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これでばっちり!輸入ビジネスに関係する専門用語-2

今回は、輸入ビジネスに関係する専門用語の解説第2弾です。

1回目の解説はこちらです。
『これでばっちり!輸入ビジネスに関係する専門用語-1』

前回の解説と同様に聞き慣れない言葉がたくさんあると思いますし、また短縮後(歌詞文字を合わせたもの)が多いので、難しく感じるかもしれません。

しかし、特にB/LやWay Billといった輸送に関して重要な事柄は、まず頭に入れておいた方が用語です。

ぜひ最後までご確認ください。

輸入全般に関わる専門用語

ビジネスパートナー

まず、輸入全般に関わる専門用語について解説します。

VAT(Value Added Tax)

VATはEU(欧州連合)の付加価値税のことです。
バットと読みます。

日本でいう消費税にあたります。
EU内での課税になりますので、EU加盟各国から直接日本に商品を輸入する場合、VATは課税されません。

MOQ(Minimum Order Quantity)

MOQは、取引にあたっての最低発注単位(数量)です。
最低限この数は取引して欲しいというもので、取引にあたっては必ず確認されます。

Minimum Order Quantityの略が「MOQ」ですが、単に(Minimumミニマム)ということもあります。

インコタームズ(International Commercial Terms)

インコタームズは、国際商業会議所(ICC)が制定したもので、貿易取引条件とその解釈に関する国際規則(International Commercial Termsの略)です。

ジェトロのサイトに詳しい取引条件が掲載されていますので、詳細は下記からご確認ください。
参考:ジェトロ インコタームズ2020

コンサイニー(consignee)

コンサイニーとは、荷受人つまり荷物の受取人のことです
インボイスはもちろん、荷物の発送時のB/LやWay Billにも印字されています。
買い手となる輸入者をimporterとして別記する場合もあります。

※インボイスとB/Lについては解説第1弾の記事をご確認ください。
『これでばっちり!輸入ビジネスに関係する専門用語-1』

輸送に関する専門用語

次に、輸送に関わる専門用語を解説します。
数が多いですが、輸送の場面でよく見る単語ばかりを選んでいます。

P/L(Packing list)

もしかすると、P/Lといえば「損益計算書」を連想される方も多いかもしれません。
輸入ビジネスにおいてP/Lはパッキングリストの意味で、輸入する商品の梱包情報が記載された書類のことです。

箱の数や、それぞれの箱にどんなものがいくつ入っているかの情報が記載されています。
インボイスと合わせて、とても重要な書類です。

通関時にはパッキングリストを見て確認が行われます。

ドレージ(Drayage)

コンテナドレージとも言います。
荷主指定の倉庫などへの陸上輸送することです。
輸送した時の料金のことを指します。

デバンニング(Devanning)

デバンニングは、輸入したときにコンテナから荷物を出す作業のことです。
「デバン」や「バン出し」とも言います。

デバンニングする際は、コンテナの扉に施錠されている封(シール)を確認してから扉を開けます。
必ず書類に記載されているものと合致していることを確認してからデバンニングを行います。

ラッシング(Lashing)

ラッシングは、航海中の荷崩れを防ぐためにワイヤーなどで固定することです。

ETA(Estimated Time of Arrival)

ETAは、到着予定日や入港予定日といった意味で使われます。
B/LやS/I、インボイス、などの書類に、船名と共に記載されています。

ETD(Estimated Time of Departure)

ETDは、出発予定日や出港予定、出荷予定のことです。
ETAとセットで使われることが多くあります。

容積重量

IATA規定に基づいて、荷物の容積が5,000cm3で1.0kgとして換算した重量を容積重量(Volume Weight)といいます。

輸送料金は重量のほか、輸送するためのスペースをどれだけとるのかも重要なため、こういった計算がされます。
(鉄10㎏と綿10㎏ではどちらがスペースを取るのかを想像すると、わかりやすいかもしれません。)

RT(Revenue Ton)

RTはレベニュートンの略です。
輸送の料金を決定する基準は、実重量と容積重量の2パターンがあります。
その大きいほうが料金として適用されます。

M3

M3は貨物の容積のことです。
実重量のkgと併記されることが多くあります。
CBM(Cubic Meter)とも言います。

OLT(Overland Transport)

OLTは、税関長の承認を得て、輸入した荷物を保管・点検・展示などができる場所(保税地域)間で輸送することを言います。

SWB(Sea Way Bill)

SWBは海上運送状のことで、世界的に統一された様式です。
似たようなもので船荷証券(B/L)がありますが、船荷証券(B/L)との違いは、B/Lは「書類の所有者が荷物の所有権を持つ」=書類の譲渡が貨物の譲渡になる有価証券であるのに対し、「SWB」は単に航空会社の荷物の受領証で書類に記載された荷受人(Consignee)に荷物が引き渡される決まりになっています。
(B/Lは証券なので、転売も可能ですがSea(Air) Way Billはできません。)

AWB(Air Way Bill)

AWBは航空運送状のことで、世界的に統一された様式です。

CY(Container Yard)

CYは、指定された港の場所で、船から卸したコンテナを置いておく場所です。

FCL(Full Container Load)

FCLは、コンテナの中が全て1人(1社)の荷物で輸送することです。

LCL(Less than Container Load)

LCLは、複数の荷主の荷物を合わせて一本のコンテナにして輸送することです。
「混載」とも言います。

CFS(Container Freight Station)

CFSは、混載の場合に、コンテナへの積み込みや荷卸しする場所のことです。

フォワーダー(Forwarder)

フォワーダーは、輸出入者に代わり荷物の輸送を手配する貨物利用運送事業者のことです。
荷主から貨物を預かりますが、自社では輸送手段を持たず、船舶や航空機・トラック・鉄道等を利用し、貨物輸送を行います。

対して自社で輸送手段を持つ事業者のことは「キャリア」と呼ばれます。

シッパー(Shipper)

シッパーは、輸送業者と契約する当事者です。
輸送業者にとっての請求先です。

最後に

2回に分けて、輸入ビジネスに関係する専門用語を解説しました。
自分でフォワーダーさんと契約するなどして、直で輸入する場合などはほぼ確実にこれらの用語を知っておかなくてはいけません。

輸入代行業者や転送業者に輸入を完全委託する場合は、あまりこういった専門用語が出てくることはありませんが、それでも通関の書類などを目にする機会はあります。

まったく知らないよりは意味が分かったほうがチェックもできますし、輸入代行業者や転送業者はこういった専門用語を使用して業務をおこなっていますから、ご自身に知識があることで業者とのやりとりもスムーズになるかもしれません。

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