年々、市場が急成長している越境EC業界。
特に世界一の人口を誇る中国では、様々な国の企業がEC事業を展開しています。
今後も右肩上がりの成長が期待される中で、新たに参入を考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、中国越境ECの概要や出店方法をご紹介。
人気のサイトや、事業を成功させるコツも解説していきます。
ぜひ最後までお読みいただき、中国越境ECの戦略を立てるのに役立ててみてくださいね。
(2021年10月時点の情報です)
目次
Toggle中国越境ECとは?
中国越境ECの出店方法や人気のサイトを紹介する前に、まずは基本をおさらいしましょう。
この章では、中国越境ECに関する以下の2つの項目について解説します。
・中国越境ECとは?
・中国越境ECの市場規模
どちらも実際に事業を始めるうえで欠かせない情報なので、ぜひチェックしてくださいね。
中国越境ECとは?
越境ECとは、ECサイトを通じて国境を越えて行う国際的な取引を指します。
外国からECサイト経由で日本に商品を販売することも越境ECと呼ばれますが、一般的にビジネスの場では、日本から外国に向けた取引を意味します。
したがって中国国境ECとは、日本から中国に向けてECサイトで商品を販売するビジネスモデルを指します。
中国に限らず、他国も含めた越境EC全般については、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
中国越境ECの市場規模
近年、世界規模で様々なビジネスモデルのEC化が進み、2019年の世界のBtoC-EC市場規模は3.53兆USドルと推計されています。
中でもひときわ高い成長率を見せたのが中国であり、日本・米国・中国の3ヵ国間の越境EC市場において、中国での購入額は3兆6,652円を記録。
世界で最も大きいECサイト上位3つが全て中国の企業であることからも、中国越境ECのポテンシャルの高さが伺えます。
中国では農村部のEC利用がこれから本格化すると見込まれており、今後も大きな成長が期待されています。
中国越境ECの4つの出店方法
中国越境ECの概要をおさらいしたところで、この章では具体的な4つの出店方法を紹介します。
・自社で中国越境ECサイトを運営する
・中国のECモールに出店する
・保税区を利用して越境ECをする
・他社に中国越境ECを代行してもらう
それぞれにメリット・デメリットがあるので、これから事業を始める予定の人はぜひ参考にしてみてください。
方法①自社で中国越境ECサイトを運営する
日本国内で独自にECサイトを立ち上げ、自社で運用する方法です。
ECモールなどに出店するよりもランニングコストが低い傾向があり、低予算で運用したい人におすすめです。
しかしながら越境ECサイトでは、海外からの注文や決済などに必要な機能などを実装する必要があるため、プログラミングなどの知識が必要な場合があります。
実際に運用する際は、社内にある程度の知識を持ったスタッフがいると安心です。
方法②中国のECモールに出店する
自社でECサイトを構築するのが難しい場合、中国のECモールに出品するのがおすすめ。
天猫国際(Tmall Global)や京東商城(JD.com)などの大手ECモールであれば、利用者数も多く、集客もしやすいメリットがあります。
一方で中国のECモールならではの特徴として、出店にあたって中国国内に法人を持っていることを条件とするサイトもあります。
また、販売手数料などがかかり月々の固定費もかかるため、出店を決める前に具体的なシミュレーションをしておきましょう。
方法③保税区を利用して越境ECをする
保税区とは、海外から輸入された貨物を、関税をかけることなく一時的に保管できる区域を指します。
主に中国越境ECでよく見られる手法で、あらかじめ商品を中国の保税区に輸送しておき、注文が入ったら消費者のもとへ発送します。
倉庫での保管料などがかさむデメリットがありますが、日本から配送する場合に比べ、注文から受け取りまでの時間を短縮できるメリットがあります。
方法④他社に中国越境ECを代行してもらう
4つ目の方法は、他社に中国越境ECを代行してもらうというものです。
ECモールとの契約や出店の手続き、サイトの構築、顧客対応など、企業によって様々な代行サービスがあります。
業務を委託する分コストもかかりますが、特に中国語を話せるスタッフが社内にいない場合や、出店にあたって特別な手続きがいる場合などは、ぜひ検討してみましょう。
中国越境ECのメリット・デメリット
中国越境ECへの参入を検討する中で気になるのが、中国ならではの特徴ではないでしょうか。
そこでこの章では、中国越境ECのメリットとデメリットを紹介していきます。
中国越境ECのメリット
中国越境ECには、主に以下の4つのメリットがあります。
・中国国内の市場が大きい
・EC利用者が多い
・中国で日本製品の人気が高い
・他国に比べて日本から近い
約14億人と世界一の人口を誇る中国では、各業界の市場が大きいだけでなく、EC利用者も日本より遥かに多いとされています。
日本の電化製品や化粧品などの人気も高いことから、商品によっては高い需要が見込める可能性も。
また日本の隣国であるため、他国での越境ECに比べて配送の時間を短縮できるメリットがあります。
中国越境ECのデメリット
一方、中国越境ECにはデメリットもあります。
・言葉や習慣の違いがある
・為替変動のリスクがある
・法律や規制の壁がある
中国でビジネスをする以上、言葉や習慣の違いがあることを理解しておく必要があります。
社内に中国語を話せるスタッフがいない場合は、新たに通訳を雇うか、代行会社を利用すると安心です。
また、為替の変動や法律・規制にも要注意。
日本国内では問題なく販売できる商品であっても、中国では法律や規制によって輸入自体ができないこともあります。
常に最新の情報を確認し、スムーズに出店できるようにしましょう。
中国越境ECで人気のサイト2選
中国越境ECのメリットやデメリットをおさらいしたところで、さらに参入への気持ちが高まっている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの章では、中国越境ECで人気のサイトを2つ紹介します。
・天猫国際(Tmall Global)
・京東国際(JD Worldwide)
どちらも世界的に有名なサイトなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
天猫国際(Tmall Global)
天猫国際(Tmall Global)は中国でトップシェアを誇るBtoC向けECモール、天猫商城(Tmall.com)の越境EC版サイト。
中国の大手IT企業アリババグループが運営する、中国で最も大きい越境ECプラットフォームとして注目されています。
天猫商城(Tmall.com)が正規品保障や品質に力を入れていることから、天猫国際(Tmall Global)も安心と品質にこだわる中間所得層や若者から支持されています。
日本企業の利用も多く、中国越境ECを始める人はぜひ検討したいサイトです。
京東国際(JD Worldwide)
中国で今大人気のECモールが、京東商城(JD.com)です。
2019年には企業全体で、中国国内でアリババに次いで2番目に高いシェアを記録しました。
直販型のビジネスモデルや、独自の物流ネットワークを活用した素早い配送が特徴的です。
その越境EC向けサイトとして運営されているのが、今回紹介する京東国際(JD Worldwide)です。
天猫国際(Tmall Global)と並んで中国越境ECに欠かせないサイトの1つで、デジタル製品や家電が特に人気です。
参照:京東国際(JD Worldwide)https://www.jd.hk/
※スマホで上記URLへアクセスするとアプリのインストール画面へ遷移する現象が確認されたため、リンクを設定しておりません。
中国越境ECを成功するための4つのコツ
おすすめの中国越境ECサイトを紹介したところで、この章では、実際に出店する際に抑えるべき4つのポイントを解説。
・中国の流行やニーズを把握する
・チャットでも顧客対応をする
・中国で一般的な決済方法を使う
・SNSやインフルエンサーを活用して集客する
ぜひこれらのコツを意識して、事業を成功に導きましょう。
中国の流行やニーズを把握する
中国で販売する以上、販売する商品は現地の人々のニーズを満たす必要があります。
商品によっては、日本では大人気でも、文化の違いにより中国では全く人気が出ない、なんて可能性も。
また、日本と中国ではセールの時期が異なり、例えば中国の「独身の日」である毎年11月11日には、1日で数兆円の売上を出すECサイトもあります。
今どんなものが流行っているのか、伝統的にどんな習慣があるのか、どのタイミングで買い物をする人が多いのか、など隅々までリサーチしておきましょう。
現地での調査が難しい場合は、代行会社を利用するのも手です。
チャットでも顧客対応をする
近年、日本のECサイトでも導入する企業が増えているチャット機能。
中国では顧客対応にこのチャット機能を活用する企業が多くみられます。
もし余裕があれば、メール、サイトのお問い合わせフォーム、電話などに加えてチャットでも対応できるようにしておきましょう。
この際、中国語を理解できるスタッフが必要になるので、事前に人員を確保しておくと安心です。
中国で一般的な決済方法を使う
中国では、以下の3つの決済方法を主流としています。
・支付宝(Alipay)
・微信支付(WeChatPay)
・銀聯(UnionPay)
支付宝(Alipay)はアリババグループが運営する中国の大手モバイル決済サービスで、公共料金やオフラインでの支払い方法としても広く普及しています。
微信支付(WeChatPay)は、中国の大手チャットアプリ、微信(WeChat)が運営する決済サービスで、日本でいうLINE Payのような手軽さがあります。
銀聯(UnionPay)は、中国の大手クレジットカードブランドで、中国では誰もが一枚はカードを持っていると言えるほど、一般的な決済方法です。
ECサイトやモールによって利用できる決済サービスが異なるため、事前にどれが自社のサイトに対応しているか調べておきましょう。
SNSやインフルエンサーを活用して集客する
中国でのマーケティングに欠かせないのがインフルエンサー。
Weibo(微博)やWeChat(微信)などの中国版SNSで活躍し、一回の投稿で何十~何百万人ものフォロワーにリーチできる拡散力を持っています。
そのため、中国では彼らを通して商品PRをする企業も多く、日本以上に身近な宣伝方法として認知されています。
日本から直接インフルエンサーを探すことが難しい場合は、中国インフルエンサー専門の仲介会社などを利用してみましょう。
まとめ:中国越境ECを成功させるためにはコツが重要
中国国境ECとは一般的に、日本から中国に向けてECサイトで商品を販売するビジネスモデルを指します。
2019年には日本・米国・中国の3ヵ国間の越境EC市場において、中国での購入額が3兆6,652円を記録し、今後も成長が期待されています。
そんな中国越境ECには、以下の4つの出店方法があります。
・自社で中国越境ECサイトを運営する
・中国のECモールに出店する
・保税区を利用して越境ECをする
・他社に中国越境ECを代行してもらう
ECモールを利用する際は、以下の2つを検討してみましょう。
・天猫国際(Tmall Global)
・京東国際(JD Worldwide)
日本と文化の異なる中国で事業を成功させるには、以下の4つのポイントを意識することが大切です。
・中国の流行やニーズを把握する
・チャットでも顧客対応をする
・中国で一般的な決済方法を使う
・SNSやインフルエンサーを活用して集客する
ぜひこれらを参考にして、ビジネスに活かしてみてくださいね。
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