アカウントの停止や閉鎖はAmazonでビジネスをおこなっている人がもっとも恐れる措置ですが、それに次ぐレベルで恐れることは、Amazonによる出品している商品の販売停止や削除です。
Amazonに出品する商品は画像や説明文はもちろん、商品タイトルなど出品している商品情報のすべてが規約に則していなければなりません。
商品を正しく伝えるのはもちろん、うそ・おおげさ・紛らわしいなど、購入する側が誤認するような不当な表現はしてはなりません(「優良誤認」と言います)。
たとえば、「日本一」とか「世界初」といった単語を入れてはいけませんし、今だけ〇〇%OFFなどの表現もNGです。
また、商品画像では背景を真っ白にして、販売している商品と紛らわしいものが写り込まないようにする必要があります。
そうやって、お客様が求めた商品を正しく伝えて希望通りの商品が届くようにしているのです。
もし、使用感を伝える画像を入れたいのであれば、画像の中にきちんと「イメージ画像」とか「〇〇は付属しません」など、どれが商品でどれが演出小物なのかを明確にしておく必要があります。
目次
Toggleどうして販売停止処分になった?⇒ワケがあるんだよ
私の出品している商品が、ある日返品されてきました。
今回は、その経緯と理由、それからどうやって再販売にこぎつけたのか、など出品停止から復活までの一連の流れをお伝えしていきます。
これは、どんなにAmazonの規約を順守した出品をしていても、お客様からの指摘によって誰にでも起こり得ることなので、今は大丈夫と思っていてもしっかり読んで万一の際には参考にしてください。
ある商品の返品と販売停止
もちろん、私の出品している商品も画像や説明文、タイトルなど出品情報はAmazonの規約に則ったものでした。
(正確には則っていると思っていた、ですね。)
しかし、先日出品していたある商品がお客様から返品され、その後、商品が販売停止になりました!
そのお客様はご丁寧に返品理由を出品者への評価で記入されていたので、誰がなぜ返品したのかがよくわかりました。
読んでみると、「画像に載っていた『付属している』と思ったものが入っていなかった、消費者を騙して購入させている!」とのこと。
もちろん、評価は1です。
(ちなみに、この出品者評価はAmazonに申請して無事に削除されました。)
自分ではそんな騙すようなことはしていないつもりだったので、その商品ページを確認したところ真相がわかりました。
販売停止の真相は「使用イメージ画像」
商品ページにはいくつかの画像を載せていたのですが、その中で3枚ほど使用イメージの画像を掲載していました。
もちろん、画像には「使用イメージ画像」と書いてあったのにも関わらず、それを見落として付属していると勘違いして購入されていたのでした。
「使用イメージ画像」という文言は、米粒のように小さいものではなく、パソコンでもスマホでも認識されるほどの大きさだったのです。
それでも、結果としてイメージ画像を勘違い購入し返品されてしまったわけです。
そのお客様はカスタマーサポートにも「騙された!」と連絡しておられたようです。
その結果、その商品はAmazonによって販売停止の処分を科せられることになったわけです。
販売停止になって届いたメール
販売停止になるとこのような感じのメールが届きました。
「【要返信4/〇締切】在庫商品の調査依頼: B0XXXXXX」(一部修正)
こんな感じです。
そして、そこに掛かれているのは大まかにいうと、次の3つです。
・お客様から指摘があった件の調査、原因と結果の報告
・再発防止対策
・Amazonが要求する書類の提出
その中で、「Amazonが要求する書類の提出」は次の3つでした。
・仕入れ段階での検品表
・納品時の検品表
・商品ページの修正前と修正後がわかる画像
ようは、ちゃんと検品して納品しているのか、それでもお客様から指摘があったわけだからちゃんと商品ページを修正したのか、という確認です。
さらに、それ以外に「原因と判断した根拠と再発防止策が有効である証明」の資料が求められます。
書いているだけでも大変そう&面倒そうなものばかりです。
しかし、これらを提出しなければ販売を再開できませんし、面倒だからと放置した結果、アカウントに影響がでたらそれこそ最悪です。
ですので、今回のように画像にはちゃんと書いているし、もっというと商品説明にもちゃんと商品内容は詳細に書いているのに、ただ読んでないだけにも関わらず否応なしに対応しなければなりません。
ちょっと余談になりますが、コラム『今からでも遅くない!Amazonのアプリの状況や広告について書くよ』で書いたとおり、お客様は「画像を見る(1〜2秒)⇒価格を見る⇒買う」という行動をとります。
それがよくわかる事例です。
そもそも画像をちゃんと見てほしいですし、さらに商品説明をきちんと読んでいれば大丈夫だったはずですが、お客様はこちらの思う通りの行動はしてくれません。
どうやって販売を復活させたの?⇒コツがあるんだよ
さて、結論から言うと現在は販売停止にされた商品も無事に復活し販売できています。
それは、ちゃんとAmazonが求める書類を提出してOKをもらったからです。
「お客様から指摘があった件の調査、原因と結果の報告」「再発防止対策」「Amazonが要求する書類の提出」の3つと、「原因と判断した根拠と再発防止策が有効である証明」です。
付け加えると、この資料の提出もちゃんとした回答ではなかった場合、再提出を求められます。
ですが、私の場合は最初の提出、つまり1回の提出で販売の復活にこぎつけることができました。
それは、なぜかというと簡単な話で「ちゃんとAmazonの意図を汲んで対策を立てて報告」したからに他なりません。
よくあるダメなパターン
よくあるダメなパターンは、「うちは悪くない。お客様が勘違いしたので読めばわかるはずだった」のような言い方です。
自分のせいではないとか、自分だけが悪いわけじゃなくてお客様にも落ち度があった、みたいな姿勢です。
こういうことをにじませてしまうと、AmazonからOKが出ることはまずありません。
どんな理由があってもお客様を誤解させた出品者が「悪」なのです。
これは、私の感覚で言っているのではなく、Amazonの感覚・姿勢です。
私たちはAmazonというモールの軒先を借りて出店しているいわば店子です。
ですので、モールのルールには従わなければなりません。
Amazonでは「商品に不備があった、誤解を与えたりした販売行為についての責任はすべて販売者側にある」というルールになっています。
その中で自分の意見を主張しても通るハズがありません。
むしろ、自分の意見は関係ないのでAmazonの意向に沿わないといけないのです。
そのため「お客様から指摘があった件の調査、原因と結果の報告」「再発防止対策」「Amazonが要求する書類の提出」はすべて、Amazonの意向に沿うように調査・報告して再発防止策を立てる必要があります。
そして、それらはすべて具体的でなければなりません。
「検品の精度を上げます」ではNGで、「検品作業員を2名追加し、入荷時と納品時にダブルチェックします」などの具体策である必要があります。
大事なのは対応までのスピード
あと、大事なのは対応までのスピードです。
販売が停止された商品は、他の在庫切れ商品と同じような状態ですのでランキングは激下がりしています。
1日でも1時間でも1分でも早くその状態を解消しなければどんどん売れないページになっていきますし、ライバルに市場を奪われます。
これまでがんばってきたものが崩れ去りますのでスピードは本当に大事です。
それは、販売再開への審査も結局は人がやっているので早い対等は誠意とみられます。
誰しもそうだと思いますが、期限ぎりぎりに提出してくる人よりも、指摘してすぐに連絡してくる人のほうが好感度は上がるはずです。
ですから、どんな理由があっても時間が経てばたつほど厳しくなるのは当然かもしれません。
これから先、その商品が生んでくれる売上と利益を考えると、他のことを差し置いて真っ先に対応しても損はないはずです。
ちなみに今回は、Amazonから夜中にメールで連絡があって、猶予が3日程度ありましたが、実際に対応したのはその日の朝でした。
そのくらいのスピード感はもってほしいと思います。
最後に、Amazonに報告する時の冒頭と最後には「お客様とAmazonさんに迷惑をかけて本当に申し訳なかった」「これからも規約に則って誠心誠意対応してがんばります」という内容も、しっかりと書きましょう。
投稿者プロフィール
- 梅田 潤
- 合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)
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