中国輸入ビジネスで扱う商品は基本的に「ノーブランド」です。
だから商品を探す時もよく見る・知っているブランドが出しているような商品ではないものを確認して選びます。
そうするのはもちろんコピー品を仕入れないようにするためです。
もし仕入れてしまったら税関で廃棄されたりする可能性もありますし、たまたま輸入できたとしてもその商品を販売することは犯罪であり、最悪の場合捕まってしまうことがあるということを知っているからです。
しかし、気を付けていても、コピー品を仕入れてしまうことがあるのです。
今回は、そのようにダメだと分かっていてもコピー品を仕入れてしまうふたつの落とし穴について、説明しましょう。
目次
Toggleブランドのコピー品という落とし穴
基本的には、他のブランドの商品ではないかということを、ロゴや柄デザインに注意をして探して、大丈夫だろうという商品を見つけて自社商品を作ろうとします。
しかし、そうした場合はロット(最低発注数)があり、商品をたくさん作らないといけないとなると、リスクがとても大きくなります。
なので、初めは中国にある既存の商品を輸入しそれにオリジナルタグやケースを用意することで自分のブランドとして販売することになります。
その方がリスクが少ないので、将来的に自社商品を作る前の段階としてはこういうケースが多々あります。
そうやって自分のオリジナル商品として展開をしていきます。
ですが、中国は言わずと知れたコピー品大国でありながら世界の工場と言われるほど世界中の商品を作っています。
ということは、中国には世界中のブランドのコピー品があります。
ここにひとつの落とし穴があります。
世界中のブランドは知りようがない
あなたは、日本にあるブランドをすべて知っていますか?
または、日本にあるアメリカのブランドはどうでしょうか?
私たちのブランドに対する知識はたかが知れています。
世界はおろか、日本にあるブランドですら全部を知ることはできません。
たとえば、「アパレル」にしても男性・女性・子供・価格帯・志向やスタイルなど多岐に分かれますので、一口にアパレルといってもブランドの数は分かりません。
コピー品であるか調べる
では、ブランドを調べられないからといって、ブランドではなさそうな中国で見つけた商品をそのまま輸入していいのでしょうか。
当然そんなことはありません。
それがどこかのブランドのコピー品であるかどうかを調べなければならないのです。
その方法の1つとしてロゴを調べるという方法があります。
ロゴやタグがないかチェック
大抵の場合商品には、そのブランドの名前やロゴが入っているのでその商品に入っている名前を調べればその商品がブランドであるかどうかが分かります。
これは、いろんな商品に共通していることなのですが、ロゴの刻印が入っている場合もあればタグ等に記載されている場合もあります。
いずれにせよ、その商品がどこのブランドであるかということは、商品を見ればわかるようになっているパターンが多くあります。
だから、仕入れようとしている商品をよく見てロゴやタグがないかを徹底的にチェックしGoogleなどで調べれば、中国からブランドを仕入れてくる確率をかなりの割合で下げることができます。
立体デザイン等の形状も「ブランド」に含まれる
先ほどブランドの調べ方としてロゴやタグを見るという方法をお伝えしました。
が、中国でコピー品を作っている業者もその辺の対策をしているためなのかわかりませんが、タグとか刻印をしていない商品なのにブランドの商品と酷似している場合があります。
それなら「名前やタグがないのでコピー品じゃない」かというと、そんなことはありません。
ブランドは名前だけではなくそのブランド独特の柄やデザインも重要な要素です。
タグやロゴがなくてもコピー品となってしまう商品
ですから、中国の製品にブランドのタグやロゴがなかったとしても、デザイン的にブランドのコピー品となってしまうような商品はたくさんあります。
有名なところでは、コカ・コーラの瓶やエルメスのバーキンも形が商標で守られていますので、いくら違う名前を付けたり名前をなくしたとしても、エルメスのバーキンと同じ形の商品は作ったり売ったりすることはできません。
ですが、すべての商品が形状まで保護されているわけではないので、中国で見かけていいなと思った商品が、実は有名ブランドの商品と酷似するデザインだったりします。
ボッテガ・ヴェネタの例
次の商品を見てください。
画像引用元:Amazon
これはボッテガ・ヴェネタというブランドの商品です。
この商品のデザインに酷似した商品のページが下の画像です。
似ていますよね。
この2つの商品ページの画像を見比べても、見た目がほぼ同じであるというのがわかっていただけると思います。
わずかに違っているのは、チャックの持ち手のところくらいで全体的なデザインはほぼ同じです。
この網目状のデザインはボッテガ・ヴェネタの非常に特徴的なデザインです。
なので、この安いほうの商品はコピー品であると言われても仕方がないようなデザインをしています。
ボッテガ・ヴェネタがこの商品に対してコピー品である訴えをしているのかどうかは分かりませんが、仮に訴えた場合ほぼ100%の確率でコピー品と認定されると思います。
そう言い切れるほど酷似をしているのです。
知らなくても「ブランド」は「ブランド」
先ほど、コカ・コーラ、エルメス、ボッテガ・ヴェネタを例に挙げましたが、このあたりまでは知っている人も多いかもしれません。
百貨店などにも入っていますし、有名人が持っていたりCMをやっていたりと認知度があります。
しかし「クリスチャン ルブタン」と言われて「あぁ、あの〇〇が特徴のブランドだよね」と言える人はどれくらいいるでしょうか。
クリスチャン ルブタンの例
クリスチャン ルブタンはファッションブランドのひとつですが、エルメスやボッテガ・ヴェネタより知名度は低いでしょう。
商品的にも持つ人を選びそうな、かなり特徴的なものです。
画像引用元:Amazon
特徴的なデザインですね。
こちらの商品についても、現在は確認できなくなってしまいましたが、かつて酷似した商品ページがありました。
名前だけではなくデザインもブランド
先ほどのボッテガ・ヴェネタもクリスチャン ルブタンも商品にロゴの刻印がありません。
これらは、デザインそのものがブランドで、ボッテガ・ヴェネタは編み込みの手の込んだ財布、クリスチャン ルブタンはスタッズの付いたちょっとロックな感じの財布ですが、もし、それを知らなければ輸入してしまうことも十分あり得る商品です。
もし、中国のサイトに「ボッテガ風」とか「ルブタンタイプ」みたいに記載があれば立ち止まったかもしれませんが、なければ完全にスルーしてしまうでしょう。
ブランドは名前だけではなくデザインもブランドなんだということを知っておいてください。
知られてなければ売ってしまえの精神は「ダメ。ゼッタイ。」
ここでは、ふたつめの落とし穴の話をします。
「ECHT」というブランドをしっていますか?
参考:ECHT
オーストラリアのブランドなのですが、このブランドの商品について、日本に正規店や代理店がないからといって、第三者が自分のブランドの商品として展開してしまっているのです。
具体的な商品ページをご紹介することはできませんが、「ページのブランド名は自社ブランドだけど、商品にはその海外のブランドの名前が付いている」という状態です。
ブランドの“乗っ取り”
他人のふんどしで相撲を取るというか、もはや乗っ取りに近いようなことをやっています。
(乗っ取りと言えるかというのも微妙ですが…)
「このブランドは日本にはそうそう入ってこないだろう、だから大丈夫!」とするのはどうかと思います。
それに、ブランドというものは必ずしも全世界で展開していることはなく、特定の国や地域でのみ知られているブランドも多くあります。
「バレなければいい」ではない
ですので、日本に正規や代理店がない場合もざらにあります。
が、仮にそうだとしても、他人のブランドを勝手に使いしかも自分のブランドとしては売るのは、もはやそこはモラルの問題です。
バレなければいいだろうの精神なので、商売人として最悪のマインドです。
このコラムの読者の方にはいないと思いたいですが、もし万が一そんな考えの人がいたら、即刻中国輸入ビジネスを辞めていただきたいくらいです。
ブランド(名前や形状を含む)は自分で作れ
中国輸入では、商品にブランドらしきもの(ロゴやシンボル)があればとことん調べて間違いがないか確認することがものすごく重要です。
商品のかたちも画像検索などで他に類似・酷似するようなものがないか確認できます。
長く、安定的に売っていくにはこうした確認が大事です。
売上やアカウントを失い、訴えられるリスク
こういう努力を怠った結果、労力と資金をつぎ込んで育てたページが実はコピー品でした…なんてことになったら目も当てられません。
特にAmazonでは売上を失うと同時にアカウントも失ってしまうリスクがあります。
また、今は日本にそのブランドが入ってきていなくても、いつか来る可能性があります。
その時に他社ブランドのロゴがあったりデザインがされているものに、勝手に全然別の自社ブランドのタグなどを付けて売っていたら、即刻訴えられるかもしれません。
その場合、取り下げだけで済む問題ではなく、販売開始時に遡って損害賠償を請求できますので、現時点でこのような売り方をしていると、売れば売るほどリスクが高くなっているわけです。
冷静に商品を見て判断を
自社ブランドを作るのは、商品企画からマーケティングのほかに、ページの作りこみなども必要なので、本当に大変です。
それは他のブランドも同じことなのでその怒りも理解できるでしょう。
また、Amazonで売っているからOKなんていうことは一切通用しませんし、そもそも規約でコピー品の出品を禁止していますので、ブランド側からみたらただの共犯です。
これらのリスクは最初にしっかりと調査しておけば避けられる問題です。
なので、できるだけいい商品を売りたい、儲けたいという気持ちもわかりますが、まずは冷静に商品を見て自社商品として販売しても大丈夫かどうかの判断をしましょう。
商品に対しての判断に自信がない方には、CiLELが随時開催している商品リサーチ実践講座「manable(マナベル)」の受講がおすすめですよ。
「manable(マナベル)」は売れる商品を見つける方法を教えてくれる講座ですが、同時に「仕入れたらダメな商品」についても教えてくれます。
ベテランセラーから個別のフィードバックがもらえるので、中国輸入の基礎固めとして最適です。
投稿者プロフィール
- 梅田 潤
- 合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)
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