基礎知識・コラム

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関税とは

輸入時にかかる税金は、主に2つあります。消費税と関税ですが、ここでは「関税」について詳しく解説をしていきます。まず関税とは「輸入に対してかかる税金」というくらいは知っているかもしれませんが、それがどういうかたちでどうやって課税されるかまでを詳しく知っているひとは少ないでしょう。本コラムでも輸入の個人使用と商用の線引きで関税の一部を解説しています。

この時は、個人輸入と商用輸入の差のひとつとして関税の税率の違いについて書きました。簡単に言うと商用輸入の場合、「課税対象額=(卸売価格+送料+保険+その他経費)×関税率」となり個人輸入は、「課税対象額=(海外の小売価格×0.6)×関税率」となります。比較すると、個人輸入の方が圧倒的に安く輸入ができますが、実は関税はもっと複雑で色々な要素が絡みます。上記にもある「関税率」も製品や輸入相手国によっても変わってきます。

関税の決まり方

関税は誰かが適当に決めているものではありません。また、逆にどこから何を輸入しても変わらないというような定額的なものでありません。関税を決めるには一定の基準がありそれに従って決定されています。簡単に言えば「何を・どこから・どうするのか」です。

・「何を」輸入するのか
「何を」はつまりどんな商品を輸入するかということです。それによって関税の税率が変わります。アパレルなら「織り方」や「材質」で変わりますが、例えば、「羊毛の重量が全重量の85%以上のもの」という基準があり、その場合の基本税率は3.2%です。他には、輸入関連で関税が高いことで有名なもので「革靴」があります。革靴を輸入する場合の関税は「30%または4,300円/1足のうちいずれか高い方」が適用されます。この「高い方」というのがポイントですね。商品原価が10,000円でも日本に輸入する際の税金は、30%で計算すると3,000円ですが「30%または4,300円の高い方」になりますので、4,300円の税金がかかると言う事になります。(送料+保険+その他経費については便宜上省きましたが、本来はこれらを足した金額に関税率をかけて算出します。)このように製品によって変わりますが、例えば「時計」のようにほぼ無税のような製品もあります。
各商品の関税率については「実行関税率表」で確認できますが、実際の輸入にあたっては各税関の判断にもよります。

・「どこから」輸入するのか
次に関係してくるのは輸入元についてです。同じ製品でも場合によっては輸入元の国によって税率が変わりますが、例えば、「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」やそれ以外にも特定の国同士で結ぶ「経済連携協定(EPA)」「自由貿易協定(FTA)」を締結している国同士であればこれは貿易や投資の自由化・円滑化を進める協定なので、基本の関税がかかっていても無税になることがあります。例えば、先ほどの毛皮付きの時計は基本の関税が40%でしたがEPAを結んでいる、マレーシア・タイ・チリなどの国から輸入した場合は無税となります。

・輸入したものを「どうするのか」
最後に輸入した商品の使用目的によっても税率が変わります。これは、先に解説した「個人輸入と商用輸入」の関係に起因したものです。販売目的で輸入する商品は、商用とみなされて通常の関税がかかりますが、個人の使用目的で輸入する場合は、通常よりも軽減された関税がかかります。

一般税率と簡易税率

関税の税率は、これまで解説してきたように「実行関税率表」に基づいて細かく設定がされています。(一般税率といいます。)しかし、輸入額が少額の場合は細かく関税を確認していると業務が非常に煩雑になります。そこで、課税価格の合計が20万円以下の場合に一般税率が適用されるのではなくおおまかに分類して課税する「簡易税率」が適用されます。簡易税率は関税区分が7つしかありませんので関税の設定が非常に簡単になります。簡易税率(一部の商品には簡易税率が適用できません。)輸入額が少額の場合は手間も考えて簡易税率を適用するのが良いのですが、逆にコンテナ単位での輸入になったり、混載便でも非常に大口の輸入になった場合は、きっちりと一般税率を適用することをおすすめします。20万円以下の輸入の場合でも申請すれば一般税率を適用することもできます。

最後に

個人輸入の方が圧倒的に関税は安くなりますが、商用輸入なのに個人輸入と偽って輸入してはいけません。これはアンダーバリューという違法行為になり、商品量やラインナップ等個人で使うものと見なされないので絶対にやめましょう。輸入ビジネスを始めたころは、少量であれば個人使用で輸入できることもありますが、繰り返し輸入をしていると確実に商用認定されますので基本的には「関税はかかるもの」として利益や原価の計算をしましょう。

(注)上述内容は筆者が調査した事実や経験を基に記述しており、不明な点、より詳細については近くの税関事務所等で聞いて確認等をしてください。

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