物販を行なっていくうえで、大きな比重を占めるのが物流にかかるコストです。
利益を確保するために、売上や品質を下げることなく経費削減できる項目として、まず初めに考えられるのがこの物流コストになります。
この記事ではそもそも物流コストとは何を指しているのかについて説明していきます。
目次
Toggle物流コストとは?
一般的に物流コストとは、物流業務で発生するコスト全般のことを言います。
供給者と需要者の間でモノの流れがある場合には、そのモノの流れに掛かった費用全般が物流コストと分類されます。
物流コストは大きく4つに分類することができます。
・輸送、運送費用
・荷役費
・保管費用
・管理費、人件費
輸送費用はもちろんのこと、社内のシステム運用費用や人件費、外注先に支払う設備費用なども含まれます。
輸送費用だけではなく、物流に関わる人件費やシステム費用も含まれるのがポイントです。
中国輸入でかかるコストって何があるの?
そしてここからは、中国輸入の物流コストをより深く説明していきます。
まずはじめに中国輸入でかかる全体コストについておさらいします。
中国輸入でかかる主要なコストとしてはこちらです。
・原価
・国内送料(中国)
・代行手数料(代行会社利用時)
・検品手数料(代行会社利用時)
・国際送料
・関税
・国内送料(日本)
・保管費用
CiLELのお客様がよく利用する「中国輸入して直接FBA納品」という形をとった場合には上記費用がかかります。
中国輸入では主要なコストの中に、多数の物流コストが含まれています。
難しくてよく分からない物流コストを3つに分解して解説
物流コストについて時系列毎に分けると、大きく3つに分解することができます。
(ここからご紹介する内容は、2022年10月時点の価格と概算価格で記載します。)
中国国内での物流コスト
中国国内での物流コストとしては、中国国内での国内送料、検品、保管費用が該当します。
製品を中国の工場から日本に直接送る場合には、工場から空港や港までの輸送費が物流コストとなります。
また、中国の工場からCiLELなどの代行会社に一旦送る場合には、輸送費と代行会社でのオプション費用(検品やシール貼り)と保管費用が物流コストとなります。
中国国内での送料は日本に比べて半額以下の場合がほとんどです。
160サイズの大型の箱に商品をたくさん詰めてもらって配送してもらっても、1箱あたり400円前後で送ってもらうことができます。
この中国国内での輸送費に関しては、工場に交渉することで無料にしてもらえる場合があります。
一度に大量に発注する場合や、継続発注をしていくなかで、国内送料分を無料にしてくれる工場もあるので、機会があれば一度交渉してみることをおすすめします。
中国→日本への物流コスト
中国から日本へ輸送する際の物流コストとしては、国際送料と関税があります。
この国際送料と関税については、初見の方やまだ発注数が少ない方には非常にとっつきにくく、よくわからないという声が非常に多い項目です。
国際送料は、航空便や船便、コンテナ便など複数の輸送方法があり、それぞれ請求のされ方が異なりますが、箱数や重量により計算されますので比較的わかりやすいかと思います。
国際送料を考える上で、よく勘違いされやすい項目が、容積重量という考え方です。
容積重量とは、荷物(今回は納品する梱包済みダンボールを指します)の容積、つまり占有するスペースの量を重量に換算したものです。
文章だけだと分かりづらいので例を出します。
160サイズの大きなダンボールにダウンジャケットを10着入れて合計10kgだとします。
その場合、普通に考えれば10kg分の国際送料で良いと思ってしまいますが、容積重量が設けられている場合にはそうではありません。
この「実際の重量」と「容積重量」の重いほうが採用されてしまいます。
容積重量の計算例として、下記をご覧ください。
箱のサイズ:60cm×50cm×40cm
計算式:60×50×40=120,000立方センチメートル
※6,000立方センチメートルを1kgで換算。
120,000÷6,000=20kg
このダウンジャケットを10着詰め込んだダンボールは、容積重量が20kgとなります。
今回の例では、「実重量10kg<容積重量20kg」となりますので、実際に請求されるのは容積重量の20kg分の料金となります。
このダンボールをまとめて10箱送ろうと思った場合には、容積重量を知らなかっただけで実重量100kg、容積重量200kgとなり、計算とは全く違う金額になるため注意が必要です。
国際送料については、こちらの記事も参考にしてください。
『国際送料削減の裏ワザとは?』
そして、さらに難しい要素として関税があります。
関税とは、輸入品に課される税金のことを言います。
関税は主にこの4つがかかります。
・通関手数料(1箱あたり数百円程度)
・取扱手数料等(通関会社によるが数千円〜数万円)
・消費税(商品代金+送料+関税に約10%程度かけた金額)
・関税(後述します)
海外から安価な製品を税金をかけずに輸入できてしまうと、日本の国内産業が崩壊してしまいますので、国内産業の保護と経済混乱の防止を目的として設定されています。
関税とは、製品の種類や素材、そして輸入元の国や地域によって関税率が決められていて、この関税率を元に算出されます。
例えば、本革のミニバッグを輸入する場合を例にします。
中国から本革のミニバッグを輸入する場合には、関税率が14%発生します。
商品代金1,000円を100個発注して輸入する場合には、
1,000円×100個=10万円
10万円×14%=1.4万円
1.4万円が関税としてかかってきます。
中国から輸入する際にかかる関税では、特に本革製品が高く2桁台の関税率となっていますが、素材が合皮(フェイクレザー)の場合には8%程度で計上されます。
正式な素材名と製品の種類により異なる場合がございますので、事前に電話などで税関に問い合わせる方法が一番確実です。
また、中国から本革のミニバッグを輸入する場合は関税率が14%ではありますが、バングラデシュなどの一部の国ではこの関税がかからない関税率0%の国もあります。
関税については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
『中国輸入の関税のしくみや税率をわかりやすく解説』
日本国内での物流コスト
日本国内での物流コストとしては、国内送料と保管費用です。
日本国内での国内送料として、空港や港から納品先までの送料と納品先からお客様までの出荷費用、納品先での保管費用が物流コストになります。
(その他、レンタル設備やシステム導入、物流関連スタッフの人件費等はこちらに該当します。)
ここで最も大きな割合となるのが、お客様までの出荷費用となります。
自社から出荷する場合には、ヤマト運輸や佐川急便ですと1配送あたり1,000円前後かかってしまうため、非常に割高となってしまいます。
AmazonのFBAサービスや他社の外部倉庫を利用したほうが、500円程度で発送できてしまうので非常にお得になるケースが多々あります。
例えば、60サイズのダンボールに入れたミニバッグを送る場合を例にとります。
・品名:ミニバッグ
・梱包サイズ:縦20cm×横20cm×厚さ10cm
・重さ:300g
こちらの商品の場合には、
・ヤマト運輸の配送料:930円/配送
・AmazonのFBA配送料:434円/配送
+AmazonのFBA保管料:個あたり33円/月
仮にFBAに商品を100個納品したとすると、保管費用は1ヶ月で3,300円になります。
「ヤマト運輸配送料930円-AmazonのFBA配送料434円=496円」ですので、月7個販売するだけで自社発送よりもお得になります。
もちろん、月7個売れる商品を100個納品することは少ないので、基本的には数ヶ月分納品になり、非常にお得になる場合が多くあります。
物流コストの下げ方3選
そしてここからは物流コストを少しでも下げる方法についてご紹介させていただきます。
圧倒的に安い船便を活用する
物流コストを下げる方法として最も効果的なことは、船便もしくはコンテナ便を利用することです。
航空便を利用すれば数日から1週間程度で到着しますが、非常に割高となってしまいます。
だいたい目安として、160サイズのダンボール5個程度〜70個程度までは船便がお得です。
160サイズのダンボールを70個前後輸入できる場合には、コンテナ20GPという小さいコンテナを利用してもお得になってきます。
コンテナには20GPと40GPが一般的にありますが、160サイズダンボールで計算すると、20GPで約200個程度、40GPで400個程度まで積むことができます。
できる限りまとめて送る
物流コストを下げる方法として、次におすすめなのは、まとめて一気に送ることです。
先述の「船便を利用する」と重なる部分もありますが、まとめて一回で送ったほうが国際送料が安くなる傾向にあります。
輸入代行会社を利用している方の中には、複数の工場の製品を一箇所に集めてまとめて出荷できるというメリットを得るために、輸入代行会社を利用する方もいらっしゃいます。
コンパクトな梱包を心掛ける
物流コストを下げる方法の最後としては、コンパクトな梱包を心掛けるということです。
これまでお伝えしてきたとおり、大きなダンボールにたくさん製品を詰めることができればその分、大きく国際送料を下げることができます。
また、コンパクトな梱包をすることで、AmazonのFBAや外部倉庫で保管する場合にも、配送料が小さいサイズになることや、保管費用が下がるということになりお得になります。
圧縮できる商品については、圧縮して発送するのもひとつの方法です。
参考:『中国輸入で国際送料を安くする「圧縮」について』
物流コストは非常に重要だが考えすぎない
ここまで物流コストについて、概要から役立つノウハウまでお伝えしてきました。
この物流コストとは、関税など法律が関わる点もあることから、難しくてあまり考えずに取り組んでいる方も多くいます。
「全く見向きもしない」ということは、さすがによくないですが、あまり難しく考えすぎずにまずは取り組んでみるということも大切です。
たくさんの記事を読んだり法律を調べることも大切ですが、百聞は一見にしかずという言葉もあります。
大きな痛手にならないように、まずは少量から試しに中国輸入をしてみてください。
実際にかかる費用や届く書類を見てみると、この記事で伝えていることが真に理解できるかと思います。
まとめ
今回の物流コストに関する記事では、細かい数字を多様してので、読みづらく感じた方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、物流コストは製品原価を下げることなく、効率的な経費削減ができる最重要ポイントとなります。
しっかりと物流コストについて学ぶことによって、商品原価として1,000円発生していたものが、900円や800円にできるかもしれません。
この製品が5年、10年と売れ続ける製品になれば、生涯価値的には100万円や200万円といった大きな利益の差を生むことになります。
まだまだ奥が深いこの物流コストについて、CiLELでは専任スタッフやプロ講師がいますので丁寧にお伝えすることができます。
ご自身の知見を広げ、生涯価値1,000万以上の利益をぜひ受け取ってください。
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