※こちらの記事の情報は2023年2月時点のものです。
Amazon物販でFBAを使うか自己発送するか、迷うところですよね。
商品をお客様に届けるための送料は、物販ビジネスをやっていくなかで必ずかかる費用です。
ですが、みなさんも一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
「送料が思ったより高くて利益が出ない…」
「送料を抑えたいのにFBAより自己発送の方が安い…?」
送料は値上げや改定も多く、安くするにはどうすればいいのかわからない方もいるかもしれません。
また、使い始めたときに割安だと思った配送方法が、今も割安だとは限りません。
今回はAmazon物販でかかる配送料を抑えて利益を出す方法を解説します。
FBAの使い方のコツや、自己発送の際の送り方についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
FBAサービスやFBAの手数料について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
『FBAサービス・手数料を全て解説』
目次
ToggleAmazonFBAと自己発送の違い
そもそも、FBAと自己発送は何が違うのでしょうか?
FBAは「フルフィルメント by Amazon」の略で、Amazonが商品の保管や発送などを代行してくれる物流サービスです。
販売する商品を、発送できる状態(検品・梱包し、FBAラベルを貼りつけた状態)でFBA倉庫に納品すれば、商品が売れたらAmazonが発送してくれます。
FBAを利用する場合、商品が売れたときの対応はAmazonにおまかせですが、商品をFBA倉庫に納品するという工程が発生します。
FBA納品についてはこちらの記事も参考にしてください。
『Amazonへ納品するときの梱包方法!FBA利用で効率化を図ろう』
FBAを利用する際の送料はFBA手数料(配送代行手数料)に定められている通りで、商品の区分によって異なります。
自己発送は、商品が売れたときの発送を自分でおこなうことです。
商品は自分で保管し、ヤマト運輸や佐川急便、日本郵政などの配送業者を利用して発送します。
Amazonの商品ページには必ず「出荷元」と「販売元」が記載されていますね。
「販売元」は自分のショップの名前が出ますが、FBAを利用している場合は「出荷元」がAmazonになり、自己発送の場合は「出荷元」も自分のショップ名になります。
AmazonFBAの送料
まず「AmazonFBA」を利用する場合の送料を見ていきましょう。
FBAを利用する際に発生する送料(配送代行手数料)は、下の図の通りです。
画像引用元:Amazon 出品にかかる費用
配送代行手数料には、商品の「送料」のみの金額ではなく、商品の梱包・カスタマーサービス料も含まれます。
「最大寸法」と「重量」によって区分されていて、いずれの基準も満たしているものが適用されます。
たとえば「標準サイズ区分2」の「60cm以内」は、宅急便の「60サイズ(3辺の合計が60cm以内)」と同じサイズと考えていただいて大丈夫です。
注意点は、AmazonFBAを利用する場合は、配送代行手数料以外にも在庫保管手数料が必ずかかるということです。
そのため、「自己配送」と「FBA」の送料を比較する場合は、FBA在庫保管手数料も合わせて考える必要があります。
また、Amazon倉庫での商品の保管期間が365日を超えた商品に関しては、長期在庫保管手数料がかかるので、長期間保管にならないように注意する必要もあります。
Amazon物販の自己発送の送料
自己発送とは、AmazonFBAを利用せずに、自分で商品を発送することです。
この自己発送の場合、送料はいくらかかるのでしょうか。
詳しく比較をする前に、まずは「佐川急便」「ヤマト運輸」「日本郵便」この3つの運送業者の料金表一覧と特徴を見て比較していきましょう。
今回は、郵便ポストで受け取りがむずかしい一般的な宅急便(宅配便)サイズでみていきます。
佐川急便
画像引用元:佐川急便
関東から発送した場合の、佐川急便の料金表です。
この料金表は、荷物の集荷を依頼した場合の料金です。
営業所や取次店へ荷物を持ち込みの場合は、1個につき100円減額されます。
割引はこれのみとなっているため、送料は比較的割高だといえます。
なお、佐川急便には大口取引契約というものがあり、その契約運賃で発送する場合は持ち込みによる減額はありません。
大口取引契約は「1日に100個以上荷物がある」など決まった条件があるわけではなく、営業所ごとに基準が異なるようです。
1日平均100個以下ではむずかしいかもしれませんが、交渉次第でできる可能性はありますので、気になる方は担当の営業所に相談してみましょう。
参考:佐川急便の料金表
ヤマト運輸
画像引用元:ヤマト運輸
こちらは、関東から発送した場合のヤマト運輸の料金表です。
荷物の集荷を依頼した場合の料金です。
佐川急便のように、営業所や取次店へ荷物を持ち込みの場合の割引もありますが、ヤマト運輸はそれ以外の割引も充実しています。
クロネコメンバーズになると、割引額も大きくなります。
下記は割引の一部です。
■持込割
・クロネコメンバーズ 150円割引
・それ以外 100円割引
■クロネコメンバー割(クロネコメンバーズ限定)
・10%または15%割引
■にゃんPay(クロネコメンバーズ限定)
・12%割引
発送数が少なくても使える割引が多く、料金表では佐川急便よりも高く見えますが、割引を利用すると送料は他社よりも割安になる場合もあるといえます。
ビジネス向けの大口契約もあるので、気になるかたは営業所に問い合わせをしてみましょう。
参考:ヤマト運輸の料金表
参考:ヤマト運輸の割引一覧
日本郵便
画像引用元:日本郵便
東京から発送した場合の、日本郵便(ゆうパック)の料金表です。
日本郵便も割引が複数ありますので、一部をご紹介します。
■持込割引
・荷物1個につき120円割引
■ゆうパックスマホ割アプリを利用
・1個につき180円割引
大口契約の割引に関しては、郵便局に相談をしてみましょう。
参考:ゆうパック料金表
参考:ゆうパック お得な割引
Amazon発送送料徹底比較!実際にいくらかかる?
ここまで、一般的な料金表で各運送会社を比較してきました。
実際に自己発送で各運送会社を利用する場合、いくらかかるのでしょうか?
・60サイズ(縦・横・高さの合計が60cm以内) 2kg未満
・発送元:東京都
・発送先:愛知県
上記の条件で発送した場合の送料をシミュレーションしてみましょう。
AmazonFBAの送料
AmazonFBA発送の場合は、送料を含む配送代行手数料と別に、FBA倉庫に保管している日数によってかかる在庫保管手数料があります。
標準サイズ区分2の商品(60cm以内、2kg以内)を、1月〜9月の3ヶ月間の在庫保管手数料がかかったと想定してみます。
配送代行手数料:434円 + 在庫保管手数料:42円 → 合計:476円
※在庫保管手数料に関しては、標準サイズ区分2でサイズが18cm×25cm×10cmの場合の概算になります。
在庫保管手数料が毎月かかることはネックですが、FBAが発送作業やその後の返品等の顧客対応も行ってくれるメリットはやはり大きいですね。
FBAの料金詳細は下記の記事でご確認ください。
『Amazon販売で利益を残すために!FBAサービス・手数料を全て解説』
Amazon自己発送の送料 〜佐川急便〜
サイズ:60サイズ(縦・横・高さの合計が60cm以内)
重量:2kg未満
→770円 ここから割引
■持込割(営業所へ直接荷物を持ち込む)-100円
→670円
佐川急便は営業所が少なめなので、持ち込みがむずかしい場合もあるかと思いますが、持ち込み割引は是非利用したい割引です。
Amazon自己発送の送料 〜ヤマト運輸〜
サイズ:60サイズ(縦・横・高さの合計が60cm以内)
→930円 ここから割引
ヤマト運輸では、上記の条件でクロネコメンバー割を利用した場合の例がサイトにありますので、そちらをご覧ください。
画像引用元:クロネコメンバー割
使える割引をすべて使うと、515円になります。
Amazon自己発送の送料 〜日本郵便〜
ゆうパック
サイズ:60サイズ(縦・横・高さの合計が60cm以内)
→870円 ここから割引
■持込割引 -120円
→750円
■ゆうパックスマホ割 -180円
→570円
■継続利用割引(荷物1個につき10%割引)-57円
→513円
Amazon自己発送の送料 まとめ
AmazonFBA → 476円
佐川急便 → 670円
ヤマト運輸 → 575円
日本郵便(ゆうパック) → 513円
※各運送業者の割引利用については、あくまでもシミュレーションとなります。
AmazonFBAは納品から3ヶ月ほどで販売する場合ですが、AmazonFBAが安いようですね。
(ここにはFBA納品時の送料は含んでおりません)
自己発送の場合は、発送数が多ければ運送会社と大口契約もできますが、発送の手間もかかるのでトータルで考えてAmazonFBAが割安だと考えることができます。
小型商品の場合は自己発送でクリックポスト
ここまでの比較を見ると、AmazonFBAが一番安いように見えますよね。
Amazon物販の送料を比較するときに複雑なのは、商品の大きさなどによって安く送れる方法が変わってくるというところです。
小さめの商品だと、自己発送で日本郵便のクリックポストを利用するのが一番安くなる場合があります。
画像引用元:日本郵便 クリックポスト
日本郵便が展開するクリックポストは、条件を満たせば全国一律185円で送れるサービスです。
ネット決済とポスト投函ができるので、とても手軽です。
Amazonにも小型・軽量プログラムという小さいサイズの発送に利用できるサービス(配送料193円or205円)があるのですが、こちらは商品販売価格が1,000円以内の商品にしか利用することができません。
商品代が1,000円を超える場合は小型サイズとなり、配送料は288円になります。
1,000円以上の小型商品を販売していて、とにかく送料を抑えたいかたは、クリックポストを利用するのが良いでしょう。
Amazon自己発送のメリットとデメリット
FBAと自己発送の送料については、商品によって最安の方法が異なります。
しかし、商品ごとに発送方法を分けて管理するのも大変ですよね。
全体的に見た場合の自己発送のメリットとデメリットについてもまとめますので、参考にしてください。
自己発送のメリット
Amazon物販で自己発送をおこなう一番のメリットは、Amazonに支払う手数料が減ることです。
自己発送をおこなえば、Amazonに支払うのは基本料と販売手数料だけになります。
基本料と販売手数料はわかりやすいので、手数料の把握もしやすくなります。
Amazon販売の手数料についてはこちらの記事もご覧ください。
『Amazon販売手数料を1ページで詳しく解説!』
また、さきほど小さいサイズの商品はクリックポストが安くなるという話をしましたが、利益額が少ない小型商品を多く取り扱う場合は、自己発送のメリットが大きくなります。
売れる時期が限定される商品を取り扱う場合も、自己発送にすることでFBA納品の時間をカットすることができますから、機会損失を防ぐことに繋がるかもしれません。
自己発送のデメリット
一方で、デメリットとしては、FBAを利用するより売れにくくなることです。
Amazonのプライム会員になっている方も多いと思いますが、自己発送だと「prime」マークがつきません。
プライム会員はprimeマークがついている商品から優先的に選んでいく傾向がありますから、ここがデメリットになります。
また、商品を発送する手間が発生することもデメリットです。
特に副業でAmazon物販をおこなっている方にとって、「時間」はとても貴重な資源ですよね。
販売個数が増えるほど、このデメリットは大きくなります。
Amazon自己発送のやり方
自己発送の手順についても簡単にご紹介しておきます。
Amazonで自己発送をする場合、商品が売れてからの手順は主に下記のようになります。
1. 商品が売れたらAmazonから通知(メール)が届きます
2. セラーセントラルにログインし、納品書を印刷します
3. 商品を梱包し、納品書を入れて発送します
4. セラーセントラルで出荷通知をおこないます
プリンタのインクや梱包資材など、いざ発送するときになって「ない!困った!」とならないように、商品同様、備品の在庫も切らさないようにしましょう。
発送作業は、ツールを使うとより効率的におこなうことができます。
Amazon自己発送の配送料設定について
Amazon物販で自己発送をおこなう際の送料やメリット・デメリットについて解説をしてきました。
ポイントは下記です。
・送料以外の手数料を含めてもAmazonFBAを利用した方がお得になる場合が多い
・AmazonFBAを利用する場合は在庫保管手数料が必ずかかる
・1,000円以上の小型商品については日本郵便のクリックポストが安い
実は、ひとつ重要なポイントが抜けています。
それは自己発送をおこなう際に必要となる、Amazonでの「配送料設定」です。
最後にAmazonでの「配送料設定」についてご説明します。
Amazonの配送料は変更できる
大口出品者で登録していれば、自己発送の際の配送料を変更することができます。
(小口出品者は配送料の変更ができません。)
配送料は、可能な限り簡略化することをお勧めします。たとえば、配送料を無料にすると、売上げが伸び、おすすめ商品として掲載されるチャンスが増える可能性があります。
引用元:Amazon 配送料を設定する
配送パターンは最大20種類まで設定することができます。
ちなみに、小口出品者の配送料は下図のように設定されています。
画像引用元:Amazon 小口出品者の配送料
図にも記載がありますように、実際にかかる配送料がAmazonの設定を上回る場合を考慮して商品の販売価格を設定する必要があります。
配送料設定の方法
新しい配送パターンの設定方法および既存の配送パターンの変更方法下記のとおりです。
セラーセントラルにログインして、作業をおこなってください。
1件もしくは1kgあたりで配送料を設定する方法(個数・重量制)と、注文の合計金額で設定する方法(購入金額制)があります。
新しい配送パターンの作成
1. 設定メニューの配送設定をクリックします。
2. 新しい配送パターンを作成する前にデフォルトの発送住所が正しいことを確認します。
3. 配送パターンタブで新しい配送パターンを作成をクリックします。
4. 新しい配送パターンを作成をクリックします。次へをクリックします。
5. 配送パターン名を入力します(「配送料無料」など)。
6. 配送料設定を選択します:
・個数・重量制
・購入金額制
7. 必要に応じて、配送パターンを編集します。
8. 保存をクリックします。
9. SKUを配送パターンに割り当てます。
既存の配送パターンを編集する
1. 設定メニューの配送設定をクリックします。
2. 移行された配送パターンから、編集する配送パターンを選択します。
3. 画面の右上部にある配送パターンを編集をクリックします。
4. 配送オプション名の横にあるチェックボックスをクリックして、国内または海外の配送オプション(お急ぎ便など)を有効にします。
5. 編集または新しい地域を追加をクリックして、地域を選択します。
6. 配送可能地域を選択ポップアップウィンドウから、同じ配送所要日数と配送料を設定する地域を選択(もしくは選択解除)します。
7. 次へをクリックします。
8. 各地域の配送所要日数(営業日数)を設定します。
9. 配送料を設定します。
a. 配送料は可能な限り簡略化することをおすすめします。配送料無料のオプションを提供することで、売り上げを伸ばし、ショッピングカートボックスの獲得チャンスが増大する可能性があります。
b. 地域別に配送設定をカスタマイズするために、同一の配送オプションに対して複数のルールを作成できます。
10. 必要に応じて、この手順を繰り返します。
11. 保存をクリックします。
利益が出るならFBAも自己発送も正解!
いかがでしたでしょうか。
送料は必ずかかるコストですから、できるだけ安く抑えたいですよね。
ですが、「安いから」という理由だけでAmazonFBAか自己発送かを決めるのが正しいかと言うと、必ずしもそうではありません。
大事なのは利益を出すこと、利益を積み上げることです。
たとえば季節商品で少しでも早く販売したい商品であれば、FBAにすると販売可能になるまでのタイムラグが発生してしまいます。
その場合は、「今だったら売れる!」というタイミングを逃さないために、少々送料が高くなったとしても自己発送にして売れる最大個数を売り切る方が良いでしょう。
逆に、自己発送のほうが利益が残る商品でも、大量に売れるのであれば、FBAを利用した方が自分の時間が圧迫されずに利益を積み上げることができますね。
ご自身のビジネス計画や状況によっても、選択は変わってくると思います。
「利益を出す」ための選択ができるように知識を蓄え、臨機応変に対応できるようにしていきましょう。
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