この記事では、輸入ビジネスで必ず出会うであろう専門用語について解説しています。
中国輸入ビジネスは副業としても人気ですが、やっていることは「輸入」なので、大きく括ると「貿易」となります。
ですが、「貿易」は普段の生活の中ではなかか触れる機会がありませんよね。
ここでは、輸入ビジネス(貿易)に関する専門用語をお伝えしますが、あえて簡単な説明に留めます。
まずは、こういう言葉があってそれが何を意味するのか、くらいを把握していただければと思います。
ビジネスで必要な知識となりますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
Toggle輸入ビジネスの書類に関する専門用語
まずは書類に関する専門用語について説明します。
アライバルノーティス(Arrival Notice)
アライバルノーティスとは、到着通知書のことです。
輸入港に荷物が到着した(または到着の予定)を通知する書類です。
だいたい、荷物の到着の1~2日前に通知されます。
コマーシャルインボイス(Commercial Invoice)
単に「インボイス」と言うこともあります。
貿易で一般的にインボイスと呼ばれるのは、このコマーシャルインボイスを指します。
荷物がどんなもので、いくらで取引されたのかが記載されています。
税関ではこの書類を元に、検査の要否、関税、地方消費税額の算出を行います。
もし事実と異なる場合、通関が保留になったり出荷元に返送される場合もあります。
プロフォーマインボイス(Proforma Invoice)
プロフォーマインボイスは、国内取引でいう見積書にあたるものです。
「Quotation」と表記される場合もあります。
これは、輸出者から輸入者に提示される書類です。
通関に使用されるものではありません。
通関はコマーシャルインボイスを使います。
ただし、コマーシャルインボイスに間違いなどがあった場合、内容の証明にプロフォーマインボイスが使われる事があります。
B/L(Bill of Lading)
B/Lは船荷証券のことを指します。
輸出国側で船会社に荷物を預けた際に発行される書類です。
これが無いと輸入した荷物を受け取ることができませんので「商品との引換券(有価証券)」と言えます。
通常は3通発行されます。
ノーティファイ パーティ(Notify Party)
ノーティファイ パーティはB/Lに記載されている項目で、貨物の到着を知らせる先です。
C/O(Certificate of Origin)
C/O(Certificate of Origin)は原産地証明書のことです。
参考:税関 原産地規則ポータル
L/G(Letter of Guarantee)
L/Gは保証状の意味です。
例えば、書類が到着する前に貨物が到着してしまいB/Lの原本がないのに荷物を引取りたい場合に、銀行で作成してもらい、船会社へ差し入れることで荷物を引き取れるようになります。
D/O(Delivery Order)
D/Oは荷物の引き渡しをオペレータに指示する書類です。
流れとしては、輸入者のB/Lを船会社に提出⇒D/Oを受け取る⇒D/Oを船会社の倉庫(CY、CFS)等に提示⇒荷物を引き取る、となります。
サレンダー(surrender)
サレンダードB/Lとも言います。
オリジナルB/Lではなく、メールやFAXで書類を受け取っても輸入者が貨物が引き取れる方法のことです。
通常荷物の引き取りの際にはオリジナルB/L(B/Lの原本)が必要となります。
しかし、荷物の到着が早かったり、輸出側のB/L送付が遅れたなど、引き取りの際にオリジナルB/Lが無い場合に利用されます。
荷物の引き取りが大幅に時間短縮できますが、法律や条約等で規定されたものではないため、問題が起こった場合は解決にトラブルが生じやすくなります。
輸入ビジネスの請求に関する専門用語
次に、請求に関する用語の説明です。
YAS (Yen Appreciation Surcharge)
YASは円高損失補填のことです。
急激な円高による損失を補填する割増料金です。
指定された期間の平均為替相場が1ドル(US$) 120円を超えた場合に課金されます。
BAF(Bunker Adjustment Factor)
BAFは燃料(重油)価格の変動に対して調整される割り増し料金です。
EBS(Emergency Bunker Surcharge)
BAFとは別に、原油高騰に伴う燃料費リスクを荷主に負担してもらう緊急燃料費割増し料金です。
BAFとEBSを二重に課金する場合もあります。
アライバルノーティスという書類に記載があります。
YAS以外は基準もあいまいな部分がありますが、実際にはそのまま支払うしかありません。
CAF(Currency Adjustment Factor)
CAFは為替割増料です。
通貨変動による為替差損益を調整する金額のことで、一般的に基本運賃(ベースレート)に対する割合(%)で価格が決められます。
同じようなものにYASがあり、東南アジア航路に使われます。
フレイト・チャージ(Freight Charge)
フレイト・チャージとは、海上運賃のことです。
オール イン フレイト(All in Freight)とは、 ベース フレイト(Base Freight:基本料)の他に、CAF・BAF等の全てを含んだ海上運賃のことです。
D/O FEE(Delivery Order Fee)
D/O FEEは、船会社が貨物の引き渡しをオペレータに指示する書類の代金のことです。
ディーオーフィーと読みます。
CYチャージ(Container Yard Charge)
CYチャージは、アライバルノーティスに記載の手数料です。
日本側の港でコンテナを移動させた時に発生します。
THCとも表記されることがあります。
T/T(Telegraphic Transfer Remittance)
T/Tは銀行振り込みです。
ポピュラーな送金方法です。
ただし相手方の口座に直接送金しますので、最悪の場合の持ち逃げされる可能性もあります。
安全に送金したい場合は、次の「L/C」を利用しましょう。
L/C(Letter of Credit)
L/Cは、取引・支払いの間に銀行を入れて決済する方法です。
銀行が発行する「信用状(L/C)」を使って取引を行います(信用状取引)。
輸出者(売り手)、輸入者(買い手)双方のリスクを回避し、円滑に取引を進めるために利用されています。
為替予約
為替予約は、外貨両替する際に将来の為替変動リスク対策として、銀行と取り決めた(予約した)決済相場で為替レートを確定することです。
ディスクレ(discrepancy)
信用状取引(L/C)のときに、信用状の情報と貿易書類が不一致ということです。
デスクレとも言います。
不一致を意味するディスクレパンシー (discrepancy) の略です。
補足
輸入ビジネスに関係する専門用語は、普段の生活では聞き慣れないものばかりです。
習慣や感覚の違う外国との取引を円滑に進めるための仕組みですので、内容も多少複雑に感じるかもしれません。
しかし、やっていることは国内での仕入れや輸送と大差がありません。
輸入の場合、安全に円滑に進めるにはそれぞれの工程に確認と証明が必要なため、専門的なことが出てくるだけです。
ひとつひとつ理解していきましょう。
第二弾はこちらから
投稿者プロフィール
- cilel_admin