いですから、「通常の仕入れよりもロット数が多い仕入れ」になります。
そのため、リサーチは通常よりも念入りに行う必要があります。
「なんとなく売れそうだから…」というOEMは危険です。
工場へ見積もり依頼
次に、工場にOEMの見積もりを依頼します。
ここでは、なるべくどのようにしたいのかを具体化して伝えましょう。
刻印するタイプのロゴ入れであれば、下記のような情報が必要ですね。
・入れたいロゴのデザイン画像
・完成した商品のイメージに近い商品写真
・その他事前に確認したいことの詳細や質問事項など
ロゴが1種類なのか、2種類なのかによっても変わります。
とにかく、何度も細かく伝えることが大切です。
工場からは、「最小ロット数」「単価」「サンプル費用」「サンプル作成期間」「量産期間」「別途かかる費用」の返答がある場合が多いですが、特に細かく確認したい項目は見積もり時に代行業者に伝えると確実です。
工場に自分が作りたいものをしっかり伝えて、見積もりを出してもらうことが重要です。
工場から見積もり回答
工場からOEMの見積もり回答がきたら、内容を確認します。
中国なので、通常、単価は元で回答がきますが、ここではわかりやすく日本円で記載します。
(価格はあくまでも一例です。)
例)
■ 最小ロット数:100個
■ 単価:日本円で900円
■ サンプル費用:2,100円
■ 期間:6週間(サンプルは14日間)
■ ※別途、刻印の型代が3,000円
この段階で、このまま作成するか、作成を見送るかを決めます。
もちろん「見積もりをしたけど作成は見送る」ということもあります。
工場が繁忙期だと、見積もりだけで2週間かかる場合もあります。
OEMをこのまま進める場合には、次はサンプル作成です。
サンプル依頼
見積もりでOEMを行うことを決めたら、次はサンプルの作成を依頼します。
ロゴの刻印であれば、ロゴのデータを準備します。
ロゴをどこに入れるのかも、細かく説明して依頼します。
自分のイメージしているものを相手に伝えるというのは、目の前にいる相手に対して行ってもむずかしいものです。
サンプルができたときに「イメージしていたものと違う…」とならないように、しっかりコミュニケーションをとって必要事項を確認しながらサンプルを依頼します。
CiLELは代行業者としてOEMを依頼するお客様と工場の間にはいりますので 、「画像データが開けない」「データ形式を変換してほしい」と工場側から連絡があったときの対応もしています。
サンプル確認
完成したサンプルが届いたらサンプルの現物を見て確認をします。
もちろん、「思い通りの商品になっていない」ということもあります。
こちらの意図をしっかりと伝えたにもかかわらず、イメージと違う商品がサンプルとして上がってきた一例を紹介します。
例)
サンプル依頼:ロゴ刻印のデータを送り、意図をしっかり伝えた。
サンプル完成:送ったデータに近いが、相違があるロゴが刻印されたサンプルが届いた。
理由:工場の担当者の判断でデザインをアレンジしてしまっていたから。
この例は、工場内のコミュニケーションが足りていなかったことが一番の要因ではありますが、このようなミスも代行業者を利用することで、ある程度は防ぐことができます。
イメージ通りの商品を作るには、しっかりとしたコミュニケーションが大事なのです。
サンプルを依頼してから完成したサンプルが空輸で届くまでは、2ヶ月ぐらいかかる場合も多いです。
「中国から送ってもらうのは時間のロスになるから写真での確認で大丈夫なのでは?」と思うかもしれませんが、商品の細部は実物を見てみないとわかりません。
CiLELでOEMをお受けさせていただいた場合は、基本的に現物を確認していただいています。
(先に画像をお送りすることもあります。)
サンプル確認後の再検討
この再検討の手順は、完成したサンプル品の状態によって変わります。
1.完成したサンプル品を見て、イメージと違う場合
→ 修正点を細かく伝え、再度サンプルの依頼をします。
2.完成したサンプル品で量産したいけれど不安な場合
→ 最終的な量産数全てではなく、その一部の個数で生産を依頼します。
3.完成したサンプル品で量産する場合
→ 量産に進みます。
「2.完成したサンプル品で量産したいけれど不安な場合」ですが、工場によってはサンプル品と量産品で使用する工場のラインが異なる場合もあります。
使用するラインが違うと、サンプル品と量産品とで誤差の範囲を超える違いが出てくることがあります。
これを防ぐために、初期量産という手順を追加しています。
CiLELでは数多くのOEMの仲介をしてきましたので、そこで得た情報や経験をお客様に共有し、お客様の判断材料にしていただいています。
再サンプル品や初期量産品の確認
再度サンプル品作成の依頼をしたり、初期量産品の作成を依頼した場合には、その完成品の確認をします。
先ほど記載したように、サンプル品と初期量産品とでは使用する工場のラインが違う場合もありますので、その点も注意をして確認します。
再サンプルに関しては、修正点を伝えたにもかかわらずイメージ通りにならない場合もあります。
その場合は、再度修正点を伝えて、再度サンプル依頼を行います。
問題なく量産となった場合には、次の量産の依頼を行います。
OEM商品の量産依頼
ここまできたら、やっとOEM商品の量産を依頼します。
最初の見積もりの依頼からここまで2ヶ月ぐらいの期間がかかることも多くあります。
OEM商品の量産品の確認/販売
待ちに待った量産品の完成です。
完成した商品を確認します。
ここまでの工程で十分に確認をしているから問題ないと思いたいのですが、過去のOEM事例では、量産品でサンプル品と違うものができてしまう場合もありました。
販売のためには商品の写真が必要なので、量産品が完成したら商品写真の準備をしておきましょう。
そうすればスムーズに販売できます。
OEMで差別化するためのオリジナル商品開発とは?
ここまでは、既製品の一部の仕様変更やロゴ入れなどの簡易OEMを解説してきました。
そこからの次のステップとして考えたときの「OEMで差別化するためのオリジナル商品開発」とはどのようなものでしょうか?
たとえば上の画像の商品は、過去に弊社で実際に販売していたものですが、既存の型からツートーンカラーに変更したオリジナル商品です。
「ロゴの刻印」に加えて「カラーの変更」を行うことで、既製品と比べるとデザイン性が上がり、見た目の印象が大きく変わっています。
これで大きく差別化をすることができます。
中国輸入のOEMまとめ
オリジナル商品となるOEM商品の作成の実際の手順では、工場とのコミュニケーションがとにかく大切です。
こちらの意図をしっかりとしつこいくらいに伝えないと、思い通りにならないと考えておくほうがいいと思います。
また、オリジナル商品を販売できたとしても、またライバルが現れるかもしれないという緊張感を持ち続けてください。
OEMでオリジナル商品を販売しながらも、新しい商品探しを同時並行で行っていくなど、常に新しい情報を集めるようにしましょう。
まずは簡易OEMからスタートしてみるのがおすすめです。
この記事では、簡易OEMとして、下記3つの方法をご紹介しました。
・タグをつける
・複数商品をセットにする
・ロゴをつける
簡易OEMは、中国輸入を始めて間もない方でもチャレンジしやすい方法になります。
これからOEMにチャレンジする方は、ぜひ一度CiLELにご相談ください。
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CiLELに相談してみる
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ちなみに、中国輸入をこれから始める方でOEMを検討されている場合、まずは通常の仕入れ販売で経験と実績を積むことになります。
中国輸入×Amazon販売のはじめ方についてはこちらの記事にまとめてありますので、参考にしてください。
『【これが最短ルートだ!】7ステップではじめる中国輸入Amazon販売』
投稿者プロフィール
- CiLEL編集部
- CiLEL編集部は、中国輸入ビジネスをはじめ物販ビジネスや副業についてのお役立ち情報を発信しています。記事は「正しく、わかりやすく、誠実に」がモットー。FP、販売士、ネットショップ検定、日商簿記、行政書士、キャリアコンサルタントなどの資格を持つメンバーが執筆・監修しています。
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