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売れている商品が良い商品?「本当に儲っている商品」を教えます

日々、中国から商品を輸入し販売していると、ふと「この商品はずいぶん長く売っているな」と気が付くことがあります。

そういう商品は基本的に「よく売れている」から長く販売できている訳ですので、当然ながら、その商品は良い商品であると考えます。

もちろんその考えは間違いではありません。

最初に出品をするときには「長く・高く・たくさん」売れてほしいという思いで販売を始めるわけですから、長く売り続けているということは、その願いが叶った商品と言えるでしょう。

しかし、その商品は「儲かっている商品」でしょうか。

今回は「儲かっている商品とは何か」について解説していきます。

儲かっているかどうかはデータを見ないとわからない

電卓と数字の表

出品者は誰しも、ひとつの商品を作る時にはすごく細かく調べてこだわりを入れ、販売価格や原価にもシビアに考えます。

しかし、取扱商品が増えてくると、それぞれの単品のことよりも「まとめていくら売れた」とか「トータルでいくら利益が出た」とか、ざっくりのどんぶり勘定になりがちです。

また、目立っている商品に目が行きがちになり、他の商品をあまり見ないようになってしまうことも、よくあります。

売上や利益は全体で計算するものではなく、それぞれの商品の積み上げによってできているものです。
ついつい全体での売上や利益を見たくなりますが、本来は単品の商品ごとに見ていく必要があるのです。

大切なのは、単品の商品にフォーカスすることです。
「本当に儲っている商品とは何か?」を考えるとは、そういうことです。

「そんなもの、売れている商品が儲かっている商品に決まっている!」という方もいるかもしれません。

本当にそうでしょうか。
ちゃんとデータに基づいた検証はしていますでしょうか。

感覚的には、たくさん仕入れてたくさん販売しているものが、売上高も高いと思われるので、その商品が「儲かっている」となります。

しかし商品には、原価があり、販売価格があって、利益があります。

それは全ての商品が一律になっている訳ではなく、それぞれの商品で全てバラバラです。

当たり前の話をしているのですが、これが理解できると、「売れている商品=儲かっている商品」と単純に言えないことがわかります。

ここでも登場「パレートの法則」

人形とペンと電卓
あなたはパレートの法則を知っていますか?

パレートの法則とは、「経済活動における数値のほとんどは全体を構成する要素の一部が生産している」というもので、「80:20の法則」「2:8の法則(にっぱちのほうそく)」と呼ばれることもあります。

ちょっと言い回しがややこしいので、例え話にしますね。

ある会社に営業社員が10人いたとします。
会社全体の売上が100万円だったとして、上位2人の営業社員が売上の80%(=80万円)を作っている、残りの20%を8人の営業社員が作っている…という法則です。

10人の営業社員が10分の1ずつ(=10万円ずつ)作っているわけではないのですね。

これは「そういう傾向になる」という法則で、すべてが厳密に「80:20」になるわけではありませんが、いろいろな場面で応用されます。

物販ビジネスでも、この法則は当てはまります。

今の営業の例でいうと、会社があなたで、営業社員は商品です。
あなたが販売している商品の20%が、売上の80%を作り出しているということです。

勘のいい方なら気が付きますよね。
ここでは「売上」しか見ていません。
その商品がどれほどの「利益」を出しているかは、わからないのです。

もしかしたら、売上の80%を作り出す商品は、利益がほとんど取れない「儲からない商品」かもしれないのです。

もしそうだった場合、その儲からない商品を販売し続けても、少ない利益を必死にかき集める貧乏暇なし状態になってしまいますね。

本当は儲かるはずの商品を見落として、機会損失しまくっているかもしれません。

こんな状況を想像するだけで背筋が凍ります。
文字で書くだけでも寒気がしてきますね。

そうならないために、きちんと自分が販売している商品の状況を調べて、適切な販売と労力のかけ方をしていくことが大切です。

もし、検証した結果、力をかける方向が間違っているのであれば、それを修正すれば良いのです。
そうすることで、何倍ものスピードで成長していくでしょう。

検証した結果、正しい方向に進んでいるのがわかれば、労力をもっと集中させることでさらなる成長が期待できますね。

次のパートで、分析方法と検証方法を解説します。

視点は2つ「売上」と「利益」

ピースサインをする女性

ここからは分析方法について解説していきます。

分析方法はいろいろとあるのですが、今回は「ABC分析」というものをご紹介します。

「ABC分析」とは

「ABC分析」とは、複数のデータを「重要度」で分類する方法です。

重要度が高い順にA、B、Cと分類することから、ABC分析という名前がついています。
重点分析という人もいます。

物販では在庫の状況分析に使われることが多いです。
例えば、全商品の中でよく売れているグループをA、そこそこ売れているグループをB、売れていないグループをCとランク分けして、次の行動の指標にします。

上位のAグループを重点的に販売、下位のCグループは在庫処分をする、という具合です。

この「A・B・C」のランク分けする際に使う指標が、先ほどでてきた「パレートの法則」です。

「全商品の中で上位20%の商品が売り上げの80%を作っている」というものですので、ABC分析に当てはめると、その上位20%の商品がAグループとなります。

そして残りの20%の売上を作っているのをBグループ、全く売れていない商品をCグループとするわけです。

「ABC分析」を活用しよう

ですが、これだけではAグループの商品が儲かっているかどうかを確認することはできません。

それは、先ほどのABC分析の指標が「売上」だからです。
あたりまえの話ですが物販は売上だけがあっても意味がありません。

売上と利益がなければいけないので、売上のABC分析と並行して、利益のABC分析をやる必要があります。

その結果、売上でも利益でもAグループの商品であれば、それは間違いなく優先度が一番高い商品です。
その商品は、何としても売上を伸ばしましょう。

しかし、分析を進めると、時にこんな商品が出てきます。
「売上で見た時にはAグループだった商品が利益でみたらBグループだった」という商品です。

売上は高いけれども利益に貢献していない商品ですね。

また、逆に「売上で見た時にはBグループだった商品が利益でみたらAグループだった」ということもあります。

この商品は、売上を伸ばすことができれば、利益がどんどん伸びていきます。

売上と利益の両方を見る

売上がさほど高くなくとも利益率が良い商品を見落としてしまうと、とんでもなくもったいないですね。

そうならないように、しっかりと分析して戦略を立てていきたいものです。

「売れている商品が儲かっている商品とは限らない」ことが、おわかりいただけたでしょうか。

最終的には、利益を残してなんぼです。
ですが、利益のためには売上も必要です。

ですから、「売上」「利益」をバラバラに見るのではなく、その「売上」と「利益」の両面から見ることが大切になります。

その2つの視点が、本当にあなたに貢献してくれる良い商品を教えてくれるのです。

「分析」って難しくてめんどくさそう…

頭を抱える男性
こういう話をすると、「分析」って難しくてめんどくさそう…と言われることが多いです。

確かに、おっしゃる通りです。
分析は慣れるまで難しく感じると思いますし、慣れたところで「めんどくさい」と思うこともあるでしょう。

ですが、毎月の売上と利益の結果を知ることは、今後の商品の企画・開発に大きな影響を与えます。

企画・開発には費用がかかりますが、それは物販で得た利益の中からしか出せません。

「できるだけ少ない労力で、できるだけ多い利益をつくる」ことで、他の作業や企画開発にかかる労力を捻出しやすくなります。

効率よく利益を得ることは、物販だけではなく、自分の仕事全体に良い循環をもたらしてくれます。

その良い循環を起こすためには、まず商品のことを知らなくてはいけません。

どの商品がどれだけ自分に貢献しているのかを知るのです。

商品の中には、貢献しているかのように見えてしまっているものもあります。

そういう商品を正確に把握して、労力をかけるべき商品と、無くしていくべき商品に分けていきましょう。
そのためには客観的な数字(データ)と分析が必要です。

それがABC分析です。
これからも物販を続けていくうえで、効果的に利益をあげ、効率的に稼いでいくために、ぜひABC分析を活用してください。

エクセルで関数やマクロがわかれば、ボタン一つで分析できるようなものを作ることもできますので、得意な人は試してみる価値がありますよ。

周りにそういう人がいれば、相談してみても良いですね。


投稿者プロフィール

梅田 潤
梅田 潤
合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)

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