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中国輸入インターネット販売の資金繰りと資金調達について

皆様いつも大変お世話になっております。
CiLEL 勉強会講師 辻知岳でございます。

毎月第2・第4水曜日に経営、経理、資金繰り、資金調達、補助金などについての記事を書かせていただいております。

これからしばらくは資金調達について書かせていただきます。
特に、弊社のお客様の大多数を占めるであろう「中国輸入ビジネス(中国輸入EC)」に絞ったうえで、今後複数回に分けて「中国輸入ECの資金繰りと資金調達」について、元銀行マンである私の考えを書いていきますね。

お付き合いいただけますと幸いです。

【今回の記事を読めばわかること】
・資金調達を行う上で理解する必要がある「運転資金」の概念
・資金調達を行わずに売上を伸ばし続ける方法

中国輸入に資金調達は必要?

初回の今回は、そもそも「中国輸入ECに資金調達は必要なのか」という点についてです。

なお、資金調達と一言で申し上げても様々ですが、ここでは主に「金融機関からの借入」を指すことにします。

この質問にお答えするためには、運転資金の概念を理解していただく必要があります。

運転資金とは要するに仕入支払から売上入金までに立替を行っている資金のことで、「仕入高×立替期間」で計算されます。

立替期間は中国輸入ECの場合、下記の期間になります。

仕入支払→国際輸送→到着→検品→出品→販売→売上入金

Amazonにて販売を行う場合は2週間に一回入金があるわけですから、概ね1か月程度~1か月半程度といえると思います。

つまり、現金で支払った場合、そのお金が手元に戻ってくるまでに1ヵ月~1ヵ月半程度かかるということです。
(わかりやすくするために、ここでは在庫を考慮していません。)

この間は次の仕入れができないので、たとえ出品後3日で完売してしまったとしても、次の入金まで待たねば仕入れができません。
その間の販売機会損失が勿体ないですよね。

当然、在庫を多めに持てば仕入高が多くなって運転資金が必要になりますし、入金までの期間が長くなればその分立替する必要があるので、より運転資金が必要になります。
適正在庫量や入金までの期間は商材や出店するモールによって異なってくるので、同じ売上高でも必要な運転資金量が違う、ということがあります。

また、売り上げが急激に伸びている場合、入金額よりも仕入額のほうが多くなり、結局仕入れができず売上の伸びにブレーキをかけざるを得ない…といった状況も発生します。

これらの状態に陥るのを避けるために、足りない運転資金を外部から調達することが必要になるわけです。

カードを活用して資金調達を不要に!?

オンラインでの登録作業

前項で、「資金調達が必要になるのは、運転資金が手持ち資金の量を上回っているからである」ということがわかりました。

逆に言えば、売り上げが伸びて在庫が増えて資金の立替期間が延びても、運転資金が手持ち資金の量を上回らなければ資金調達は不要である、ということになります。

「そんなことができるの?」と聞かれそうですが、運転資金は支払ってから回収するまでの期間によって変動するので、回収するまでの期間より、支払うまでの期間が長ければ運転資金は不要になる、というわけです。

つまり後払いにするわけですね。

先ほどの例でいうと【仕入支払→国際輸送→到着→検品→出品→販売→売上入金】を【国際輸送→到着→検品→出品→販売→売上入金→仕入支払】とするわけです。

一般の企業はこれを締め日を設定したり手形を発行したりして行うわけですが、皆様の場合は手形の発行を発行できる方は少ないと思われますので、現金ではなくカードで支払って支払期間を延ばすということになります。

カードの枚数を増やして後払い可能な総額を増やしたり、カードの締め日と支払いの期間が長いものを使ったりとうまく活用すれば、売上が伸びても運転資金の伸びを抑え、資金調達を不要にすることも可能です。
(カードの枚数が多くなるに伴い、資金管理が煩雑になるので、カードは多くても2枚以内にすることをお勧めします。)

まずは適正な運転資金額を知ろう!

いかがでしたでしょうか。
運転資金の概念を理解していないからと言って資金調達ができないことはありませんが、理解しておくことで「自分のビジネス規模で適正な運転資金額」が明確になるので、ぜひご理解いただくことをお勧めいたします。

次回はこれを踏まえ、「初回の資金調達にお勧めの金融機関とは?」についてお話しいたします。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

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