中国輸入ビジネスを始めようと情報収集を始めると、「どうやら輸入できないものがたくさんあるらしい」ということがわかってきます。
もしくは、実際に仕入れをする段階で「この商品は輸入して大丈夫なのか?」と不安になることもあるでしょう。
この記事では、2011年から中国輸入代行をおこなってきたCiLELが、中国輸入規制品・中国輸入禁止品について、中国輸入ビジネス実践者に必要な情報を選りすぐってお伝えします。
ぜひ目次から気になる商品類をチェックしてください。
見出しに表記している商品類で注記のないものは、すべて何らかの規制があります。
これから中国仕入れをしようと考えている方は、輸入代行業者を利用するのがおすすめです。
輸入代行業者は輸入のプロなので、スムーズな輸入仕入れができますし、困ったときも頼りになります。
『おすすめ中国輸入代行業者12選と選び方のポイント』
目次
Toggle中国輸入規制品と中国輸入禁止品の違い
「規制」と「禁止」の違いとは?
最初に、中国輸入の「規制」と「禁止」の違いを理解しておきましょう。
まず「禁止」とは、中国からに限らず、日本国内に輸入すること自体が許されないものです。
麻薬・児童ポルノ・銃器・兵器など、常識的に考えて「これはダメでしょう」と判断できるものもありますが、「え、これが?」と感じるものもあるかもしれません。
輸入禁止の品はいかなる理由があろうとも輸入できませんので、税関のページを一読しておきましょう。
税関:輸出入禁止・規制品目
対して「規制」は、輸入自体は可能ですが、一定の条件をクリアすることが必要です。
どの法律で規制されているかによって必要な手続きや申請などは異なります。
規制のある商品を輸入したい場合は、該当する法律について念入りに確認し、しかるべき手順を踏んでください。
中国輸入ビジネスでよくある「輸入したい商品に規制がある!」という場合については、このあと詳しくご説明します。
輸入できても販売規制がある商品に注意
中国輸入ビジネスは、輸入で仕入れた商品を日本国内で販売します。
輸入には規制がなくても、販売に規制のある商品もありますので、この記事では販売に規制のある商品もあわせてご紹介していきます。
販売に規制のある商品については、適切な手続きを踏めば販売できますが、個人で申請などをおこなうのが難しい場合もありますので注意が必要です。
通関時に何が起こるかは予測できない
具体的な輸入規制品の話に入る前に、通関についても触れておきます。
通関(つうかん)とは、貿易において貨物を輸入及び輸出をしようとする者が、税関官署に対して、貨物の品名、種類、数量、価格などに関する事項を申告し、必要な検査を受けた後に、輸入の場合は関税など必要な税金を納付させ、税関から輸出入の許可を受ける手続き。
出典:Wikipedia
たとえ中国からの輸入・日本での販売の両方に規制がない商品であっても、何らかの原因で通関に時間がかかる、もしくは通関できないという可能性はゼロではありません。
輸入には予測不能なトラブルも起こりえることを頭の片隅に置いていただき、そのうえで正しく安全な輸入をおこないましょう。
中国からの輸入が規制~食品衛生法~
ここからは、具体的な商品例を挙げながら、輸入や販売の規制についてご説明していきます。
食器・調理器具など食品の触れるもの
食品が直接触れる可能性のあるものは、すべて規制対象だと認識しておくと良いでしょう。
食器、調理器具、キッチン家電等は食品衛生法の定める「器具」に該当し、販売などの営業用に輸入する場合、輸入届出の手続きが必要となり、
具体的には、皿・スプーン・まな板・水筒・食品トレーなど、さまざまなものが規制の対象となっています。
食品用器具を輸入したい場合は、食品衛生法に基づく輸入届出関係の書類を準備し、検疫所に輸入届出をする必要があります。
おもちゃ(玩具)
おもちゃは、乳幼児(6歳未満)が口にする可能性があることから、食品衛生法による規制があります。
あくまでも”乳幼児が口にする可能性のあるもの”について安全性を確保することが目的ですから、すべてのおもちゃが規制対象となるわけではありません。
おしゃぶりやラッパのおもちゃなど、直接口にして遊ぶおもちゃはわかりやすいですが、「口にする可能性がある」ことから、粘土や積み木も規制の対象です。
折り紙・ボール・おめん・風船・人形・ままごと用具なども規制対象となっています。
おもちゃを輸入したい場合は、規制対象になっていないかどうかを必ず確認してください。
指定おもちゃを販売目的で輸入する場合、厚生労働省への届出が義務づけられています。
なお、おもちゃについては、食品衛生法の規制対象とならなくとも電気用品安全法(PSE法)や電波法によって規制対象となるものもあります。
中国からの輸入も日本での販売も規制~電気用品安全法(PSE法)~
家電製品
電気用品は火災などの重大事故につながる恐れがあるため、特にコンセントのある商品の輸入はおすすめしません。
日本国内で販売される電気用品は、その安全性を確保するために、電気用品安全法により輸入・販売ともに規制がされています。
規制対象となるのは、電線・ヒューズ・配線器具・変圧器・電熱器具・電気で動く機械器具など約460品目に及びます。
詳細は下記をご確認ください。
参考:【特定電気用品(ひし形PSEマーク)116品目】
参考:【特定電気用品以外の電気用品(丸形PSEマーク)341品目】
電気用品安全法で指定されている電気用品を輸入・販売する際のポイントは下記2点です。
1.経済産業省への届け出義務
事業開始から30日以内に、電気用品を輸入する事業者であることを経済産業大臣(経済産業局)に届け出る義務があります。
2.PSEマークの表示
輸入する電気用品は経済産業省の定める規格基準に適合している必要があり、基準に適合していることを示すためにPSEマークの表示が必要です。
「PSEマーク」には2種類あります。
ひし形にPSEが表示されたもの(上図、左側)は第三者による認証が必要です。
(国の登録検査機関による適合性検査に合格し、適合性証明書の交付を受けます。)
丸型にPSEが表示されたもの(上図、右側)は第三者による認証は不要ですが、自主検査が必要です。
家電製品の輸入手続きおよび販売時の規制については、下記ジェトロのQ&Aもご確認ください。
ジェトロ:家電製品の輸入手続き
リチウムイオン蓄電池(条件付きで輸入可)
リチウムイオン蓄電池は、発煙・発熱により大きな事故につながる恐れがあるため、電気用品安全法の規制対象になっていると同時に、危険物としての輸送規制もあります。
よって、リチウムイオン蓄電池を中国から輸入することはできません。
2023年2月より、条件はございますがCiLELでの輸入代行が可能になりました。
詳細はCiLELまでご相談ください。
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CiLELに相談する
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電池全般の輸入については下記ジェトロのQ&Aをご確認ください。
ジェトロ:電池の輸入手続き
ちなみに、マンガン乾電池・アルカリ乾電池などは電気用品安全法の規制対象ではありません。
中国からの輸入も日本での販売も規制~医薬品医療機器等法(薬機法)~
医薬品、医療機器
医薬品とは、いわゆる薬です。
医療機器とは、病気を診断・治療・予防することを目的とした機械器具等のことです。
医療機器にはメス・ピンセット・補聴器・コンタクトレンズ・ペースメーカーなどが該当します。
医薬品や医療機器を輸入・販売するには、「製造販売業」の許可と「製造業」の許可が必要です。
また、取り扱う商品によっては「製造販売商品」(認証)の取得と届出も必要です。
医薬品や医療機器は人の健康に直結しますから、輸入・販売をするのはとても難易度が高いです。
ちなみに、老眼鏡は度が入ってるとNGですが、フレームだけなら規制の対象ではありません。
健康器具、美容機器、美容雑貨
薬機法に関して注意しなければならないのは、マッサージチェアやトレーニングマシンなど、医療機器かどうかの判断に迷う商品です。
マッサージチェアは医療機器に該当します。
トレーニングマシンは医療機器に該当しません。
身体になんらかの効能効果があるものは医療機器に該当するという前提で、安易に輸入しないようにしましょう。
個々の判断については、各都道府県の薬務所管課にお問い合わせください。
参考:都道府県薬務主管部(局)相談窓口一覧
化粧品(せっけんを含む)
化粧品も薬機法の対象です。
よって、取り扱いには各種届出や許可が必要となるため、輸入ビジネスの商材として扱うのは難しいです。
スキンケア化粧品・メークアップ化粧品・浴用せっけん・シャンプー・リンス・歯磨き粉等が化粧品に該当します。
日本での販売が規制(中国からの輸入規制なし)~電波法~
電波法で規制されるのは「無線通信を使用する製品」です。
輸入に規制はないので簡単に輸入できますが、日本国内で販売するには技術基準適合証明(通称:技適)を取得している必要があります。
Bluetooth搭載製品
Bluetooth搭載製品は電波法の対象です。
中国から輸入したBluetooth搭載製品を日本で使用する際には技術基準適合証明(通称:技適)が必要で、技適は製造メーカーが取得するのが大前提となっているため、輸入者が取得するのは困難です。
つまり、Bluetooth搭載製品を輸入ビジネスの商材として取り扱うのは、非常に難易度が高いです。
微弱無線搭載製品(ドアホン、トランシーバーなど)
電波を使用して通信するものはすべて電波法の規制対象になります。
下に記載した商品はすべて微弱無線が搭載されています。
つまり、規制の対象です。
ドアホン・インターホン・ワイヤレススピーカー・ワイヤレスヘッドフォン・トランシーバー・ラジコン・盗難警報器・ベビーカメラなど
ドローン
ドローンにも無線通信が利用されています。
これまでにご紹介した商品と同様、販売の際には技適マークが必要となります。
「ドローンの規制」と聞くと、操縦する際の免許や資格、操作環境(航空法)のことを連想する方が多いと思いますが、輸入・販売したい場合は電波法に違反しないかをしっかり確認しましょう。
ちなみに赤外線センサー搭載製品は規制対象外
赤外線センサーも、電波法の規制対象です。
※一時、「赤外線センサーも電波法の規制対象」と記載されていましたが、正しくは「赤外線センサーは電波法の規制対象外」です。お詫びして訂正いたします。
赤外線センサーは温度を感知できるため、防犯用の器具によく使用されています。
サーモグラフィーが撮影できるカメラなども、赤外線センサーを使用しています。
具体的には、防犯カメラ・侵入検知システム・サーモグラフィカメラ等に搭載されています。
輸入に注意が必要なもの
銃器類・危険物に似たもの
実際の銃器類(拳銃・機関銃・刃物・爆発物等)を輸入することが禁止なのは言わずもがなですが、注意しなければいけないのは「銃器類に間違われやすいもの」も輸入時にトラブルになりやすいということです。
冒頭で通関について少し触れましたが、たとえば「銃の形をしている」という理由で、通関で止められることもあります。
法律に違反していなくとも輸入でトラブルになりやすいものがあるので、心配な場合は税関やジェトロに確認するなど、トラブルを未然に防ぐようにしましょう。
ブランド品(意匠権・商標件・著作権など)
意匠権・商標件・著作権などを侵害するものは関税法により輸入が禁止されていますが、注意しなければならないのは「知らずに輸入してしまう」場合です。
著作権などを侵害する商品を知らずに販売してしまった場合、すべての責任は販売者にあるとみなされます。
「知らなかった」という言い訳は通用しません。
訴えられる可能性もありますし、販売アカウントが停止になることもあります。
ロゴらしきものがついている場合は、商標検索サイトを利用して検索することができます。
参考:J-PlatPat
液体・粉末状のものが含まれる商品
液体には危険性の高いものや可燃性のあるものも多く、空輸はできません。
旅客機への液体持ち込みが制限されるのと同じ理由です。
プリンターのインクカートリッジやボールペンのインクなども液体なので、誤って輸入しないように注意してください。
液体だからダメだというわけではありませんが、液体状の商品はさまざまな法律で規制がかかっている場合も多いです。
輸入したい商品がある場合は、購買手続きをする前に輸入の可否を確認しましょう。
粉末状のものが含まれる商品も、何らかの法律で規制対象になっている場合が多いです。
こちらも輸入したい商品がある場合は、事前に輸入の可否を確認しましょう。
すでに輸入代行業者を利用している場合は、輸入代行業者に問い合わせても良いですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事でご紹介したのは「中国輸入ビジネスをおこなう上で抑えておきたい輸入規制の話」なので、すべての規制について網羅できているわけではありません。
しかし、ここでご紹介した商品類について規制があることを覚えておけば、輸入規制のある商品を輸入してしまってトラブルに…という事態は避けられると思います。
輸入・販売ともに規制のない商品の方が圧倒的に多いですから、はじめのうちはリスクのある商品の輸入はしないのがおすすめです。
「規制にひっかかるのは嫌だけど、こんなの全部覚えられない…」という方には、CiLEL(シーレル)が随時開催している“超”実践型商品リサーチ講座「manable(マナベル)」にご参加ください。
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