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【2025年4月から順次適用】AmazonFBAの各種手数料改定で配送料や保管料はどうなる?

※本記事は2025年1月時点での内容をもとに書かれています。

ECを運営していく中でコストのコントロールは最重要課題のひとつです。
仕入原価を除いた販管費として大きな「送料(配送料)」「保管料(保管費用)」は可能な限り抑えたいところです。

今回Amazonで販売されている方においては重要事項となる、2025年FBA利用に関わる手数料改定について解説いたします。

是非皆さんのコスト計算や利益計算にご活用いただき、ビジネスを拡大いただきたく思います。

改定される手数料

今回2025年の4月以降改定される手数料は下記の通りです。

・配送代行手数料
・在庫保管手数料
・返送/所有権の放棄手数料、梱包サービス手数料
・FBA長期在庫追加手数料(2025年4月15日以降)
・在庫保管追加手数料(2025年5月1日以降)

保管料・配送料がともに改定となるため、FBAを利用されている事業者様は自身の商品の手数料がどのように変わるか確認しておく必要があります。

配送代行手数料の改定ポイント

①一部サイズの配送代行手数料が引き下げ
・2025年4月1日の出荷分から、「価格が1,000円超」で、「標準100サイズ」あるいは「大型80/100/120サイズ」の配送代行手数料が引き下げになります。
※引き続き、価格が1,000円以下の商品に対して、配送代行手数料が1点あたり66円割り引きされるため、伴って1,000円以下の商品も引き下げとなります。

※画像引用元:Amazonセラーセントラル「2025年FBA配送代行手数料の改定(Amazon.co.jp)」

②FBAの利用ができる商品の寸法上限が「260cm以下」から「400cm以下」に拡大 ※2025年6月1日以降

在庫保管手数料の改定ポイント

①服&ファッション小物、シューズ&バッグ以外の商品の大型/特大型サイズの保管手数料が引き下げ

※画像引用元:Amazonセラーセントラル「2025年FBA在庫保管手数料の改定」

返送/所有権の放棄手数料・梱包サービス手数料

①返送/所有権の放棄手数料が引き上げ

②FBA梱包サービス手数料が引き上げ

※画像引用元:Amazonセラーセントラル「2025年FBAの返送/所有権の放棄手数料、FBA梱包サービス手数料の改定(日本)」

FBA長期在庫追加手数料 ※2025年4月15日以降

①保管期間365日を超える在庫に対する長期在庫追加手数料を引き上げ

※画像引用元:Amazonセラーセントラル「2025年FBA長期在庫追加手数料の改定」

在庫保管追加手数料 ※2025年5月1日以降

①「服&ファッション小物、シューズ&バッグ以外の商品」の小型/標準サイズ区分に加え、大型および特大型サイズ区分も対象に拡大

②現在対象となっている商品の追加手数料の引き上げ

これまで適用していなかったカテゴリにも拡大し、基本的に全ての商品が対象となり、既存の対象商品の手数料が引き上げになりました。

※画像引用元:Amazonセラーセントラル「2025年FBA在庫保管手数料の改定」

手数料改定のポイントまとめ

指をさした先にPOINTの文字

有利に働くポイント:配送代行手数料の引き下げ

今回「標準100サイズ」、「大型80/100/120サイズ」の配送代行手数料が引き下げになりますが、比較的中~大サイズの商品の配送料が抑えられることになります。
輸入仕入れのお客様などの場合は、商品のサイズが大きければ国際輸送費もある程度大きかったことを考えると、幾分利益を出しやすくなるという事になります。

有利に働くポイント:FBAが利用できる寸法上限の拡大

これまで260cmサイズが寸法上限でしたが、400cm以下まで利用が可能になりました。
400cm以下となると、下記の様な商材が例として挙げられます。

・セミダブル、ダブルベッドやマットレスなどの寝具
・棚や収納、キャビネットなどの収納インテリア
・ダイニングテーブルなどの組み立て式家具
・デスクなどのオフィス家具

もちろん、伴って配送料や保管料も高い区分にはなりますので、利益計算をしっかりと行った上で出品を検討することをお勧めします。
中国輸入代行のCiLELでは、輸送が心配な家具類も厳重梱包で買付から納品まで行っております。
是非気になった方はお気軽にお問い合わせください。

有利に働くポイント:アパレル系商材以外の大型/特大型サイズの保管手数料の引き下げ

服&ファッション小物、シューズ&バッグ以外の商品の大型/特大型サイズについて、1~9月期は約25%の引き下げ、10~12月期は約10%の引き下げとなります。
保管手数料が割高になりやすい大型・特大型の商品において、FBAを利用しやすくなります。

大型のインテリア雑貨からカー・バイク用品、ペット用品なども扱いやすくなります。

対応が必要なポイント:在庫保管追加手数料の対象拡大・手数料引き上げ

在庫保管追加手数料は、以下に該当する出品者に適用します。

・大口出品者
・在庫保管スペースの使用比率が26週を超える出品者

在庫保管スペースの使用比率は、下記の計算式にて算出されます。

保管されている1日の平均在庫容積 ÷ 1日あたりの平均出荷容積 ÷ 週7日間

いわば、保管されている商品があと何週間で在庫を消化するか、という在庫消化日数を週で表したものと考えられます。

例)

・1日の平均在庫容積:1,000立方メートル
・1日の平均出荷容積:10立方メートル

1,000立方メートル ÷ 10立方メートル ÷ 週7日間 = 約14.3週

そのため、売れ行きが鈍化し保管日数が伸びている商品については、ディスカウントしての在庫の消化や回転を進めたり、状況によっては返送や所有権放棄を進めるなどの対応が求められます。

対応が必要なポイント:FBA長期在庫追加手数料の引き上げ

366日以上保管している者に対しての追加手数料が引き上げとなります。
271日以上保管しているものから適用される長期在庫追加手数料ですが、271日保管したものと366日保管したものでは、追加手数料が2倍以上上がることとなります。

今回引き上げされるのは、保管日数366日以上のものとなりますが、そもそも271日以上での手数料も回避したいところであり、保管日数が長くなってきているものは早期に在庫消化や返送などの対応が求められます。

対応が必要なポイント:返送/所有権の放棄手数料の引き上げ

在庫日数が長くなってきているものや回転率の悪いものを返送/所有権の放棄するなどの対応が必要と申し上げましたが、同時にこの返送や所有権の放棄手数料も引き上げになります。
ここまでを踏まえると、在庫の回転率や死筋商品の早期の見切り(カット)の対応が必要になってきます。

売れ筋商品もいつまでも売れ続けるわけではないこと、新商品などで品揃えの改廃を進めることが商品の販売では求められますが、全ての商品がヒット商品になるわけではありません。
売れ行きの動向に対して一定の基準で改廃させ、売れないものはディスカウントをして現金に換えられれば良いですが、売れ残ったものをいつまでも置いておくと、在庫追加手数料や長期在庫追加手数料など、保管料に更に追加の手数料が積み増ししていくことになります。

そのため、売れないものはスッパリと切り捨て、損切りの観点から返送や所有権の放棄も視野に入れましょう。

また、3月から適用開始となる「FBA在庫クリアランスプログラム」を活用するのもひとつの方法かもしれません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

仕入の際の品代や輸送費などの仕入原価はしっかりと原価計算できていても、配送料や保管費などの販管費はしっかりと計算できていない、という事業者さまの声も聞きます。
4月以降改定となる手数料もプラスに活用できるものもあれば、コスト増を想定して前もって在庫の整理などに動かないといけないものもあります。

是非今一度ご自身の在庫や販売状況のデータベースをご確認いただき、早め早めの対応をお勧めいたします。

また、仕入れ原価を抑える、という面では我々CiLELが提供している「中国からの仕入」というのもひとつの方法です。
中国で仕入れた商品を中国からダイレクトに日本のFBAへ納品する「FBA納品代行サービス」も提供しており、半自動的に中国から仕入れた商品を在庫とすることができます。


投稿者プロフィール

辻 浩之
辻 浩之CiLEL マネージャー
CiLEL(シーレル)で中国輸入に携わって10年。
中国でのOEMのディレクションや現地買付のアテンド、AmazonやECストアでの販売まで幅広く経験。中国輸入のポイントやEC事業に役立つ情報を「分かりやすく」解説します。
★得意領域:貿易・OEM企画・EC・小売・忘年会の司会

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