コスプレ衣装などコスプレ関連商品は、中国輸入ビジネスでも多くの人が取り扱った経験があると思います。
今でも人気のカテゴリなのですが、こんなニュースもありました。
コスプレ著作権ルール化へ(ロイター)
内容としては、海外にも人気が広がるコスプレが著作権トラブルになる事態を防ぐため、政府がルール整備に乗りだした…とのこと。
今回はこちらのニュースに関連して、コスプレ商品の販売について詳しく解説します。
目次
Toggleコスプレ商品とは
まず、ここで言うコスプレとは、例えばセーラー服や警察官のような制服系の商品ではなく、漫画やアニメのキャラクターの服や衣装のコスプレを指します。
コスプレとは漫画やアニメ、ゲームなどの登場人物やキャラクターに扮する行為を指す。
引用元:Wikipedia
冒頭でご紹介したニュースは、そのコスプレについて、著作権のルール整備を政府が推し進めていこうというものです。
理由は、日本のビジネスを海外で展開するために、著作権はとても重要なもののひとつだからです。
日本のアニメや漫画は、古いものから新しいものまで世界中で大人気ですからね。
今まで映像やフィギュアなどのグッズには当然ながら著作権があったわけですが、実はコスプレに関しては野放し状態でした。
それを、国をあげてルール整備をやっていこうというのですから、本気と考えても良いでしょう。
そもそもコスプレ衣装って輸入販売しても良い?
コスプレ衣装の販売については、実はあいまいな部分が多いのが現状です。
それについて解説します。
中国輸入ビジネスとコスプレ
中国輸入ビジネスではたくさんの種類のコスプレ衣装やコスプレ関連商品が扱われていますが、そもそもコスプレ衣装って輸入販売しても良いのでしょうか。
輸入についてはいったん置いておいて、販売OKなのか販売NGなのかは、「著作権」の扱いによって変わってくると考えられています。
ニュース記事にもありますが、「著作権法との関係があいまい」だったため、コスプレ商品の販売可否については明確な基準が存在していません。
中国輸入ビジネスでは一般的に「公式ライセンスのコスプレ商品があればNG」という認識です。
つまり、公式ライセンスを受けているメーカーや出版社などが作成したコスプレ商品(衣装)が販売されている場合には、同じキャラクターのコスプレ商品を中国から輸入するのはNG、という訳です。
販売NGのコスプレ商品例
例えば、『ONE PIECE』という漫画はみなさまご存じだと思います。
その『ONE PIECE』に登場するトラファルガー・ローというキャラクターのコートや帽子は、公式ライセンス商品が存在します。
よって、中国からトラファルガー・ローのコートや帽子を輸入すると、それはコピー品ということになるので、販売NGです。
『干物妹!うまるちゃん』という漫画(アニメ)のコスチュームも、最初は中国輸入ビジネスで多く取り扱われていましたが、そのうちに公式ライセンス商品が発売されて販売NGとなりました。
では、公式ライセンス商品が無い場合はどうなのでしょうか。
現時点ではグレーというか、著作権者の黙認のような状態です。
著作権者がデザインなどの主張をするなどすればNGになる可能性がありますが、そのような事例はこれまで聞いたことがありません。
コスプレ商品と著作権
現在、コスプレ商品の販売については「公式ライセンス商品が出るまではOK」というあいまいな状態になっているわけですが、こんな状態になっているのにも事情があります。
まず、アニメや漫画を楽しむ方法のひとつとして、好きなキャラクターになりきるのがコスプレです。
つまり、原作を制作している側から見ると、コスプレをしてくれる人は大事なファンなんですよね。
そこに、著作権で色々と規制をすると、ファンの広がりを阻害する可能性が高くなり、自分の作品の人気にストップをかけてしまうかもしれない、という考えがあります。
コスプレを楽しむために衣装を自作するファンも多いですが、衣装の制作が著作権に触れるとなると、公式ライセンス商品を買わなくてはいけないのでお金かかります。
また、好きな作品ができても衣装が作られるまで待たなくてはいけなくなりますので、コスプレを楽しめるまでの時間的なロスもあります。
さらに、メーカーなどが公式ライセンスを受けて商品を作るとなると、それなりにロットも必要になりますし、どれほど衣装の需要が高まるかの予想もしにくいため、公式ライセンス商品を製作するリスクというものが出てきます。
そうなると、マイナーな作品のコスプレ関連商品はほぼ作れなくなるので、人気を広げていくための手段のひとつを失うことにってしまいます。
誰もが自由に作って着られるからこそ、作品の人気の広がり、ひいては漫画やアニメ自体の人気の広がりにも貢献できる、という良い面があるのです。
このような背景から、日本のアニメや漫画が世界的に大きく広がり、日本の文化のひとつとしてそして海外に展開できるほどの成長を遂げたと言っても過言ではありません。
コスプレ文化の背景が変わってきたので注意!
コスプレを取り巻く環境はどんどん変化しています。
その流れについても解説します。
ビジネスとしてのコスプレ
日本のアニメや漫画が、日本の文化のひとつとして、海外に展開できるほどの大きな成長を遂げたことが、かえって著作権の問題を浮き彫りにしてしまった側面があります。
コスプレは個人レベルで楽しむために始まったものですが、それが今や日本が海外に輸出する「ビジネス」となってしまっているのです。
今やコスプレビジネスは、国が見過ごせないほどの巨大な規模に成長しています。
「みんなで楽しめればいいじゃないか」という範疇を超えているため、著作権などの整備をしないことは、国にとっての「損失」と認識されています。
そのため、今回の記事のような対応になったと推察できます。
コスプレで利益を得ることが問題
ただ、コスプレ著作権のルール整備を推し進めるといっても、何でもかんでも著作権を主張して規制してしまおうという流れは来ないと思います。
なぜなら、記事にも「非営利目的なら著作権法に抵触しない」という記述がありますが、問題視されるのは、そのキャラクターを使い利益を得る行為です。
なかなかこの「利益を得る」というところの判断が難しいところですが、おそらく、それを今後整備していきましょうということだと思います。
筆者の個人的な見解ではありますが、中国輸入ビジネスはキャラクターの衣装を販売して利益を得ていますので、整備された場合はもろに影響を受けるのではないかと思っています。
中国輸入ビジネスで多く取り扱われるコスプレ商品の行方を左右するニュースでしたので、背景などもふくめて詳しくお伝えしました。
今、コスプレ衣装を扱っている人や、これからやろうとしている人は、今後の情報にも注意が必要ですね。
今すぐではないけれど動き出さないと手遅れに
私たちはこれらの動きをどのように受け止めるべきなのでしょうか?
また、今のうちにやるべきことはあるのでしょうか?
焦って対応する必要はない
ここまで、コスプレの著作権が整備されるというニュースを元に色々とお伝えしましたが、この流れは始まったばかりです。
おそらく、今からすぐに始まるとか、急ピッチで整備が進むことはないでしょう。
このニュースは少し前のものですが、それ以降も目立った動きはありませんので、このニュースを見たからと言って慌てて動くことはありません。
ただ、将来的にはルールが整備されていくことは間違いないため、今現在コスプレ商品を扱っている人は少しずつ対応を始めるのが良いと思います。
とくに、コスプレ関連商品の売上比率が高い人は、徐々にその比率を減らしていき、他のもので補えるようにトライ&エラーをやっていく必要があるでしょう。
これからコスプレ関連商品を取り扱おうと考えている人は、今しばらくは問題ないかもしれませんが、先行きは不透明ですので、積極的にコスプレ以外の商品も取り扱っていくようにしなければなりません。
正々堂々としたビジネスを
著作権の整備は、国の輸出ビジネスに関係する国策ですので、本格的に整備された時に慌てないようにしておきましょう。
大切なのは、このような情報が出た(知った)段階、で次の一手を考えて動くことです。
アニメや漫画のコスプレ商品に限らずですが、自己の利益だけを追求するのではなく、真っ当な商品を扱い、正々堂々としたビジネスを展開していきたいものですね。
コスプレ衣装を扱っていて、「他にどんな商品を扱えばいいかわからない…」という方がいらっしゃいましたら、CiLEL(シーレル)の「売れる商品」リサーチ実践講座『manable(マナベル』をおすすめします。
著作権や流行に左右されない「売れる商品」を見つけることで、ビジネスの基盤がより強くなりますよ。
投稿者プロフィール
- 梅田 潤
- 合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)
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