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「高品質でオリジナルな、一部の人に刺さる商品」の作り方

今回お伝えするのは、「高品質でオリジナル性の高い、一部の人に強烈に刺さる商品」の作り方です。
世の中にない商品を新しく作って売っていくので、今まで売られていた商品との違いやメリットを出さなければ売れません。

ひとことでいえばそれが「差別化」であり、前回はブランドについてお伝えしました。
その中で、「ただブランドを付けることは、差別化にはなっても売れない」というのは前回言ったとおりです。

世の中にない商品を出していくわけですから、誰もあなたのブランドは求めていない状況からスタートします。

ですから勝負するべきポイントはブランドではありません。
ちなみに価格でもありません。

勝負するポイントは高品質な機能や性能です。
そして「その機能や性能には買った人にとってのベネフィットがあるか?」が大事です。

ここが「差別化」するところになるのですが、とにかく既存の商品と違うことをすれば差別化できるわけではないし、考えて差別化してもそれが間違った方向であれば、これも意味がないものになります。
結局この「差別化」とは何を指しているのかがわかっていないと、言葉だけが独り歩きして成果の伴わない結果を招くことになります。

こんな「高品質でオリジナルな、一部の人に刺さる商品」は失敗する

頭を抱えるビジネスマン
高品質で売れる商品の作り方の前に、その逆の「高品質でオリジナル性の高い、一部の人に強烈に刺さる商品」はこういう差別化をすると失敗する、という事例を紹介しておきます。

こういう失敗する内容を知っておけば、差別化を考えているうちに知らず知らずに間違った方向へ行ってしまっていることにも気が付きやすくなります。
仮にそこをスルーしてしまい販売まで行った後に売れずに原因を検証した際にも、何がダメかがわかるので、同じ轍を踏まないように次回に生かすことができます。

オリジナル商品作りが失敗する考え方

それで、この失敗するポイントは全部で3つありますが、その前の大前提として、「こういう考えでオリジナル商品を進めると必ず失敗する」というものがあります。

それは「価格競争したくない・独占販売したい・利益率を上げたい」⇒「だからオリジナル商品を作りたい」というものです。
これは失敗する人の共通点ですし、また(私の見解では)怪しいコンサルタントが共通して宣伝で使う常套句です。

なぜそういうことが言えるのかといえば、これらのことを考えるのはオリジナル商品を作ろうとする根本的なところがわかっていないからです。

なぜなら、「価格競争したくない・独占販売したい・利益率を上げたい」というのは販売者の都合であって、お客様にはまったく関係ないことだからです。
お客様は商品の性能と価格を見て納得して商品を買ってくれるのであって、あなたの都合に合わせて買うのではありません。

つまり、こんな考えをしている時点でお客様のほうをみていないことは明白なので、そんなところでオリジナル商品を作ったとしても売れることはありません。

失敗する3つの差別化

さて、そのうえで失敗する差別化の3つをお伝えしていきます。

失敗1.高品質の商品を作れば売れる

⇒ 高品質だから売れるわけではなく、売れた商品が高品質と認識されるので、「あなたのいう高品質=お客様にとっての高品質」とは限らないのです。
ここを勘違いすると独りよがりの機能や性能になり、売れない・儲からない商品ができあがります。

失敗2.安くすれば売れる

⇒ 安いから売れるのではなく、機能や性能の他、商品の内容と価格を比較して安いと感じてもらえるから売れるのです。
となると、既存の売れている商品と同じ商品を安くすれば売れるとも捉えられるのですが、価格を安くするというのはもっとも簡単で安易な差別化です。

ただ数字をいじるだけでできるので、あなたが安くしても、他の人も安くすればそれで終わります。
結局、価格の下げ合いになり意味がありません。

逆にいえば、価格はいくら高くしても構わないのです。
なぜなら、価格に見合った機能や性能、商品内容つまり「商品価値」があり、それを伝えられればいくら高くても商品は売れます

つまり、安くすることだけがよいことではないのです。

失敗3.自分の好きなものを作れば売れる、カッコいいデザインにすれば売れる

⇒ あなたの「好き」「カッコいい」とお客様の思うそれはイコールではありません。

人は、自分が好きなものには特に自信があるものです。
その自信があるもの、カテゴリで自分が作ればよいものが作れるはずだ、と考えるわけです。

それゆえに自分中心の独りよがりな差別化を考えてしまい、お客様を見ない視野の狭い考えになりがちです。

私の知り合いの男性の社長はレディースアパレルのみを作っていますが、そこに絞っている理由は「わからないから」だそうです。

メンズアパレルはもちろんいろいろと知識も拘りもあるので、メンズをやったほうがよいものが作れそうな気がしますが、「知りすぎていて純粋に売れるかどうかの判断ができなくなるからダメ」なのだそうです。
売れる、売れないよりも自分の好き嫌いが入ってしまうということです。

これは少し極端な例ですが、要は「自分が好きだからという理由だけで差別化を進めようとすると失敗する」ということです。

では、どんな商品ならよいのか?どうやって考えるのか?

マルとバツの札を掲げる女性
商品作りを考えるにあたって考えの基本があります。

それは「Market in(マーケットイン)」というものです。
言葉だけ聞いたことがある人もいるかもしれませんが、不変のセオリーです。

意味としては、「商品を企画する時にお客様の声や視点を重視してそのニーズをもとに企画・開発をおこなって提供していくこと」です。

ちなみにその逆は「Product out(プロダクトアウト)」といい、「ニーズよりも作り手の考えを優先させて商品を作って販売していくこと」です。
つまり「作り手がよいと思うものを作ること」です。

Market in

さて、なぜMarket inが不変のセオリーなのかといえば、お客様のニーズへの適合を優先するので一定の需要の確保が期待できるからです。
つまり「失敗しない」可能性が高いわけです。

要するに、売れている商品を売ることになるので、売れやすい・売りやすい商品を作ることで売上を上げて利益を確保していきます。
また、一定の需要のある商品というものは流行り廃りで大きく左右されることもあまりないので、そういう意味でもリスクヘッジのできる商品企画といえます。

Product out

逆にProduct outでは、作り手が作りたいものを作っていくので、そもそも需要があるのかないのかわかりません。
もしかしたらとんでもない隠れた需要があって大ヒットする可能性もある反面、まったく誰にも刺さらない箸にも棒にもかからないダメダメの商品を作ってしまう可能性もあるのです。

またProduct outでは、作り手が作りたいものを作るため、その商品のよさを1から知ってもらう必要があります。

そのため商品ページの作り方ひとつで売上に大きく影響が出るだけではなく、広告宣伝費もたくさん掛けてより多くの人の目に触れないことには、知ってもらうことも難しくなります
さらに、その中から買おうという人を見つけ出すのはもっと難しい作業になります。

しかし、Market inの場合はニーズを基に商品を作るので、買い手側としてはおおよその商品知識があり、さらにそれはもともと欲しい商品(欲しい機能や性能)です。
なので、その商品を見つけた段階でどんな商品なのかを覚える必要がなく、買うか買わないかの判断のみ
になります。

どちらがよりリスクが少なく成功に近いかは、わかっていただけると思います。

私は、Product out はハイリスク・ハイリターン、Market inはローリスク・ミドルリターンだと思っています。

この商品制作の根本は、私たちのような個人ビジネスだけではなく、年商50億の企業でも1000億の企業でも変わりません。
ただ、どちらにより多く取り組むかの違いだけです。

Market inで商品企画を

ここまで読んでみて、今自分が考えている商品がどちらなのかよく見返してみましょう。
そして、もしProduct outの商品を企画していたとしたら、Market inの商品にするにはどうしたらよいか再度考えてみてください。

商品は、作ってしまってからはやれることが限られます。

売れない商品はどう頑張っても売れません。
売上のために頑張るのは販促やメンテナンスではありません。

商品作りの段階でおおよそ勝負はついているので、納得するまでとことんMarket inで商品を企画していってください
それが「高品質でオリジナル性の高い、一部の人に強烈に刺さる商品」につながります。

まとめ:ブランドとは何か、一部の人に刺さる商品とは何か

「まとめ」と書いてある木の積み木
いかがでしたでしょうか。
前回お伝えしたブランドのお話もあわせて、要点をまとめます。

ブランドとは何か

ブランドとは「買う理由(選ばれる理由)になるもの」のこと。
多くの人に認知されるということもブランドのひとつの要素ですが、それが全てではありません。

ブランドは、認知はもちろん品質やロイヤリティや連想などたくさんの要素が集まってできたものなので、一朝一夕でできるものではありません。

大企業であれば多額の広告費をかけて認知を上げながらブランド力を高めていくこともできますが、私たち中小零細事業者が「誰もが知っているブランドを育てよう!」とするのは無理があります。

私たちが目指すべきは、ガレージブランドの確立です。

ガレージブランドとは、販売数は少ないけれど、高品質でオリジナル性の高い商品を小規模または個人で展開するブランドのこと。
「高品質でオリジナル性の高い、一部の人に強烈に刺さる商品」が作れるかどうかが、ガレージブランドを確立していく際のポイントになります。

一部の人に強烈に刺さる商品とは何か

では、一部の人に強烈に刺さる商品とは、どんな商品なのか。

これを考えるときに重要なのは、「差別化」についてしっかりと理解することです。

商品づくりの基本である「Market in(マーケットイン)」という考え方を取り入れ、お客様の声や視点を重視してそのニーズをもとに企画・開発していくことがポイントです。

「価格競争したくない・独占販売したい・利益率を上げたい」という販売者視点で差別化を考えていくのはNGですよ。

お客様の視点に立って、納得するまでとことんMarket inで商品を企画していけば、「一部の人に強烈に刺さる商品」を作り出せるはずです。

時間はかかるかもしれませんが、ぜひあきらめずにチャレンジしてみてください!


投稿者プロフィール

梅田 潤
梅田 潤
合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)

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