経済産業省が発表した資料によると、2020年の世界の越境EC市場規模は9,123億USドルを突破しました。
今後も世界中でECの利用が増えることが予想される中で、越境ECに参入を検討している人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、具体的にどのように越境ECをおこなうのかなど、分からないことも多いですよね。
そこで今回は、越境ECにおすすめの9つのサイトをご紹介。
自社構築・モールのタイプ別で解説しますので、ぜひサイト選びに役立ててみてくださいね。
(2021年11月時点の情報です)
越境ECとは
おすすめのサイトを紹介する前に、まずは越境ECの基本的な部分をおさらいしましょう。
この章では、以下の2つの項目を解説していきます。
・越境ECの概要
・越境ECの市場規模
どちらも越境ECに参入する上で欠かせない情報なので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
越境ECの概要
そもそも越境ECとは何なのでしょうか。
越境ECとは、国境を越えて行われるECサイト上の取引を指します。
海外のECサイトを通して日本に商品を輸入する場合も越境ECと呼ばれますが、ビジネスの場では、日本から海外の消費者に対して商品を輸出するビジネス形態を指すことが多いです。
日本国内でインターネットを活用した通販が主流となってきているように、越境ECも、世界のスタンダードな取引方法として注目されつつあります。
越境ECの市場規模
世界的にインターネットが普及したことにより、越境ECの市場規模も拡大傾向にあります。
経済産業省が発表したデータによると、2020年の世界の越境EC市場規模は9,123億USドルを突破。
2027年には、4兆8,561億USドルにまで成長すると予測されています。
越境ECの認知度の上昇に伴い、今後もこれまで以上の世界的な成長が見込まれています。
参照:経済産業省
越境ECのメリットとデメリット
次に、実際に事業を始める前に知っておくと役に立つ、越境ECのメリットとデメリットを紹介していきます。
ぜひ事業計画の参考にしてみてくださいね。
越境ECのメリット
まずは越境ECのメリットから解説していきましょう。
越境ECには、おおまかに以下の3つの利点があります。
・海外に販路を拡大できる
・実店舗よりも出店が簡単
・「日本ブランド」を活かせる
少子高齢化により日本全体の市場の将来性が不安視される一方で、世界には人口増加により市場が拡大傾向にある国が沢山あります。
そんなポテンシャルのある国でビジネスを展開できるのが、越境ECの最大のメリットと言えるでしょう。
さらに、実店舗を手配するよりも出店が簡単なうえ、高品質のイメージがある日本のブランドは、海外でも人気を獲得しやすいとされています。
越境ECのデメリット
越境ECは大きな可能性を秘めている一方で、以下のようなデメリットもあります。
・商習慣の違いがある
・言葉の違いがある
・規制や法律の違いがある
・配送にコストがかかる
海外でビジネスをするということは、現地の習慣やニーズを把握し、それらに合った対応をする必要があります。
特に規制や法律の違いはビジネスに大きな影響を与えるだけでなく、国際情勢や現地の政策によって常に改正される可能性があります。
また、越境ECで不可欠な国際輸送はコストが高く、配達に数日~数か月かかるケースも見られます。
これらのデメリットは以下のようなサイトで詳細を確認できるので、ぜひ事前に目を通しておきましょう。
参照:JETRO 輸出入に関する基本的な制度
参照:日本郵便 国際郵便として送れないもの
越境ECサイトの2つのタイプ
越境ECの特徴を掴んだところで、本題であるサイトの解説に入りましょう。
越境ECサイトには、以下の2つのタイプがみられます。
・自社で越境ECサイトを構築する
・海外のECモールに出店する
それぞれ詳しく紹介していきましょう。
タイプ①自社で越境ECサイトを構築する
越境ECサイトの構築サービスを使えば、自社で制作することもできます。
ECモールに出店するよりも販売時の手数料やランニングコストが安いので、低予算で始めたい人におすすめ。
一方、越境ECならではのデメリットとして、外国語での表示や、海外向けの決済サービスの導入も自分で行わなければいけないことなどが挙げられます。
自社で越境ECサイトを構築できるサイトとしては、下記が有名です。
・Shopify
・Live Commerce
・Multilingual Cart
それぞれの特徴は、後ほど詳しく紹介します。
タイプ②海外のECモールに出店する
越境ECサイトのもう一つのタイプとして、海外のECモールが挙げられます。
ECモールとは、実店舗のショッピングモールのように、多数の企業やブランドが集まってそれぞれのお店を出店しているサイトのこと。
自社で越境ECサイトを構築するよりも、販売手数料や出店料などがかさむデメリットがありますが、知名度の高いサイトを使えば初心者でも集客しやすい特徴があります。
海外の有名なECモールには以下の6つが挙げられます。
・天猫国際(Tmall global)
・京東国際(JD Worldwide)
・Amazon
・eBay
・PChome
・G-market
それぞれのサイトの特徴は、のちほど詳しくご紹介します。
自社越境ECにおすすめのサイト3選
越境ECサイトの2つのタイプを紹介したところで、この章では、一つ目のタイプである「自社越境EC」におすすめの以下の3つのサイトを解説していきます。
・Shopify
・Live Commerce
・Multilingual Cart
自社でサイトを構築しようとしている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Shopify
カナダの企業Shopifyは、流通総額2,000億USドルを記録した、大手ECサイト構築サービスです。
これまで世界175か国で170万のビジネスをサポートした実績を持ち、世界的な認知度が特徴的です。
多言語・多通貨に対応しているため、様々な国の越境ECに利用できます。
Live Commerce
Live Commerceは、英語・中国語・日本語で越境ECサイトを構築できる、事業者向けのサービスです。
GoogleショッピングやFacebookダイナミック広告にも連動できるため、様々な販路でユーザーにアプローチできるところが魅力的。
英語圏や中国語圏などでビジネスを始めたい人におすすめです。
Multilingual Cart
Multilingual Cartは、日本語、英語、中国語をはじめとする12か国語に対応した越境ECサイトを構築できるサービスです。
世界の30通貨で決済でき、EMS、Fedex、SAL、ヤマト国際宅急便などの複数の配送方法から選べる強みを持ちます。
多言語に対応したサイトで様々な国とビジネスをしたい人におすすめです。
モールでの越境ECにおすすめのサイト6選
この章では越境ECで人気のECモールを6つ紹介していきます。
・天猫国際(Tmall global)
・京東国際(JD Worldwide)
・Amazon
・eBay
・PChome
・G-market
ECモールへの出店を考えている人はぜひ参考にしてみてくださいね。
天猫国際(Tmall global)
天猫国際(Tmall global)は、中国でトップシェアのECサイト、天猫商城(Tmall.com)の越境EC向けサイトです。
中国を代表する大手IT企業のアリババが運営していることもあり、中国国内の知名度や信頼度が高い特徴があります。
「B2C cross-border」「B2B2C」「B2C」など、様々なビジネスモデルに合わせた出店サービスを展開しています。
京東国際(JD Worldwide)
京東国際(JD Worldwide)は、天猫国際(Tmall global)と並んで中国越境ECに最も利用されているサイトの1つです。
中国国内版サイトの京東商城(JD.com)が家電などの直販や独自の物流ネットワークに力を入れていることから、越境EC版の京東国際(JD Worldwide)でも家電類の出品や、物流関係のサービスが目立ちます。
参照:京東国際(JD Worldwide)https://www.jd.hk/
※スマホで上記URLへアクセスするとアプリのインストール画面へ遷移する現象が確認されたため、リンクを設定しておりません。
Amazon
世界中のだれもが知っているアメリカの大手ECサイト、Amazon。
世界各地50カ所以上に物流拠点を置き、書籍、アパレル、家電、ゲーム、音楽、食品など、幅広い商品を取り扱っています。
そんなAmazonでは、強みである各国の物流ネットワークを活かした本格的な越境サービス、「Amazon グローバルセリング」を展開しています。
このシステムを使えば、北米、ヨーロッパ、アジアに商品を出品して販売できるようになります。
eBay
eBayとは、越境ECに特化した世界最大級のオンラインマーケットプレイスです。
世界190か国に事業を展開し、出品数は累計14億点を記録しました。
eBayには他のサイトに比べて、世界各地でサービスを展開しているため複数国への出品が可能というメリットがあります。
一方、出品時に英語スキルを必要とされる一面もありますが、様々な国でビジネスをしたい人は、ぜひ検討してみてください。
PChome
PChomeは、台湾最大のECモールです。
最近では日本の様々な大手IT企業が、PChomeやその関連サイトと提携を開始したことで話題になりました。
出店にあたっては中国語のスキルや様々な手続きが必要になりますが、難しい場合は他社に代行を依頼する方法もあります。
台湾に進出を考えている場合はぜひ利用してみたいサイトです。
G-market
G-marketとは、韓国でトップシェアを誇るECモールです。
近年では、日本の大手ECサイト楽天市場と相互出店を始めたことで、さらに知名度が上がりつつあります。
基本的に韓国語、中国語、英語のみで表示されるため、運営にあたって語学力のあるスタッフが必要になりますが、韓国でビジネスをしたい人にはおすすめのサイトです。
まとめ:自分に合ったサイトで越境ECを始めよう
越境ECサイトには、以下の2つのタイプがみられます。
・自社で越境ECサイトを構築する
・海外のECモールに出店する
自社越境ECでは、以下の3つのサイトがおすすめです。
・Shopify
・Live Commerce
・Multilingual Cart
また、海外のECモールに出店する場合は、以下の6つのサイトがおすすめです。
・天猫国際(Tmall global)
・京東国際(JD Worldwide)
・Amazon
・eBay
・PChome
・G-market
それぞれに向いている国やビジネスモデルがあるので、自社の事業に合ったサイトを選んでみてくださいね。
投稿者プロフィール
- CiLEL編集部
- CiLEL編集部は、中国輸入ビジネスをはじめ物販ビジネスや副業についてのお役立ち情報を発信しています。記事は「正しく、わかりやすく、誠実に」がモットー。FP、販売士、ネットショップ検定、日商簿記、行政書士、キャリアコンサルタントなどの資格を持つメンバーが執筆・監修しています。
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