まずはこちらのニュースをご覧ください。
『品薄ハンドソープ、高値で転売 容疑で会社員を書類送検、石川』(千葉日報)
タイトルを見てびっくりませんか?
「ハンドソープって転売しちゃダメなの?」と思うのではないでしょうか。
この人が書類送検されてしまったのはなぜでしょう。
他にもたくさんこういった転売をしている人はいると思われるのに、どうしてこの人は書類送検されてしまったのでしょうか。
今回は、一見よくありそうな転売で書類送検になったというニュースから、中国輸入ビジネスで気を付けるべきことについてお話します。
目次
Toggleなぜハンドソープの転売で書類送検?
ニュースのタイトルだけを見ると、「え!ハンドソープの転売ってダメなの?」と思いますよね。
私もそう思ってニュースについていろいろ調べてみると、ハンドソープ全般の転売が禁止されているわけではなく、「消毒液やエタノール入りハンドソープ」について、仕入れ価格より高値での転売が禁止されていたとのことでした。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で品薄になったことから、2020年5月の法令改正により規制がかかっていたものです。
※2020年8月29日に転売規制は解除になっています。
リンク先のニュースには出ていませんが、当時の他のニュース記事によると、書類送検された男は生活の足しにするためにエタノール入りハンドソープを転売し、約2万円を売り上げ、約6千円の利益を得ていたそうです。
故意に転売していたのか知らずに転売してしまったのかはわかりませんが、どちらにしても書類送検されてしまっては、その代償はあまりにも大きいですよね。
今回のニュースは国内転売での出来事ですから、中国輸入がメインの私たちには直接的な関連は薄いように思えます。
ただ、個人として物販をやっているという意味では同じ立場ですので、この出来事を対岸の火事とせず、明日は我が身かもしれないと思って学べることや気を付けることがないか考えてみましょう。
知らなかったでは済まない違法な商品の販売
この人の書類送検容疑は、国民生活安定緊急措置法違反です。
「生活の足しにするため転売した」という供述をしていたそうですが、違法かどうかを知っていたかはわかりません。
知っていながら転売していたのなら論外ですが、知らなくてもインターネットを使って売っていますので、Amazonでもヤフオクでもメルカリでもガイドラインに出品禁止商品があります。
つまり、調べればわかるのです。
ただ、「この商品は売っても大丈夫だろうか?」と疑問に思わなければ、そもそも調べようとはしないのではないでしょうか。
仮に出品してはいけない商品を知らずに出品しようとしても、「その商品はダメだよ」とは誰も教えてくれません。
知っていようがいまいが、違法な商品を出品した時点で出品者が全責任を負うことになります。
また、今はいろいろなツールが出ています。
一度でも販売してしまえば、過去の販売データを遡って調べることができるのです。
ヤフオクの場合は特に落札データを持っているオークファンを使うと10年も前の商品まで調べることができますので、長くその情報が世の中に残り続けるという認識をしていてください。
何年も経ってから芋づる式に過去の販売実績が調べられて…という話も無いことはありません。
ちなみに前述のオークファンでは時折、全国の警察からある商品や出品者の販売履歴を調べてほしいという連絡が入るそうです。
中国輸入販売は「全て自己責任」が原理原則!
では、中国輸入の場合はどうなのでしょうか。
商品をリサーチする段階で、ある程度の違法性については知っている人も多いと思います。
例えば、食器は食品衛生法に抵触するとか、コンセントのある商品はPSE法(電気用品安全法)に抵触するなど、これまでいろいろなところで情報発信されていますので、このあたりの商品を仕入れ対象にする人はまずいないと思います。
(ちゃんと手続きを踏んで出品する人を除きます)
さらに、中国輸入の場合は間に代行業者が入りますので、万一自分が把握していない違法な商品を仕入れてしまいそうになっても、代行業者側のチェックで事前にストップしてくれることもあります。
とは言え、代行業者に頼ってばかりもいられませんよね。
代行業者もできる限りのフィルタをかけていますが、全ての商品を完璧に把握することは不可能です。
実際に今のAmazonを見てみると、完全に違法なものが出品されていることもありますし、グレーゾーン的に輸入されている商品もあります。
例えば、壁紙は建築基準法に違反する可能性があったり、ラジコン・ドローンなどは電波法に抵触する恐れがあります。
もし知らずに出品していたら…と思うと怖いですね。
もし「売れているのだからAmazonにバレなければ良いじゃないか」などと思っていたらそれは要注意です。
バレなければ良いという問題ではありませんので、絶対にやめてください。
販売商品の最終的な責任を負うのはあなたです。
販売した商品でもしも事故が起こったら…?
そういうところまでをしっかりと自覚し、輸入する商品を選定していかなければなりません。
個人輸入転売は違法!?
また、中国輸入の場合には、たとえ個人での輸入だとしても、しっかりと「ビジネス用の仕入れ」として輸入をおこなう必要があります。
「個人輸入したものを転売するのは違法だ」という話を見聞きしたことがある人もいるかもしれませんね。
厳密には、個人で輸入したものを転売するのが違法なのではなく、「個人輸入」つ個人で利用するために輸入したものを転売(商用利用)するのがNGということです。
個人で使用するための個人輸入と、第三者に販売することを目的とした商用輸入では、関税の計算方法が違います。
個人輸入と商用輸入の線引きが難しいと感じることもあると思いますが、転売目的の輸入は商用輸入になりますので、誠実に輸入手続きをおこないましょう。
また、アンダーバリューも絶対にダメですよ。
アンダーバリューは脱税です。
違法行為です。
販売したら違法になる商品だけでなく、仕入れの方法についてもしっかりと違法性がないかを意識しておきましょう。
1億人の目があなたの商品を見ています
Amazonにはまだまだ違法な商品、グレーな商品がいっぱい売られています。
ですが、何度も言いますが、出品した商品について責任を負うのはあなたです。
違法な商品を販売した場合、いかなる言い訳も通用しません。
違法な商品は、例えどんなに売れて儲かっていようとも取り扱わないことです。
また、少しでも違法の可能性がある商品を仕入れたい場合は、問題ないかをとことん調べてください。
絶対に大丈夫だと確信を持ってから仕入れるようにしましょう。
仕入れの方法も大切ですね。
中国輸入の場合は、信頼できる輸入代行業者によく相談しましょう。
冒頭のニュースの書類送検の件で私が怖いと感じたのは、「サイトを見た人からの情報提供」によって出品者が書類送検されたという事実です。
つまり、違法商品が代行業者のフィルタをすり抜け、Amazonにバレなかったとしても、その商品を見ている人の通報によってあなたが捕まってしまう可能性があるのです。
「自粛警察」や「正義マン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
一般市民がまるで警察のように違法なことやマナー違反に目を光らせ、非難や通報をする事案が、最近多くなっています。
今やインターネット上は警察だけがパトロールをしているのではありません。
例えばAmazonには月間のべ1億を超えるアクセスがありますので、それだけの目が商品に目を光らせていると思ったほうが良いでしょう。
誰がどこで見ているかわかりませんので、間違ったものは販売していないと胸を張れる仕入れが必須です。
投稿者プロフィール
- 梅田 潤
- 合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)
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