近年、副業推進の動きもあり、副業を始める人が増えてきています。
副業には、内職のような手軽なものから、輸入ビジネスのような上級者向けのものまで、さまざまな種類がありますね。
そのなかで、ネットショップ運営に興味を持った人もいるのではないでしょうか。
「やってみたいな」と思いながらも始め方がわからず、一歩を踏み出せない人もいるかもしれません。
そこで今回は、副業でネットショップを始めるメリットや流れ、注意点を紹介します。
目次
Toggle副業でネットショップ運営してもいい?
ネットショップ運営は、副業でも始めることができます。
実際に、副業でネットショップを運営している人はたくさんいます。
会社員として働きながら月に1~2万円ほどの収益を得ている人、パートをしつつ「ゆくゆくは副業で生計を立てられるようになりたいな」と思っている人など、さまざまです。
「やってみたいけど、運営するのが大変そう…」と思う人もいるかもしれませんね。
ネットショップ運営は、最初から大規模でおこなう必要はありません。
たしかに、出品したり梱包したりと、いくつかの工程がありますが、作業を小分けにして生活の中に組み込む方法もあります。
すきま時間を活用して、以下のようにおこなう方法もあります。
【すきま時間の有効活用例】
・休日に仕入れや発送作業をする
・出勤前の1時間で梱包をする
・昼休みにSNSに投稿する(集客)
・退勤後に売上の分析をする など
すべての工程を一度にやろうと思うと、時間と労力がかかるので、「すきま時間に少しずつ」するのがコツです。
また「ちょっと販売してみようかな」くらいの気持ちで小さく始めると、心身の負担も少なくて済みます。
自分の趣味や特技を活かしたいと思っている人は、無理のない範囲で始めてみてはいかがでしょうか。
「副業自体が初めてだから、基本的なやり方から知りたい」という人は、別記事『物販の基本的なやり方』も参考にしてみてください。
仕組みや手順を紹介しています。
副業でネットショップを始めるメリット
副業でネットショップ運営をするメリットには、次のようなものが挙げられます。
・副収入が得られる
・自分の趣味やスキルに合ったショップ運営ができる
・独立も目指せる
副収入が得られる
最大のメリットは、副収入を得られるところです。
副業として始める場合、本業を辞めるわけではないので、ネットショップの収益は副収入になります。
食費や教育費など、日々の家計の足しにすることができますね。
「お小遣い」として趣味や娯楽に使う、将来のために「貯金にまわす」人もいるでしょう。
副収入の使い道は人それぞれです。
また、「副収入がある=本業に”もしも”のことがあっても、他から収入が見込める」ということ。
仮に、本業の給与が減ったとしても副業の収入を充てられるため、お金に困る可能性は減ります。
複数の収入源があることは、生活をするうえでの安心材料にもなり得るのです。
自分の趣味やスキルに合ったショップ運営ができる
自分に合ったショップ運営ができる点もメリットですね。
ネットショップでは、さまざまなジャンルの商品を売り買いすることができます。
自分の好きなものや得意なことを思い浮かべてみてください。
ネットショップの商品にできるかもしれません。
一例を挙げてみましょう。
【販売商品の一例】
・絵を描いたりデザインしたりするのが得意な人…オリジナルTシャツの販売
・ハンドメイドアクセサリーを作るのが好きな人…ハンドメイドの販売
・レザーが好きな人…レザー製品の販売
・キャンプが好きな人…アウトドア用品を販売
・地元産の果物などを全国に知ってほしい人…果物や特産品の販売
このように、自分の好きなもの・得意なことを仕事として活かすことができます。
自分の好きなジャンルなので、楽しんでおこなうことができるのではないでしょうか。
なかには、転売なども含め、「物販」という形でネット販売をしている人もいます。
別記事では、副業で「物販」が選ばれる理由や始め方を解説しています。
『副業で物販を検討中の方は必見!』です。
独立も目指せる
副業を続けていると、独立のチャンスもあります。
ネットショップに訪れるリピーターやファンが増えれば、収入も増えます。
ネット販売・運営が軌道に乗り、本業の収入を上回るようになれば、独立も夢ではなくなるかもしれませんね。
「朝から晩まで仕事に追われるのではなく、家族との時間を優先したいな」
「独立できたらなぁ」
「いつか、自分でビジネスをしてみたいな」
漠然と考えている人は、この機会に「きっかけ」を作るのも、ひとつの方法ではないでしょうか。
副業でネットショップを始めるデメリット
メリットもあれば、デメリットもあります。
デメリットは、以下のとおりです。
・売上アップまで時間がかかる
・自分で集客する必要がある
・モチベーションの維持が難しい
売上アップまで時間がかかる
ネットショップ運営は、売上が伸びるまでに時間がかかります。
なぜなら、消費者にサイトを見てもらえないことには、販売につながらないからです。
たとえば、人気のあるタレントやお笑い芸人などが「オリジナルグッズの販売を始めました」と宣伝すると、その商品を販売しているサイトは瞬く間に売上が伸びるでしょう。
しかし、これは「販売する人の認知度が高い」からですね。
名の知れない個人が同じように宣伝しても、おそらくサイトには誰も集まらないでしょう。
個人で商品を販売し、売上アップを図るには、まず自分を知ってもらう必要があるのです。
宣伝や広告といった工夫をしていかなければならず、どうしても時間がかかります。
最初から、「どんどん儲かる」わけではないことを知っておきましょう。
自分で集客する必要がある
自分で集客をしなければならない側面もあります。
ネットショップを立ち上げたからといって、自然に顧客が増えるわけではありません。
おもな集客方法には、以下のようなものがあります。
【集客方法の例】
・SEO対策をする
・SNSを活用する
・広告を運用する
近年は集客方法のひとつとして、SNSがよく利用されています。
TwitterやInstagramなどのSNSでフォロワーを増やし、呼びかけたり宣伝したりします。
新規顧客だけではなく、リピーターを増やすことによって、売上アップを狙います。
リピーターを増やすためには、デザインの改善をしたり、リピーター向けの施策を考えたりする必要もありますね。
売上を伸ばすためには、集客は必須。
集客がうまくいかなければ、売上を伸ばすことが難しくなります。
工夫や分析・改善をしながらコツコツ継続ができなければ、ネットショップを運営していても収入につながらない点がデメリットといえます。
モチベーションの維持が難しい
モチベーションの維持の難しさもあります。
ネットショップ運営は、地道な作業です。
「いくら改善してもサイトを見てもらえない」ことも珍しくありません。
「頑張ってサイトを作ったけど、見てもらえないし、全然売れない。やってる意味あるのかな…」
収益にならないと、モチベーションも下がってしまいますよね。
結果、継続できずに辞めてしまう人も…。
いかにモチベーションを一定に保てるか、「目的を見失わずに頑張れるか」が、ネットショップ運営成功へのカギになることもあります。
ネットショップ開設までの流れ
ネットショップ開設までのおもな流れは、以下の4ステップです。
・販売する商品・サービスを決める
・ショップ名とコンセプトを考える
・利用するEC作成サービスを決める
・ネットショップを開設し販売する
販売する商品・サービスを決める
まず、売りたい商品を決めましょう。
販売する商品によって、仕入れの方法や販売の計画が変わってきます。
たとえば、キャンプ用品を売りたい場合には、商品を仕入れるところから始まりますが、ハンドメイドのようなオリジナル商品を販売する場合は、仕入れではなく自分で制作しますね。
「自分で制作」ではなく「メーカーに発注する」場合もあるかもしれません。
自分のやりやすい方法を選びながら考えていきましょう。
また、ショップで商品を販売する前に、よく販売されている商品のジャンルや、販売が禁止または規制されている商品について知っておくことも大切です。
よく販売されているジャンルは下記のとおりです。
【よく販売されているジャンル例】
・衣料品・ファッション小物
・生活雑貨
・キッチン用品
・ハンドメイド
・キッズ・ベビー関連グッズ
・インテリア・家具
・スポーツ用品
・食品・お菓子
販売できる商品であっても、ものによっては許可証や資格が必要な場合があるので、出品する前には必ず法律と利用規約(ECサイトを利用する場合)を確認しましょう。
下記は、販売が禁止・規制されている商品の一例です。
【販売が禁止・規制されている商品例】
・法律で販売が規制されているもの…医薬品、健康食品、盗品、薬物など
・公序良俗に反するもの…盗撮、アダルト商品、殺人などの犯罪を誘発する商品など
・悪用される危険のあるもの…免許証、健康保険証、制服など
・譲渡や転売が禁止されているもの…偽ブランド品、違法コピーされたDVD、クレジットカード、証券口座など
「少しくらいバレないだろう」と安易に考えるのは危険です。
法律違反となった場合、逮捕され罰せられる可能性もあります。
ショップ名とコンセプトを考える
販売する商品を決めたあとは、ショップ名とコンセプトを考えましょう。
ショップ名は、長いものより短く覚えやすいものがベター。
検索されやすいように、スマホやパソコンから打ちやすいものにするのも、いい方法かもしれません。
コンセプトは、「だれに売りたいか」「商品を買うことで、どんな価値を提供できるか」を考えてみてください。
たとえば、「『自分に合うサイズがない…』と悩んでいる小柄な女性に向けて」「小さいサイズの衣服を販売し、自分の身体に合った服に出会えるようにする」といった具合です。
対象にする人を具体的に考えると、より商品イメージが明確になるため、他のサイトとも差別化が図れます。
利用するEC作成サービスを決める
商品やショップ名、コンセプトが決まったら、出店の方法を選びましょう。
出店方法は大きくわけて3種類あります。
・ECモールに出店する
・EC(ネットショップ)作成サービスを利用する
・自分で作る
Amazonや楽天などが代表的な「モール型ECサイト」は、集客力が強みです。
EC作成サービスは、ネットショップ初心者でも始めやすい点や全体的なコストを抑えてスタートできるところが魅力。
自分で作る場合は、ドメインやサーバーなどの契約からデザイン作成まですべて自分でおこないます。
時間や労力はかかりますが、唯一無二の独自サイトを作ることができます。
3つの出店方法については、『個人でネット販売を始める方法!』でも解説していますので、あわせてご覧ください。
ネットショップを開設し販売する
出店方法まで決定したら、いよいよショップ開設です。
商品を販売していきましょう。
さきほどもお伝えしましたが、販売するにあたって重要になってくるのが集客です。
SNSアカウントを作成してフォロワーを増やしたり、広告を出して宣伝したりして、ショップの認知度を上げていきましょう。
また、サイト(ショップ)の使いやすさも大切になってきます。
せっかくショップにきてもらっても、「欲しい情報がどこにあるかわからない」「どこから購入できるかわかりにくい」など、消費者にとって使いにくい場合はそれが原因で購入に至らない可能性も…。
見やすく、使いやすいショップを目指して、改善もしていきましょう。
副業でネットショップを運営する注意点
ネットショップを運営する注意点は、商品ジャンル以外にもあります。
この章では、重要な注意点を2つ紹介します。
・副業でも原則「開業届」の提出が必要
・所得額によって確定申告が必要
副業でも原則「開業届」の提出が必要
副業であっても、原則として開業届の提出が定められています。
開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。
新たに事業を開始したとき、事業用の事務所・事業所を新設、増設、移転、廃止したとき又は事業を廃止したときの手続です。
引用:国税庁|[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続
「事業の開始等の事実があった日から1か月以内の提出」が期限となっています。
「面倒だな」と感じるかもしれませんが、開業届は個人事業をおこなう証明になります。
青色申告承認申請書と合わせて提出することで、節税にもつながるので提出しましょう。
所得額によって確定申告が必要
副業での年間所得金額が20万円を超える場合には、確定申告が必要です。
本業が会社員などの場合は、所得税が給与から天引きされているため(源泉所得税)、自分で確定申告をしたことのある人は少ないかもしれません。
しかし、「給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人」は確定申告をしなければならないと定められています。
参考:国税庁|給与所得者で確定申告が必要な人
ネットショップ運営に限らず、ブログ収入などの副業で収入を得た場合も同じです。
確定申告は、所得を計算・申告・納税し、過不足を精算する重要な手続き。
申告をしなかった場合、脱税にもなりかねません。
『確定申告が必要な人とは?』の記事も参考にしてみてください。
確定申告について疑問や不安がある方は、お近くの税務署に問い合わせるのが確実なのでおすすめです。
まとめ
ネットショップ運営は副業でも始めることができます。
時間がかかる側面はありますが、自分の好きなジャンル、好きなペースで開設・運営できる魅力的な副業です。
売上を伸ばすには集客が欠かせませんが、ネットショップ運営が成功したら、独立も夢ではなくなるかもしれません。
とはいえ、手づくりの商品を取り扱う場合などは、出品するための制作時間もかかってきますね。
ネットショップを開設する前に、出品にかかる諸費用や、制作にかかる時間などを確認しておくと、シミュレーションしやすいです。
この機会に、自分のライフスタイルに合わせながら、ECサイトを立ち上げてみてはいかがでしょうか。
投稿者プロフィール
- cilel_admin