中国輸入ビジネスを続けていく際に避けては通れないのが、中国の長期休みです。中国にも日本と同様に祝祭日があり、その期間はショップや工場はもちろんのこと物流業者や貿易関係の業者等、関係各所が一斉に休みに入ります。一部、動いている場合もありますが、基本的には人員不足などで平常時と同じような業務は出来ず、納期が遅れます。中国の長期休みは1回ではなく複数回あり、最大で2週間程度休んでしまうというところもあります。その為、中国輸入ビジネスを行っている人にとっては、この時期をどう乗り切るかが非常に重要な課題となっています。
目次
Toggle●在庫調整は売上の生命線
長期の休みがあると中国国内で輸出入に関係する各所が休みとなり物流が滞ります。それは、日本に商品が入ってこないことを意味しますので、当然ながら中国輸入ビジネスをしている人にとっては、
商品が入ってこない⇒売るものが無い⇒売上が立たない
という悪循環に陥ります。
それならばと、長期休みの前に普段の何倍もの在庫を積んでおけば良いかというと、そういう訳にもいきません。過剰な在庫を持てばそれだけお金も出ていくので、キャッシュフロー(資金繰り)にも影響が出ます。通常通りでは「在庫切れを起こす=機会損失を発生させる」ことになり、逆に多すぎると「資金繰りに影響が出る」という非常に難しい舵取りをしなければいけません。逆説的ですが、在庫が無ければ売上は作れませんので、目指す状態としては「いかに長期休みをギリギリの在庫で乗り切るか」ということです。
では、具体的にどうやってこの「ギリギリの在庫」を持つのでしょうか。簡単に言ってしまえば、通常売れている期間を1として販売数量が10の場合、長期休みで商品が入ってくる期間が2倍になるのであれば、長期休みに入る前に20の在庫があれば、単純計算ですが長期休みをギリギリの在庫で乗り切れることになります。問題は、
「通常売れている期間を1として販売数量10」
これをどうやって調べるかということです。
Amazonから送られてくるFBA出荷のメールで発送された商品数をカウントして…ということは時間の無駄ですし、現実的ではありません。
●ギリギリの在庫の持ち方
そこで、見るのがAmazonセラーセントラルの「注文」です。セラーセントラルの上部にある注文タブから注文一覧画面に入ります。そのページの右上にある検索ボックスで、プルダウンから「ASIN」を選択し、調べたい商品のASINを入れてください。次に、その下にあるフィルタの項目で期間を「過去90日」にします。
これで、そのASINが過去90日で売れた数量がわかります。この時に注意しなければならないのは、検索結果で左に出てくる件数は、「注文件数」であって、「販売個数」ではないということです。つまり、5件の注文があって、そのうち1人が3個注文していたら、件数は5件と出ていますが、実際の販売個数は7個ということになります。数量は注文ごとに表示されていますので、数えればOKです。その合計数量が3か月間の販売個数となりますのでそれを3で割って平均を出します。
但し、季節要因などもありますので、単純に30日で出すのは少し危険です。あとは、その数量が30日間の販売予測ですので、長期休みで納期が2倍になりそうなら、その倍数を長期休み前に持てばOKです。調整は必要ですが基準となる数値はこれで出すことができます。
最後に
もし、同じ商品を昨年も販売しているならフィルタのプルダウンで「日付範囲を調整する」を選び、昨年同時期(長期休み期間をはさみ前後1ヶ月)の販売数量を見てください。より正確な必要在庫数がわかるはずです。参考までに中国の休みカレンダーをお知らせします。これで見ると直近では4月6月に連休があり、10月には非常に長期の休みがあります。これらの事前情報を元に、長期休みで在庫切れを起こさないように調整を行ってください。
投稿者プロフィール
- 梅田 潤
- 合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)
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