みなさま、お世話になっております。
CiLELの 辻 浩之 です。
コロナ禍に始まった円安が長く続き、今度はトランプ関税ということで市場が動いています。
円安による輸出へのトレンドの傾きも、今は輸入に揺り戻しが来ているように感じます。
EC参入が盛り上がり始めてから数年が経ち、参入者は減っている状況ですが市場での競争は依然激しい状況であると見ています。
そこで大事になってくるのが、定期的な新商品の投入と死筋商品のカットといった「商品の改廃」です。
身体で例えるならば、新陳代謝であり、これが定期的に繰り返されるからこそ健康でいられます。
つまり、品揃えは定期的に見直さなければ、経営としても不健康になってしまうということになります。
ヒット商品も永遠に売れ続けるわけではありません。
「プロダクト・ライフサイクル」が示すように、どんな商品も衰退期を迎えます。
皆様の売れ筋商品が売れなくなったとき、次の売れ筋商品がなければ事業として衰退します。
【引用・参考】製品ライフサイクルとは?初心者のためのマーケティング講座(STUDY HACKER)
このようにお客様を取り巻く環境が変化していく中で、先日新商品投入に必要な「商品リサーチ」を主題としてWEBセミナー
「仕様違いとサヨナラ!?1688仕入れ先選定セミナー」を開催しました。
100名以上のお申込みをいただき、誠にありがとうございました。
皆様の課題の抽出や打開策のアイデアにお役立ていただける内容でしたら幸いです。
WEBセミナー本編の内容は割愛いたしますが、セミナーのアンケートなど、お客様からいただいた「商品リサーチ」「新商品投入」に関するお声について、この場で回答などができれば、と思いレポートを作成いたしました。
是非ご覧いただき、今後もCiLEL並びにWEBセミナーをご活用いただけますと幸いです。
目次
ToggleWEBセミナーに関する評価
セミナー全体の満足度 4.4点/5点
内容のわかりやすさ 4.5点/5点
非常に高い評価をいただき誠にありがとうございます。
CiLELもWEBセミナーを始めて8年ほどになり、少しずつですがレベルが上がってきていたのかもしれません。
これもご参加いただいた皆様からのお声のおかげであり、お客様に育てていただいたように感じます。
セミナーの内容でいくと、ご紹介したいくつかのツールについて、新しい発見をされたお客様が多くいらっしゃいました。
Canva、1688AIBUYなど、是非リサーチや商品ページ作成などにご活用ください。
また、今後WEBセミナーで扱ってほしい内容などのアンケートには、直近で予定している義烏(イーウー)の市場への買い付けツアーについて、実際の画像を交えての説明が欲しい、というものがありました。
WEBセミナーという形ではないかもしれませんが、これは是非レポートさせていただこうと思います。
新商品投入に関するアンケート
皆様の仕入れをお任せいただいている我々において、非常に興味深かったのが新商品投入に関するアンケートでした。
これは我々スタッフ一同、お客様への理解を深めるためにもひとつひとつ読ませていただきました。
現在どのくらいのペースで新商品を投入していますか?
毎月新商品の投入を行っている 54%
2か月~1年に1商品投入している 41%
この1年、新商品の投入ができていない 5%
新商品の投入ペースについてうかがいました。
毎月5商品ほど投入しているお客様が多くいらっしゃいましたが、月に1商品の投入が現状できていないお客様も半分近くいらっしゃいました。
販売計画により、本当に必要な投入ペースは異なると思いますが、やはり思い通りに新商品を投入できていないお客様が多くいらっしゃると見受けました。
そこでさらに深掘りしたくもう2問質問をさせていただきました。
新商品の投入に関しての悩みを教えてください
①リサーチはできているが、満足のいく商品が見つからない 36%
②商品リサーチができていない 27%
③テスト仕入れをしても満足する品質の商品がない 24%
③利益計算が適切に行えているか不安 24%
※複数回答あり
一番多かったのは「商品リサーチ自体はできているが、希望の商品が見つからない」といったものでした。
予算に合うものが見つからない、あるいはそもそも希望の仕様の商品が見つからない、といったものも含まれると考えます。
これは、圧倒的に「リサーチの時間がとれない」というところに原因があると考えます。
新商品を採用するときに必要な利益計算方法
アンケートの回答の第3位に「利益計算が適切に行えているか不安」というものがありました。
CiLELをご利用いただき仕入れをされている皆様であれば、我々にお支払いいただいている費用が仕入原価の大部分となります。
そのため、この点についてはわたしたちの観点から、「利益計算・原価計算」の方法についてWEBセミナーにて解説することにしました。
来月2025年6月に、開催を予定しておりますので是非ご期待ください。
商品リサーチに関して感じている課題を挙げてください
①リサーチする時間がない 46%
②商品は決まっているが、良い仕入先が見つからない 31%
③探す商品が決まらない 27%
※複数回答あり
リサーチが進まない原因を突き止めるための質問でした。
やはり一番多いものとして、「時間の確保」でした。
EC事業・小売業とすると、商品リサーチ以外にも、出品作業や利益計算、在庫管理、利益管理、カスタマー対応、広告管理、販促活動・・・とやることが山積みです。
なかなか新商品のリサーチに時間が割けないというのは必然なのかもしれません。
新商品リサーチに時間が割けない最大の理由
根深い問題として、「新商品を投入しなくても、今日の売上・今月の売上はそこまで変わらない」ということがあります。
在庫管理を疎かにすると在庫切れによって明日の売上が減ることもあるでしょう。
広告管理を怠れば、売れ筋商品の広告表示が気づかぬ内に止まっていて、売上が減少することもあるでしょう。
カスタマー対応をぞんざいにすると、カスタマーレビューで低評価がついてしまい、以降の売上が下がるかもしれません。
対して、新商品のリサーチは行わなくても、明日の売上は基本的には変わりません。
そのため、新商品のリサーチの優先順位は業務の中でも低いものになってしまいがちです。
ただ、確実に言えるのは、数か月後や1年後の売上には必ず影響が出ます。
売上が長年頭打ちになっているかた、ジリジリと下がってきているかた、もしかすると定期的な新商品リサーチによる商品の改廃が解決策なのかもしれません。
1688AIBUYの活用
「リサーチしても希望の商品が見つからない」「リサーチの時間がとれない」このあたりの解決になりそうなのが、セミナー本編でも紹介した1688AIBUYです。
こちらは、言い換えれば日本語版の1688のサイトで、カテゴリでの絞り込みやキーワード検索が日本語で行えます。
つまり、「アウトドア 椅子」といった日本語での検索が可能です。
「1688にログインができなくなってしまった・・・」といったときにも検索などはできますので、一度お試しください。
また、さらに便利なのが1688AIBUYの Chrome拡張機能 です。
まだ私自身もテスト使用をしている最中なので詳細のご紹介は難しいのですが、Aliprice(アリプライス)のように、WEB上で閲覧している画像(例えばAmazonの商品ページ)の画像をキャプチャし、そのまま1688内で画像検索を行えます。
言い換えると、「今WEBで見ている商品を1688で探してくれる」ということになります。
上図では、Amazonで販売されているケトルベルの商品ページを開いて、画像検索をかけています。
※Blog掲載の都合上、支障の少ない AmazonBasic の商品を例示しております。
そうすると画像検索によって得られた検索結果として、複数の工場の出品が右側にリスト表示されます。
ここから、優良なサプライヤを選ぶわけですが、「どういった基準で良いサプライヤを選べばいいかわからない」というのも課題であると思います。
このAIBUYでは、1688上での販売実績やカスタマーレビューを参考に総合的にどこのサプライヤが推奨かAIがアドバイスしてくれます。
(上図の一番右の赤枠部分)
例えば、中でも返品率が低く、販売数が多いサプライヤである、出荷スピードが速い、などの面からリストの8番の工場を推奨します、といったようなコメントが付きます。
現状はお客様も各商品ページからサプライヤの評価(星の数や評価指標の数値など)を目視して選定していると思いますが、それをAIがパパっとしてくれます。
これはリサーチの時短に効果的であると考えます。
【注意】
現状は我々のほうでもテスト運用をしている段階であり、AIの推奨の正確性については検証の余地があります。
あくまで商品の品質を選定基準とする場合は、テスト仕入にて現物をご確認いただくのが最善策となりますこと、あらかじめご了承ください。
その他寄せられた声について
商品発注周りのご不便について
「発注作業に時間がかかってしまう」「過去の注文履歴の確認がわかりにくい」といったお声を頂戴しております。
商品リサーチなどの時間の確保が難しい中で、貴重なお時間を発注作業に費やすようなこととなり、大変申し訳ございません。
こちらについては、現在CiLEL SYSTEMにおいてお声を反映した改修を進めております。
明確にアップデートの時期をお伝えできないのが心苦しいのですが、今よりも注文や商品の管理、および再発注が効率的に行えるように進めておりますため、しばらくお待ちいただけますと幸いです。
広州エリアの買付ツアーを企画してほしい
貴重なご意見ありがとうございます。
アパレルを取り扱っているお客様にとっては、広州エリアからの仕入れがメインであったり、広州で良いサプライヤや商品を探したい、というご要望もあると思います。
私自身も広州の市場を視察しましたが、確かに魅力的なブランドやサプライヤの出店が多く、実りあるものになる可能性があると感じます。
改めて検討をさせていただきたいと思います。
在庫管理
在庫管理に関するお声も頂戴いたしました。
こちらはすでにWEBセミナーの年間スケジュールにて確定している予定がございます。
現状の予定では、7月に開催を予定しておりますのでご期待くださいませ。
まとめ
この度は、多くのセミナーへのお申込み・ご参加、そしてアンケートのご協力をいただきまして誠にありがとうございました。
アンケートやお声をいただいたままにせず、一つでも多く対応いたしまして、このような場でレポートできるように努めてまいります。
お客様目線でサービスの改善・強化をしていく、進化するサービスの実現を目指してまいります。
引き続きご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
投稿者プロフィール
- 辻 浩之CiLEL マネージャー
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CiLEL(シーレル)で中国輸入に携わって10年。
中国でのOEMのディレクションや現地買付のアテンド、AmazonやECストアでの販売まで幅広く経験。中国輸入のポイントやEC事業に役立つ情報を「分かりやすく」解説します。
★得意領域:貿易・OEM企画・EC・小売・忘年会の司会