今回は今でも売られている「ブラックじゃないけどグレーな商品」をいろいろとご紹介します。
中国輸入ではありとあらゆるカテゴリの商品を取り扱うことができます。
中国は世界の工場と言われるほど、どんな商品でもあるからです。
その中から商品を選び輸入して日本のAmazonで販売しているのが私たちです。
もちろん、輸入できない商品が多数あります。
例えば、PSE(電気用品安全法)や食品衛生法などの日本国内での法規制に引っかかる商品です。
それらはどんなに売れていたとしても、法令に基づいた基準や検査をクリアしない限り輸入できません。
仮に、そういった基準や検査をすり抜けた商品があって、輸入できたとしても販売してはいけません。
れっきとした違法な商品だからです。
では、法令にさえ引っかからなければどんな商品でも扱って良いのでしょうか?
今日はこのあたりを詳しく解説します。
目次
Toggle法令に引っかからなければどんな商品も扱っていいのか?
法令にさえ引っかからなければどんな商品でも扱っていいのかというと、これはちょっと難しい問題です。
確かに何の規制もないのですから取り扱うこと自体に問題はないでしょう。
ですが、何でもOKかとなるとちょっと違う気もします。
それは、法的な規制はなくても各業界団体による自主基準・自主規制のようなものがあるからです。
さまざまな「自主基準・自主規制」
例えば、STマークやSGマークというものもあります。
これはPSEマークなど、特定の法令(PSEマークの場合は電気用品安全法)に準拠していることを証明するマークとは異なります。
STマークなら一般社団法人 日本玩具協会、SGマークなら一般財団法人 製品安全協会というように、各団体が自主的に定めた安全基準をクリアしていることを証明するマークです。
参考:消費者庁|安全面に配慮された製品に関する取組
このマークがあれば安全面に配慮された商品であることの証明になりますが、このマークは勝手に付けられるものではありません。
それぞれの団体に申請して認められた場合にマークを付けることができます。
ですが、これらのマークはあくまで各団体による自主基準によるものです。
何かの法令に基づいて規制がかかるものではありませんし、仮にこのマークがないからといって販売が差し止められたり、罰せられたりするものでもありません。
ですので、私たちのように中国から個人で輸入するような商品にはマークはありませんが、どこかに申請したり検査を受けなくても販売できるわけです。
なんで「自主基準・自主規制」が必要なのか?
輸入や販売に法令で規制がある商品以外は輸入、販売しても問題ないはずなのに、なぜか「自主基準・自主規制」があります。
どうして「自主基準・自主規制」が必要なのでしょうか?
それは、何の規制もなく販売できても「自主基準・自主規制」を設けたほうがいい商品があるからです。
具体的には先ほどさらっと出しましたが「安全面」に理由があります。
安心して利用できるようにし、消費者を守るために
どんな商品であっても使い方を間違えると危険なものになってしまう場合はあり、また、使い続けることで商品自体が劣化、疲労してしまい安全に使うことができなくなってしまうような場合もあります。
そういった商品から、特に法令で規制はされていないが使い方や取り扱い、保管方法や万一の事故の可能性について心配しないで安心して利用できるようにし、消費者を守るために、「自主基準・自主規制」はあります。
ですからSTマークやSGマークが付けられた商品が多く販売されているのですが、もちろんこれらのマークを付けたいといってもタダでもらえるわけではありません。
例えばSTマークの場合は、一般社団法人 日本玩具協会の会員になり、使用許諾契約を結び、協会の検査をクリアして初めてマークを付けて販売ができるようになります。
当然、時間もお金もかかります。
よって、私たちのようなビジネスをやっている個人や小規模な法人では、なかなかこのようなマークを付けて販売できるようにはなりません。
私たちができる「自主基準・自主規制」
ですが、安全面を無視して販売することはできませんので、できる限り安全面に配慮できる商品を取り扱うべきなのです。
ただ、安全面に配慮しすぎると、「あれも心配、これも心配」となって扱える商品がなくなってしまいますので、私たちができる「自主基準・自主規制」を考えていく必要があります。
人によって考える基準や規制のボーダーラインは異なると思いますが、私自身が引いていて皆様にもおススメしたいボーダーラインは「事故が起きた時に重大な被害(健康や身体)を招く恐れが低いこと」です。
そうすれば、事故が起きたとしても取り返しのつかないほどの大事にはなりにくいと考えられるからです。
万が一事故が起きた時に重大な被害を招く恐れがある商品を避けて輸入、仕入れをしていくことで、自分の身を自分で守ることにもつながります。
仕入れる商品は自分で決められますからね。
自分なりの基準を決めておくのは大切です。
今でも売られているブラックじゃないけどグレーな商品
できるだけ安全性が高いと思われる商品を取り扱っていきましょう、というのがここまでの話です。
しかし、逆の言い方をすると「事故が起きた時に重大な被害(健康や身体)を招く恐れがある商品が存在する」ということでもあります。
その具体例、つまり「今でも売られているブラックじゃないけどグレーな商品(ここでは短く「G品」と言うことにします)」をこれから挙げていきます。
もし扱っているなら避けてほしいと思う商品ですし、仕入れ商品を探しているなら候補には入れないでほしい商品です。
壁紙
Amazonでもたくさんの商品ページがあり、デザインや形状など多種多様です。
特にその中でもシール状の壁紙がG品と言えます。
このシール状になっている壁紙は接着剤が不要で簡単に貼れ、特にブロックなど立体的なものは人気が高いようです。
私ができれば取り扱ってほしくないG品という理由は、シールつまり接着剤にホルムアルデヒドなど化学物質が含まれるからです。
すべての人ではありませんが、一部の人にとってはアレルギーを引き起こす有害物質で健康被害を及ぼす可能性があります。
クレーンスケール
要するに秤(はかり)ですが、その中でも特に重量のあるものが量れるタイプの商品です。
Amazonで見てみると100〜300㎏などものすごく重たいものまで量れるクレーンスケールがたくさんありました。
これをG品という理由は、そのクレーンスケールを荷物や天井などに固定するフックの強度です。
もちろん、ある程度の強度はあるはずですが、個人で輸入するあなたはその強度を確認、証明していません。
中国の業者が販売しているので大丈夫だろうという憶測でしかないのです。
では、もし強度不足で荷物の計測中にフックが破損したら300kgの荷物が落下することになります。
「それで事故が起きたら…」と考えたら、想像しただけでも怖くありませんか?
グラビティブーツ(バー)
ぶら下がり健康器具は知っているでしょうか。
鉄棒のような器具を手でつかみ、ぶら下がって体を伸ばす健康器具です。
グラビティブーツ(バー)はその逆バージョンで足や足首を専用の器具で固定し逆さまにぶら下がります。
ちょうど逆立ちのような姿勢になります。
固定する器具には金属が使われていて、ロックを掛けたりドアの上部などに引っ掛けたりして使用しますが、もしその固定具が強度不足で壊れたらどうなるでしょう。
クレーンスケールと同様に、強度の確認はしていないはずです。
もし、壊れたら逆さまにぶら下がっているので首から落ちます。
どんな高さであれ、人間が準備していない状況で首から地面に落ちたらどんな重大事故につながるか、まったく予想ができません。
ネックストレッチャー(ネックハンモック)
グラビティブーツ(バー)に似ていますが、これはドアなどにこのストレッチャーを固定し首を載せて頸椎を伸ばすものです。
外れた時の衝撃はもちろん想像もできませんし、もし誤って首を固定する前に滑ったりすると全体重が頸椎にかかります。
頸椎の損傷は身体に障害が残るような重大事故につながる恐れがあります。
同じような理由で、できれば懸垂バーもG品と言いたいところです。
クライミング用ハーネス
クライミング用品にもG品はあります。
例えばカラビナ、プーリーやスリングなどの器具です。
これらは身体を壁や岩から落ちないようにするためのものなのですが、時には使用者の全体重がかかります。
ですが、それに耐え得るかどうかの強度を確認していない商品になります。
言い換えればいつ破損してもおかしくない商品を販売していることになりますが、実際に使われるのは地面から何mも上です。
落ちたらタダでは済みません。
そんな状況で使う器具を強度の確認もせずに販売しますか?
責任は売ったあなたにあります
挙げればもっとありますが、自分が取り扱っている商品やカテゴリを見て一度「重大な事故が起きる可能性」は高いのか低いのかを考えてみてほしいのです。
よく聞くのが、有名メーカーと同じ形状だから問題ないと思った、というものです。
しかし、同じ形状でも避けたほうがいいのです。
外見上は形は同じでも中身まで同じとは限らないからです。
有名メーカーは安全性や強度についてきちんと検査をしてそれに合格したものしか販売しません。
その商品のせいで事故が起きたらどんな重大な事態になるかわかっているからです。
私たちはどうでしょう。
自分が販売しているすべての商品について、しっかりと安全性や強度を検査しているでしょうか?
ここで「YES」と答えられる人はほとんどいないと思います。
個人でそういう検査や確認をするのは難しいからです。
「アリババのページに書いてあった」「問い合わせてみたら中国の業者が大丈夫と言った」など、他人の言葉を鵜呑みにしてはいけません。
誰がどれだけ大丈夫といっても売るのはあなたです。
責任もあなたにあります。
そのことをよく考えてこれからの取り扱い商品を決めていきましょう。
投稿者プロフィール
- 梅田 潤
- 合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)
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