今回は、中国輸入ビジネスに限らず、物販ビジネスにとって切っても切り離せない「返品」のお話です。
返品というのは、文字通り商品がお客様から何らかの理由でこちらに返ってくることを差すのですが、やはりいったん販売したもの(儲かった・在庫が減った)ものが返ってくるのは、販売者として気持ちの良いものではありません。
ですが、お客様が返品をするにはそれなりの理由があるはずです。
何もなければ元々(たぶん)欲しくて買って商品なので、そのまま使い続けるはずですよね。
せっかく届いた商品を再梱包して、宅配業者を呼ぶ手間をかけてまで返品しようとするのですから、商品はよほど酷い状態なのだと推測します。
ですが、残念なことに、すべてのお客様が正当な理由で返品してきている訳ではありません。
ではいったい、どのような理由で返品をしてきているのでしょうか?
後半に、筆者が実際に体験した返品事例を紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
ちなみに、筆者は中国から商品を仕入れてAmazonで販売をしています。
中国輸入ビジネスとか中国輸入物販などと呼ばれるスタイルですね。
「中国輸入Amazon販売」にご興味のある方は、こちらにわかりやすくまとまっていますので参考にしてください。
『【これが最短ルートだ!】7ステップではじめる中国輸入Amazon販売』
目次
ToggleAmazonの返品に対する姿勢
筆者はAmazonでの販売経験が長いので、Amazonを中心に話をしようと思います。
返品をする人の中には、本来であれば自分都合の返品であるにも関わらず、「返送分の送料を払いたくない」などの自分勝手な理由で、出品者側に落ち度があると主張する人がいます。
Amazonであれば、返品理由によっては返金額が減額される可能性があるので、わざと出品者側に落ち度があるようにAmazonに連絡して、全額返金をしてもらおうと画策する人もいます。
特に何年か前までは、Amazonはお客様から返品があれば問答無用で全額を返金していました。
この場合、出品者はAmazonに販売手数料とFBA手数料だけをとられて売上金は返金(入金的には0円)という、踏んだり蹴ったりの状況です。
今は、それよりは改善されたかもしれません。
ですが、今も昔も変わらないのはAmazonの返品に対する姿勢です。
基本的にAmazonは、お客様の言うことは信じる(お客様の言い分が正しい)というスタンスです。
なので、返品された商品の状態など、細かいことは抜きにして、まずお客様の言うことを正しいとして返品を受け付けて返金をしてしまいます。
個人のショップや小規模の企業であれば、返品された商品を精査して本当に返品として扱ってよいのか、返金すべきなのかなどをチェックすることもできますが、Amazonほどの巨大なサイトとなると難しいですよね。
「とにかく受けてしまう」という今のスタンスは、Amazonでは効率的なやり方とも言えると思います。
Amazonの「返品・交換の条件」
ここで、Amazonの「返品・交換の条件」を確認しておきましょう。
Amazonはカスタマーファーストで知られていますが、「返品・交換の条件」について説明するページにも下記のように記載されています。
Amazon.co.jpおよびAmazonマーケットプレイスの大半の出品者は、原則として商品到着から30日以内の返品・交換を承ります。
引用元:Amazon 返品・交換の条件
返品・交換の条件は、Amazon.co.jpが発送する商品の場合と、出品者が発送する商品の場合で異なります。
また、商品別でも返品・交換の条件が細かく設定されています。
たとえば、「服&ファッション小物、シューズ&バッグ」については、下記のような記載があります。
どういった場合に「使用済み」とみなされるかの基準ですね。
使用済み商品の返品・交換は承りません。下記については使用済みとみなされます。
試着では発生し得ない消耗やダメージ(しわ、ソールの汚れ、ソールの傷など)があるもの。
香水やたばこなどの匂い、ファンデーションなどの化粧汚れが付着したもの。
引用元:Amazon 返品・交換の条件
とても細かく設定がされているので、ここではすべてを紹介できませんが、基本的には徹底したカスタマーファーストです。
詳細は下記Amazonページをご確認ください。
参考:Amazon 返品・交換の条件
Amazonの仕組みを悪用したケース
Amazonの返品についてこんなニュースがありました。(アメリカのAmazonの事例です。)
『アマゾン返品詐欺で3,000万円 男が有罪認める』(mashup NY)
要約すると、「Amazonで注文したものとは違う、とても安い商品や壊れた商品を返品して、Amazonから代金を返品させて騙し取っていた」というものです。
これは、Amazonの返品商品に対するチェックの甘さを悪用した詐欺です。
もちろん、こんなことが許される訳もないですね。
案の定、逮捕されて多額の賠償金や懲役刑、禁固刑が科されるようになります。
ですが、消費者としてこの手のことを考えてしまったことがある人も、少なくないのではないでしょうか。
実行に移さないまでも、Amazonの返品の仕組みやスタンスを知っていれば、誰でも思いつき、誰もができる詐欺だからです。
今回は3,000万円を超える被害が出ていたので逮捕にまで至りましたが、そうではない小規模のものだった場合、いったいどの程度の返品が本当で、どこまでが偽の返品かわからないと思います。
その中には、本当に商品に不具合があっての返品もたくさんあると思いますが、中には使ってみたけどいまいちだった…とか、画面の色が現物と違って見えてイメージと違った…とか、使おうと思っていた日に間に合わなかったなど、自己都合の返品もたくさんあるはずです。
その自己都合の返品の際に、本当の理由を申告するのかで迷うことはあります。
先ほど少し触れましたが、Amazonの場合、商品に不具合の無いお客様都合での返品の場合は、固定ではありませんが一定程度の金額を差し引いた額を返金しています。
そうすることで、出品者の返品にかかる費用負担を軽減したり、またお客様自身にも安易に返品できないような抑止力としての効果があります。
私たち出品者側としては、正当な理由での返品はありがたく承るべきものですが、そうではない返品は何としても阻止したいものです。
しかし、現実には犯人探しをするのも手間ですよね。
そんなことをしているくらいなら、他の儲かる商品を1つでも多く販売した方が実入りは増えます。
怒る気持ちを抑えながらビジネスにまい進しましょう。
不正な返品の防止策や、不正な返品があった場合の対応は、ひとまずAmazonにお任せです。
私たちがやること、目的はとにかく「自分のビジネスを成功させること」です。
実際に“これで返品がOK”になった事例5つ
最後に、実際にこれで返品がOKになった商品事例をお話しします。
今、思い出して書いても腹立たしいことこの上ありませんが、本当にあった話です。
少し古い事例もあるので、同じような事例だとしてもAmazonの対応は異なる可能性があるので、そこはご了承ください。
【事例1】パーツが足りない
お客様からの返品理由は「破損」でした。
商品的には破損が絶対にないとは言い切れない商品だったのですが、FBA倉庫から送られてきた商品を見て驚きました。
それは5個セットの商品だったのですが、返品されてきたのはそのうちの破損している1個だけ。
残りの4個は返品されてきていませんでした。
筆者の感覚では、5個セットの商品なら5個まとめて返品するものだ思うのですが、そうではない人もいるんですね。
自分の当たり前と他人の当たり前は違うと実感した事例でした。
この件はAmazonのテクニカルサポートに連絡した結果、当初は全額返金されていたものが半額返金になり、残りの半額は私のところに戻ってきました。
商品的にみると、正常な商品のほとんどがお客様の手元にあるので、赤字幅が小さくなった程度でした。
【事例2】中身が無い
お客様からの返品理由は「商品内容が不足」でした。
返品された商品をみてみると、確かにあるパーツが足りません。
ですが、この「不足している」というのがものすごく不自然なものでした。
この事例で「無い」というパーツは、商品の要とも言える部分でした。
ケーキに例えると「イチゴショートケーキを買ったけどイチゴがはいっていない」とクレームを言われたようなものです。
ようするに、それが無いような商品はそもそも製品として成立していないので、いくらなんでも納品の時点で気が付くと思うのです。
筆者の憶測にすぎませんが、パーツを無くしたのか、そのパーツだけ欲しかったのか…。
商品を見た時はさすがに絶句しました。
これも最初は全額返金されていましたが、テクサポに連絡することでいくらか返ってきました。
【事例3】未開封なのに…
こちらは「破損」として返品された商品をFBAから返送してもらって確認したのですが、どう見ても未開封なのです。
ですが、何度確認しても、返品理由は「破損」。
外装にダメージは無く、ガラス製品のように衝撃で中身が壊れるようなものでもありません。
いったいどうやって中身を確認したのかが不思議でたまりませんでした。
テープをはがした跡もないので、中身を知るために非破壊検査でもやったのでしょうか。
筆者が思うに、お客様都合で返品しなければならないところを、責任を出品者側に擦り付けられた事例です。
買ったあとにやっぱりいらないと思ったのか、Amazonで買ったのを忘れていて他で買ったのかはわかりませんが、こんなこともあるのかと驚きました。
【事例4】補修済み?
これは以前にゴルフクラブを売っていた時の話です。
ゴルフクラブは、試し打ち程度でも底の部分(ソール)や打面(フェース)に跡が残ります。
ソールは地面を擦った跡、フェースにはボールが当たった跡が残りますが、おそらく試し打ちをして合わなかったのでしょう、返品をしたくなったようです。
お客様が何とかその跡をなかったことにしようとした痕跡が見られました。
試し打ちをしていないことを装い、未使用として返品するためでしょうか。
ただ、お客様もゴルフクラブの補修は素人だったようで、ソールの傷があったところには、あからさまにマジックで塗った跡がありました。
また、フェース部分のボール跡も、なんとか消そうとして何かの洗剤か溶剤を使ってこすったような跡がしっかりと残っていました。
たまたまこの商品はFBAではなく自己発送の商品だったため、お客様に連絡したところ、ご自身での補修を認めてくださったため、再発送をして返金無しで終了しました。
本当は再発送の送料も負担してほしかったのですが、そこまで言うとまたこじれると思い、こちらの費用負担で発送したのを覚えています。
それよりもそんな素人がマジックで塗ったような補修をこちらが見逃すと思ったのが(そして返金されると思ったのが)スゴイな、と驚きました。
【事例5】バレバレ
最後は超が付くほどバレバレな案件です。
ペット用品の中で、ペットのベッドを販売していた時の事です。
ベッドの返品があったのでFBAから返品商品を取り寄せたところ、袋の外側に貼ってあるシールに商品の不足とありました。
しかし、袋を開けた瞬間にそれが嘘だと分かりました。
なぜなら、袋を開けた瞬間に動物特有のにおいがして、毛が舞ったからです。
実は私は猫アレルギーなので、そういうにおいなどには特に敏感に反応します。
商品を見てみたところ、商品自体も毛だらけでした。
多分、買ってみたけれどもペットのほうがそれほど気に入らなくて、ちょっと使っただけで終わってしまったのでしょう。
商品に問題はないのに、それを返品してお金を返してもらおうという発想が信じられませんね。
似たような経験をされた方も多いのではないでしょうか。
ビジネスは誠実に、シビアに
筆者が実際に経験した返品事例をご紹介しましたが、こういうお客様はごくごく少数です。
多くのお客様が良心的ですし、そういったお客様をしっかりと大切にできるよう、ビジネスには誠実に取り組んでいくのが一番です。
お客様と騙しあいみたいなことはしたくありませんよね。
ただ、実際に驚くような理由で返品をしてくる変わったお客様がいるのも事実。
納得できない時は、シビアに対応することも必要です。
これから先、私もあなたも物販ビジネスを続けていくと思いますので、こういうごく少数の変わったお客様に引っ張られることなく、たくさんの普通のお客様を大事にするようにしていきましょう。
物販ビジネスを始めたばかりの方は、仕入れたり販売したりすることに手いっぱいで、「ビジネスを継続させる」ことについては、まだぼんやりとしているかもしれません。
中国仕入れをされている方であれば、CiLEL(シーレル)がビジネスの継続についても相談に乗ってくれますので、気になることがあればぜひ問い合わせてみてください。
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投稿者プロフィール
- 梅田 潤
- 合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)
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