Amazonで2025年3月1日から有効となる「FBA在庫クリアランスプログラム」
新しい試みとなるプログラムですが、活用次第では在庫の保管コストの削減にもつながるため、プログラムの概要も含めて解説したいと思います。
なお本記事の内容は更新日時時点での情報となりますため、最新の情報はAmazonセラーセントラルにてご確認いただくことをお勧めいたします。
目次
Toggleプログラム概要
対象となる商品
・余剰在庫
・購入者から返品された在庫
対象とならないもの
・FBA禁止商品
┗例:日本の規格および法律を満たしていない商品 など
・賞味期限、消費期限の過ぎているFBA商品
・夏季制限品
┗例:チョコレート・チョコレート菓子
・危険物
・出品許可が必要なカテゴリーと商品
・出品が許可されていない制限対象商品
・販売不可在庫の中の、不良品・倉庫での破損が理由の商品
プログラムでできること
対象となる商品の在庫について、「清算人」に購入してもらうことで在庫コストの一部を「純回収金額」として回収することができる。
純回収金額は、Amazonでの平均FBA販売価格と、特定のASINの販売履歴を考慮して算定されますが、通常は商品価格の5~10%相当(※)であり、そこからAmazonの手数料を差し引いた金額が、依頼の送信から90日以内に出品者に支払われます。
※純回収金額について、商品価格の5~10%相当であることについて、Amazonでは金額を保証していません。
依頼方法
在庫健全化ツールページあるいは、返送推奨レポートから、「返送/所有権の放棄依頼」を作成し、清算する在庫を申請します。
詳しくはセラーセントラル内に手順の記載がありますのでご参考下さい。
FBA在庫クリアランスプログラム(セラーセントラルログイン必要)
買い取られた在庫はどうなる?
在庫を買い取る「清算人」は、Amazonと契約を結んでおり、買い取った商品を再販します。
ただ、競合とならないようAmazonで直接再販することはできない、となっており、他の販売チャネルや実店舗などで再販をするようです。
このプログラムをどのように活用すればよいか
在庫コストの削減
現在、FBAを利用する中で発生する在庫に関わるコストとして、「在庫保管手数料」「在庫保管追加手数料」「長期在庫追加手数料」などがあります。
基本的には長く保管すればするほど、コストが積み重なっていきますが、商品の仕入を行う際、原価として保管費用を考慮していない事業者様も見受けられます。
また、原価として考慮していたとしても、3カ月分の保管料で想定していたが、売れ行きが不調であることから6カ月保管してしまっている、といった想定以上のコストがついついかかってしまいがちなのが在庫コストや保管料です。
不良在庫となってしまった製品は、「置いておけば、いつか売れるはず」と考えがちですが、売れるまでの間、毎月コストが積み重なっていっていることに気づきにくく、気づかず赤字となっていることもしばしばあります。
そのため、定期的に商品の売れ行きと在庫を確認し、売れ行き不調などで保管期間の長くなってしまった商品は品揃えから外す「死筋商品のカット」を行うことをお勧めいたします。
死筋商品のカットを行うことで、不良在庫の保管料が軽減され、不要なコストで利益を圧迫することを回避することができます。
死筋商品のカットの方法
通常であれば、
・ディスカウントして販売して原価分を回収する
・廃棄してこれ以上保管料がかさむことを回避する(損切り)
といった方法がありますが、今回の在庫クリアランスプログラムは、この2種類の手法の間をとったようなものになります。
ディスカウントして販売して、原価分を回収できれば一番良いのですが、もともと売れていなかった商品がディスカウントして急に売れ行きが上がるとは限りません。
ディスカウントしても売れずに保管料が引き続き発生してしまう、というリスクがあります。
また、廃棄して保管料がこれ以上かからないようにする場合も、仕入れにかかった仕入れ原価はそのまま損失となってしまいます。
今回のプログラムでは、販売価格の5~10%相当額が戻ってくる可能性があります。(Amazon手数料を除く)
もし原価率40%の商品であれば、仕入れ原価の4分の1が返ってくる可能性がありますので、そういった意味でも活用の方法はありそうです。
実際に在庫の売却申請を上げると、該当の在庫分は保管量から控除されるため、在庫保管許容量にゆとりを作ることもでき、より回転のいい売れ筋商品の在庫を積み増して機会損失を防ぐことに繋げることもできます。
まとめ
FBA在庫クリアランスプログラムについて、いかがでしたでしょうか。
開始時期は2025/3/1となり、春夏商材への切り替えのタイミングにもあたります。
秋冬ものをしっかりと2月で在庫消化へと進めて、3月の新生活商材、春夏商材の売上最大化を狙っていきましょう。