今年に入って大きな決断をひとつしました。
それは、自分の会社で弁護士と契約をするというものです。
いわゆる「顧問弁護士」というものです。
今回は、契約を考えたきっかけや、契約までの経緯などについてお伝えしていきます。
目次
Toggle弁護士と顧問契約した理由
おそらく、中国輸入ビジネスをやっている人で顧問弁護士と契約している人はそう多くないと思っていますが、筆者は契約することにしました。
理由はいろいろあるのですが、一番大きかったのがクラウドファンディングに出品してたくさんの支援をいただいたことでした。
それだけなら今のAmazonでやっているビジネスと何ら変わりはないのですが、契約しようと考えたのは次の2点からです。
契約しようと考えた理由2点
まず、ひとつめの理由です。
クラウドファンディングの特性上、先に代金をいただいてから生産する流れになっています。
ですが、私の場合、生産が中国のため万が一その工場が倒産などしてしまった場合にその後の対応をどうすればいいのかかなりの不安がありました。
もちろん、クラウドファンディングサービスの規約にもあると思いますが、杓子定規の対応では立ちゆかないだろうとも思います。
それに、それこそ商品が手に入らなかったことへの損害賠償を請求されたら…など大きな金額が動くため不安がありました。
ふたつめは商品の特性です。
筆者が取り扱う商品は、アウトドア用品であり火を使います。
安全には十分配慮をして企画し注意喚起もおこなっていますが、やはりケガなどをした場合にはこちらに火の粉が飛んでくることもあります。
もちろん、これまでクレーム対応もたくさんやってきましたので、それくらいなら何とかできるのですが、ケガなどとなると賠償や保証などお金の問題に直結します。
そういう事態が起きてしまった時に相談できる存在が欲しかったからです。
一番の懸念点は料金
なので、顧問弁護士を探すことにしたのですが、一番の懸念点は料金です。
個人的なイメージでは弁護士費用というものは非常に高額で安くても月額で5万円以上、それに何か作業を依頼すると数万円単位で作業費が発生すると思っていました。
ですので、これまで弁護士契約には二の足を踏んできたわけです。
ところが、実際に調べてみると思ったより高くないことがわかってきたのです。
もちろん、企業の規模や従業員数、カバーする範囲で料金はどんどん上がっていきます。
が、私のような個人でビジネスをしている人には、逆にそういう人向けのプランや料金体系があり、月々1万円程度から契約できるところも少なくありませんでした。
正直、このくらいの金額であれば契約できますし、特別な作業を依頼しないかぎりそれ以上の費用が発生することもありません。
それがいくつかの顧問弁護士の共通点でした。
細かいところでは、相談料が短時間なら無料だったり他の相談者より割安だったりと多少の違いはありました。
が、私が顧問弁護士に選んだ理由は、会社だけではなく個人的なことも相談できる、従業員の相談も受けてもらえるというところでした。
今は、従業員はおりませんが将来的に雇った場合のことも考えてのことです。
会社とはいえ私=会社のようなものですので、プライベートな問題が会社の業績に影響を与えることも大いにあります。
そのあたりをカバーしますと明言されていたので契約することにしました。
このご時世ですので、面談や契約もすべてオンラインで完結しましたので非常に時間と費用の節約になりました。
以前にアップしたこんな記事を覚えていますか?
以前にこのコラムでこんな記事「YouTuberが自分の商品を使った動画をアップしていたが…」
を書きました。
見たことがない人もいると思いますので、ちょっとだけ概要を説明しますと、私の作ったオリジナル商品がかなり有名なYoutuberに使っていただいていました。
それ自体はとてもうれしいのですが、その商品を楽天やヤフーショッピングで検索してみると、私がAmazonで出品している商品の画像や説明文を無断転載し無在庫販売している人がたくさん見つかりました。
そのうえで、腹立たしいと思ったのですが、見方を変えると将来的に出店したときにテストマーケティングしたい商品が、すでに無断で無在庫販売されている。
そう考えると、「Amazonでは売れていたけど他のモールで売れるか?」という部分が解消されることになるので、将来のために少し様子を見ておくのもいいのではないか、と結論づけたという記事です。
無在庫商品をどうしようか
この記事を書いたのは約1年前でしたが、去年言っていた「将来的に…」がやってきて楽天に出店することにしましたが、この無在庫商品をどうしようかということになりました。
無在庫で無断転載している商品は私がAmazonで販売してる価格の1.5〜2倍以上で売られていますのでAmazonでの販売価格であれば価格的には余裕で勝てるわけです。
もちろん、もともとAmazonでも十分利益がとれる価格設定ですので負ける要素がありません。
ですので、楽天にAmazonでの販売価格で出せば、見かけ上は他の商品よりも圧倒的に安く見えます。
それであれば、このまま無断転載の商品も放置していいかと思ったのですが、売れてもいない商品であれば放置しても問題ないと思いますので、
まず自社の商品を出品してみる
⇒その商品が売れるようなら他の商品は邪魔
⇒なので無断転載による警告文を送って商品を取り下げさせて楽天で卸販売をしていない自社の商品を売っているのは自社だけという状態(ある意味当たり前の状態)を作る
という順序で進めていくことにしました。
出品した結果はどうだったか
出品した結果はどうだったかというと普通に売れていきました。
とくに、広告やセールに出品したわけではないので爆発的に売れている訳ではありませんが、それなりに注文がきました。
もともと、特徴的な商品で差別化が明確にできているものを出品したというのもあると思います。
さて、これでこの商品が楽天でも売れることはわかりました。
もう、無断転載の商品でテストマーケティングをやる必要はありません。
次にやることは「警告文」の送付です。
顧問弁護士に確認して「警告文」を送ってみたよ
この警告文をおくるために顧問弁護士と契約したのも理由のひとつです。
自分でネットから拾った警告文を書いても効果的なのかどうかは不透明ですし、無断転載&無在庫販売をやるような出品者なので、変な警告文だともしかしたらなめられて無視されるかもしれません。
ですので、見た瞬間に「これはヤバい」と思わせるような、そんな文章が必要だと考えました。
それは、何よりも「具体的に削除を迫る」ため、無視したら大変なことになるぞという脅しです。
Amazonで相乗りをしたら、たまに取り下げをさせたい出品者から脅しメールが来ることがありますがそんなレベルではありません。
それには、押さえるべきポイントがいくつかあるのですが、それを顧問弁護士に確認してもらい、無断転載している出品者にメールで送りました。
自社商品を自社だけで販売できるようになった
その結果…削除率100%。
連絡した商品全部がたった2日で削除されました。
もしかしたら、無視されたりして削除されない商品がのこるのではないかと思いましたが、連絡したメールに返信してきたうえで削除されたものや、とくに返信がなかったものもありました。
ですが、そんな心配をよそに結果的に無断転載の商品はなくなり、自社商品を自社だけで販売できるようになったのです。
無断転載商品でアクセスを集められていた?
ですが、ひとつだけ心配なことがありました。
それは、Amazonよりも高額で販売されていたとはいえ、たくさんの無断転載商品があったのでアクセスを集められて、その結果として売上ができていたのではないか、ということです。
こればかりは、いったん削除しなければわかりませんので、警告文を送ったのですが、結果はとくに大きな変動はなく売上は変わりませんでした。
ですので、今もコンスタントに売れ続けています。
ここからは推測ですが、無断転載があったから「商品自体の認知」には役立っていたのかもしれません。
それが、適正価格で販売されたので注文が来た、Amazonでの価格で販売したので割安感も出たので相場感の形成にも一役買ってくれたような気がします。
まとめ
ここまでやるにはそれなりに時間も手間もかかりましたが、今後のために顧問弁護士は強い味方になります。
なので、販路の拡大やクラファンをはじめ自社企画で商品を作っていくには顧問弁護士契約は検討してもいいと思います。
なお、CiLELでは基本的にビジネス全般についてのご相談は受け付けているのですが、弁護士については専門的な内容につき、ご相談を受けることができません。
あらかじめご了承ください。
投稿者プロフィール
- 梅田 潤
- 合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)
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