輸入における「フリータイム」というものをご存じでしょうか?
「フリータイム」とは、船から陸揚げされたコンテナの搬出が猶予される「無料保管期間」のことで、期間が決まっています。
今回は、輸入事業者に必ず知っていただきたいフリータイムについてと、フリータイムを過ぎた場合にどうなるかについて解説します。
輸入の「フリータイム」とは
輸入の「フリータイム」とは、簡単に言えば「無料でコンテナを一時保管してもらえる期間」のことです。
海外の仕入先から日本の港に荷物が到着すると、いったん荷揚げされ、そこから輸入の許可申請等の手続きがあります。
税関から許可が下りてからでないと荷物を引き取れませんので、それまで無料でコンテナを置かせてもらえるのです。
仮に、税関がリアルタイムに確認をしてくれて、数時間以内に許可を出しトラックへの積み込みも流れ作業で出来るのなら、荷揚げしたコンテナを置いておくスペースは不要ですが、そんなわけにもいかないですよね。
なので、一時的なものです。
ある一定の期間を過ぎると有料になります。
手続きの期間を考慮してフリータイムが設けられていますが、コンテナは日々次から次へと運び込まれます。
当然、スペースには限りがありますので、一定期間を過ぎたら早く引き取ってもらうように有料になっています。
後述しますが、この料金がかなり高いので、できる限りフリータイムの間に引き取れるようにしましょう。
フリータイムの日数
フリータイムが一定の期間あると言いましたが、具体的に何日あるのかは実は船会社によって異なります。
細かく言うとコンテナの種類(通常or冷蔵)によっても変わるのですが、ここでは冷蔵コンテナは省いて解説します。
まず、フリータイムの日数はワーキングデイ、つまり営業日ベースで5〜10日です。
土日祝日はカウントされません。
船会社によって日数は異なりますがだいたいこの範囲です。
また、フリータイムの起算日も重要です。
どこの時点からフリータイムが始まるかもルールがあります。
フリータイムを過ぎると有料になりますので、必ず船会社に確認をしておきましょう。
一般的には搬入日の翌日0時を起算日としています。
CFS(混載)の場合は、入港した翌々日に搬入されることが多いので、フリータイムはコンテナより+1日ある計算になります。
荷物をコンテナから下ろして倉庫へ入れる時間を考慮されているものと思いますが、これも船会社等によって変わりますので事前に確認が必要です。
(搬入日を含む船会社もあります。)
「フリータイム」には土日祝日はカウントされませんが、フリータイムを過ぎた場合の延長料金は、土日祝も含めてカウントされていきますのでご注意ください。
フリータイムを過ぎたらどうなる?
フリータイムが過ぎたら有料になりますが、それがどのようにかかって、いくらくらいになるのか解説します。
コンテナのデマレージとディテンション
「デマレージ」とは超過保管料のことで、「ディテンション」とは返却延滞料のことです。
フリータイムの期間内に貨物を引き取れなかった場合には延長料金を支払いますが、単位としては1日いくらで、それが何日間だったかによって料金が決定します。
ジェトロのページから、計算例を引用します。
引用元:ジェトロ コンテナのデマレージとディテンション・チャージとの違い
※上記の表は一例なので、実際の料金は船会社によって異なります。
上記の表をに当てはめると、20’フィートのドライコンテナでフリー期間を2日超えた場合、延長料金が1日3,000円なので2日で6,000円となります。
1~4日で3,000円とありますが、これは1~4日の4日間で3,000円ではなく1~4日は1日当たり3,000円と言う意味です。
5日目になると金額が上がりますから、20’フィートのドライコンテナでフリー期間を5日超えた場合、4日目までの12,000円と5日目の6,000円で、計18,000円がかかることになります。
このように延長する期間やコンテナの種類によって料金が大きく変わります。
フリータイムを延長したいときは
基本的にはフリータイムの期間中に荷物を引き取ることが望ましいのですが、納入先の事情によっては、あえて延長料金を支払っても調整したほうが良い場合もあります。
通関業者に手続きを依頼している場合がほとんどだと思いますので、通関業者の担当者に「フリータイムの延長」をしたい旨を連絡すればOKです。
なお、延長をした場合、料金を支払うまでは荷物を引き取れませんのでご注意ください。
最後に
輸入には「フリータイム」という無料で港(倉庫)にコンテナを置いておける期間があります。
その間に手続き等を済ませ荷物を引き取れば料金は発生しません。
輸入手続きに不備が多かったり、情報が不足しているなどのゴタゴタがあると、余計な時間を発生させ、余分な支出が増えます。
これは原価に直結しますので、普段から手続きを円滑進められるように、事前の準備と通関業者とのコミュニケーションを密にしておくことが大事です。
無駄なく輸入をするために「フリータイムと延長料金」の存在と内容を覚えておきましょう。
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