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FBA在庫の保管制限の調整から学ぶ「選択と集中」

Amazonから「次の四半期におけるFBA保管制限の調整」というメールがきました。

FBA在庫保管制限とは、Amazonが四半期ごとに行っている在庫パフォーマンス指標の査定で、一定水準を下回ると、標準サイズ・大型・服・シューズの在庫について在庫保管制限が適用されるというものです。

つまり、FBAに新たな商品が納品できなくなる、という訳です。

そうなってしまっては困りますね。

今回は、FBA在庫保管制限というトピックから、取扱商品の「選択と集中」についてお話しします。

FBA在庫保管制限とは?


Amazonではこれまでも、在庫補充の数量制限はありました。

在庫補充の数量制限は、一定数以上の在庫が納品できなくなるもので、在庫が消化されればその分だけ納品が可能になります。

しかし、FBA在庫保管制限は、FBAへの納品そのものにNGが出ますから、売れ筋商品が在庫切れになっても納品することができません。

とても厳しい状態ですね。

FBA在庫保管制限がかからないように、適正な量の商品を納品し、常に在庫パフォーマンス指標を確認して高いレベルをキープしましょう。

万一、制限がかかりそうな場合は、制限が決定するまでに急いで在庫消化に努めるなど、なんとかして制限を避けるようにしてください。

これは最終手段ですが、過剰になっている在庫を自宅に返送し、一時的にでもFBA在庫を減らすことをやりましょう。

在庫補充の数量制限は解除される?


記事の冒頭でご紹介した「次の四半期におけるFBA保管制限の調整」メールの中身を要約すると、「出品者様の在庫パフォーマンス指標(IPI)のスコアは485です。在庫パフォーマンス指標のスコアが480以上、標準サイズ、大型、服、シューズの在庫について在庫保管制限は適用されません。 ただし、在庫補充の数量制限の対象になります。」というものです。

在庫パフォーマンス指標については、下記のAmazonページを参考にしてください。
Amazon:在庫のパフォーマンス

このメールの内容だと、在庫パフォーマンス指標の数値が良くなると、在庫補充の数量制限がなくなるような気がしませんか?

在庫パフォーマンス指標は高いことに越したことないですし、できれば具体的に目指すべき数値が欲しいですよね。

ということで、「在庫パフォーマンス指標500を目指しましょう!」と言いたいところなのですが、実はそういうわけにもいかないのです。

筆者はAmazonの出品アカウントを複数持っていて、在庫パフォーマンス指標が523のものもあります。

そちらにも同じように「次の四半期におけるFBA保管制限の調整」メールがきていますのでご紹介します。

在庫パフォーマンス指標は523の場合の「次の四半期におけるFBA保管制限の調整」メールはこのような文面です。
(一部要約しています。)

在庫パフォーマンス指標(IPI)のスコアは523です。在庫パフォーマンス指標のスコアが{allocationThreshold}以上。標準サイズ、大型、服、シューズの在庫について在庫保管制限は適用されません。 ただし、在庫補充の数量制限の対象になります。

どこかで見たような気がしませんか?
そうです、最初に紹介したメール文面とほぼ一緒ですね。

文中に出てくる{allocationThreshold}は翻訳すると「割り当てしきい値」なので、設定基準という感じでしょうか。

2つめのメールは要するに「Amazonの設定した基準は超えているよ」ということなのですが、メールの通り、結局のところ在庫補充の数量制限の対象になっています。

Amazonの在庫は常にひっ迫しているようなので、おそらくですが、一時的に500を超えただけでは簡単に在庫補充の数量制限を解除することは無いようです。

「じゃあ在庫パフォーマンス指標500を目指すこともないんじゃないか?」と思うかもしれません。

在庫パフォーマンス指標500を達成・維持するのは、それなりに大変ですから、やらなくて済むならやらないでおきたいと、多くの方が考えると思います。

しかし、Amazonが基準値として設定するには、必ず意味があるはずです。

次に、その意味について考えてみます。

FBA在庫保管制限や数量制限に基準値がある意味


Amazonがなんの考えもなく指標や基準値を設定するとは考えられません。

ひとつ予測できるのは、今後、在庫パフォーマンス指標について450や500などの基準値を境に、何らかの制限や施策が出てくることです。

Amazonで、あとから色々なことができるように予め基準や指標を盛り込んでおくのは他の機能でもよくある話です。

例えば、指標の高い出品者の納品を優先するとか、繁忙期のFBAの在庫保管枠が指標の高い出品者ほど大きくなるとか、指標の高い(=よく売れている商品を持っている)セラーにセールの案内がくるなどの優遇策が取られても、なんら不思議ではありません。

今はまだ何の影響がなくても、実際に制限や施策が取られてから慌てて対応しても無理が生じますので、今のうちから継続して指標を高く維持できるようにしておくのが良いでしょう。

指標を高く維持する意識を持つことで、必然的に在庫保管日数の削減、在庫回転率の向上など、物販そのものにもいい影響を及ぼします。

在庫は納品して終わりではありません。
売って、仕入れ資金の回収を繰り返してなんぼです。

そうやってお金を効率よく回すほうが利益は大きくなります。

いくら利益の多い商品でも、在庫日数が長くなってしまえば資金が回らないので、「儲かっている商品」とは呼べなくなります。

そういう意味でも、在庫パフォーマンス指標の意味を理解して、対応しましょう。

在庫を回転させるための「選択と集中」


最後に在庫を回転させるための、取扱商品の「選択と集中」についてお伝えします。

中国輸入ビジネスでAmazon販売している多くの人は、たったひとつの商品だけ売っているのではなく、ある程度の商品数を取り扱っているはずです。

そうすると売れ行き(在庫の動き)の良い商品、悪い商品がでてきます。

もちろん、全商品がどんどん売れて平均的に在庫消化ができれば最高なのですが、もちろんそんなことはなく、ばらつきが出ます。

ばらつきが出るということは、在庫が高回転していて在庫パフォーマンス指標に好影響を与える商品に対して、動きの悪い商品が足を引っ張っている状態です。

ですが、動きが悪いと言っても、一応売れていて利益がある商品なら販売を続けたいですよね。

動きが悪い商品を販売し続けると、在庫パフォーマンスもなかなか改善しにくくなります。

こういうときに必要なのが取扱商品の「選択と集中」です。

「80:20の法則」を聞いたことがあるでしょうか。
全体の80%の売り上げは上位20%の商品で作っている、というものです。

もし、あなたがなかなか商品に見切りをつけられない場合、この「80:20の法則」の法則に従い、商品を選別してください。

売上と利益に貢献しない80%の商品を切り捨てて、売上と利益に多大な影響がある20%の商品だけに、労力もお金も時間も投入するのです。

それがいかに大事かということをAmazonは「在庫パフォーマンス指標」で教えてくれています。

動かない商品、回転しない商品は「悪」です。

商品への愛着や想いはあると思いますが、「在庫パフォーマンス指標」の数値はビジネスとしてその商品を残すべきかについて、客観的な数値で如実に表してくれていますので、淡い希望は持たず粛々と選択と集中をすることをおすすめします。

数値を元にした判断は、ビジネス的には間違いなく正解となるはずです。

まとめ


いかがでしたでしょうか。
今回は、FBA在庫保管制限というトピックから、「選択と集中」についてお話ししました。

数値を元にした分析や判断が大切なのですが、始めたばかりの方はピンとこないかもしれないですね。

そもそも数値の話が苦手という方もいらっしゃると思います。

そんな方も、学びながら実践するというサイクルが回せるようになると、ビジネスのスピードも上がるでしょう。

CiLELは、副業で中国輸入ビジネスに取り組むたくさんの方をサポートしてまいりました。
直接のお問い合わせにも対応しております。
興味のある方はぜひご連絡ください。

投稿者プロフィール

梅田 潤
梅田 潤
合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)

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