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07.輸入の個人使用と商用の線引き

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07.輸入の個人使用と商用の線引き


個人輸入か商用輸入か

海外から日本に商品を輸入する場合、大きく分けて個人輸入なのか商業輸入なのかが線引きされます。これは、輸入する(商品を発注する)段階でチェックされるものではなく税関でチェックされるものになります。実務上はこの線引きは、基準が曖昧なところもありますのでこれが個人輸入でここからは商業輸入、という明確なものはありません。しかし、おおよその基準はありますので今後ビジネスとして展開していくにあたって理解しておく必要があります。

個人輸入と商用輸入の違い

個人輸入と商用輸入の最も大きな差は 関税 です。

個人輸入には優遇措置がありますが商用輸入にはありません。商用輸入と個人輸入の関税の計算方法は下記のようになっています。

商用輸入の場合
課税対象額(卸売価格+送料+保険+その他経費)×関税率で計算されます。

個人輸入の場合
課税対象額(海外の小売価格×0.6)×関税率で計算された金額が関税となります。

例えば、ある商品が10,000円、送料・保険その他の経費が3000円で関税率が10%の場合、

・商用輸入:(10000+3000)×10%=1300円

・個人輸入:(10000×0.6)×10%=600円
(便宜上、商品の価格は同じとします。)となります。

額が小さいので大きな差は感じにくいかもしれませんがこれが仕入金額が何十万、何百万となるとかなら大きな差になります。

個人輸入の制限

こんなに関税に差があるなら、全部「個人輸入」として輸入すればいいのでは?と思ってしまうのもわかります。しかし、それはできません。なぜなら、個人輸入は使用の範囲が限定されていて「個人が自分のためだけに使う」場合に限り個人輸入になります。あくまで「自分のため」なので販売はもちろん誰かにあげることもできません。逆に商用輸入は人に売る(あげる)ことを目的としていますので輸入した商品の扱いに制限はありません。

この「個人だけが使うものか?」が個人輸入と商用輸入が線引きされるポイントになってきます。実は、個人輸入でもみんなでまとめて個人輸入をする、という方法がありますが一見、諸経費も節約できて関税の優遇も受けられるので良い感じに見えますがこれも「個人が自分のためだけ」という概念から言うと外れていると思われますので厳密にはアウトになってしまう可能性が高いといえます。
そういう意味では、プレゼントのための輸入も個人輸入とは言えません。「個人が自分のためだけ」ではなく人にあげてその人が使うものだからです。

ケーススタディ

・会社のオフィスで使う商品を輸入
原則的には会社で使う物=それによって業務効率が図られたり利益につながることから商用輸入となります。しかし、個人事情主の場合は少し事情が異なります。自宅兼事務所のようなかたちで仕事をしている場合、自分が使用するためとも言えなくありません。ですので、ここは税関の判断にゆだねるしかない微妙なラインです。

・同じ商品を何度も輸入(反復性がある)
個人輸入は「個人が自分のためだけ」が原則なので商用輸入になります。特に短期間で何度も同じ商品の購入を繰り返すと確実に商用輸入ととられます。例えば、同じ靴を何回も輸入すると靴はそんなに消費が早いものではありませんので個人輸入とするには不自然です。

・同じ商品(近しい)商品を大量に購入
まったく同じ商品ではなくても近しい商品を大量に購入すると商用輸入となります。靴で言えば、同じ靴の24~27㎝まで0.5㎝刻みで7足を輸入すると「個人が自分のためだけ」となると、この人の足はどうなっているんだ?となりますのでこれも個人輸入とするには不自然です。

・世界の限定スニーカーの集める趣味がある
スニーカーのマニアは同じ靴を3足買う場合があります。履くため、観賞するため、保存するためです。どれも「個人が自分のためだけ」に当てはまりますがそれが1種類だったら何の問題もなく輸入できるかもしれません。しかし、1種類ではなく「5種類」あったらどうでしょう。それだけ15足になりますので商用輸入と判断される可能性があります。個人使用であることを伝えたい場合は税関にその旨を説明しなければなりませんので管轄の税関に確認が必要です。

・友人や知り合いに頼まれての代理輸入
先ほど出てきました、みんなでまとめて個人輸入と同様に「個人が自分のためだけ」とは言い切れない部分がありますのでアウトになってしまう可能性が高いといえます。

最後に

輸入ビジネスをはじめると、始めの方は時々関税が個人輸入になっていることがあります。法人名や屋号で輸入するとほぼ確実に商用輸入になるのですが個人名で輸入するとそういうことが起こります。ですが、これはたまたまそうなっただけであって、関税が安くなったといって2匹目のどじょうを狙ってはいけません。どうしても関税が安く計算されると利益幅が増えますのでこういうことを考えてしまいがちですが

「商用輸入を個人輸入として輸入するのは脱税」 りっぱな違法行為です。

「税金を安く済ませる」よりも「もっとたくさん販売する」方に頭と時間を使いましょう。

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