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中国の物流拠点がロックダウン!コロナ禍の緊急事態に対応せよ!

先日、中国の物流拠点である深センがロックダウンしました。
深セン市と東莞市、新型コロナ感染拡大で移動制限実施、企業の操業停止も

そうすると多くの輸入業者にとって物流が止まってしまうことになりますので、当然商品が入ってこなくなります。
ロックダウンの期間にもよりますが、手持ちの在庫が切れたら終わりです。

在庫は血液であると以前のコラムでもお伝えしましたが、その血液の流れが止まるので、あとは死ぬのを待つしかないような状態です。

不測の事態に備えておくことは大事

指をさした先にPOINTの文字

このコロナ禍ではこういう不測の事態はいつでも起こり得ることですし、それに備えておくことは非常に大事なことです。
また、中国は「ゼロコロナ政策」をとっていると言われており、コロナが完全になくなるまで対策をやっていく方針のため、今後も同様のケースが起きないとは言い切れません。

これは筆者が聞いた話ですが、中国では深センだけではなく人流制限、行動制限も強くおこなっているため、物流以外にもさまざまな経済活動に遅れが生じているとのことでした。
ですが、中国輸入をビジネスとしておこなっている私たちにとって、「商品がはいってこないんですぅ~」では済まないのです。

仮に、発注先のショップと連絡がつかなくなるなどの予測ができる場合は、「あらかじめCiLELに多めに発注」→「保管しておいてもらう」という方法もあります。
しかし、「そもそも予測は立てられるのか」「どのくらいの期間を想定するのか」など、簡単には判断できそうもありません。

また、昨今ではコロナによる物流の問題以外に、ロシアのウクライナ侵攻の関係でも今後影響が出てくるかもしれません…というかすでに燃料費などで影響が出始めています。
そうなると輸送コストも上がりまくり…情勢の不透明さから為替リスクも併せてやってくるかもしれません。

不測の事態に対応するこんな施策のメリット・デメリット

メリットとデメリット

こういう事態はそうそう起きることではありませんが、もし起きた時にどう対応するか日頃から考えておく、というのはやっていて損はありません。
今回はその施策についてメリット・デメリットを考えてみました。

在庫を多めに持つ

不測の事態に対応する施策のメリット・デメリットの最初は「在庫を多めに持つ」です。
一番単純で、誰もがすぐにできる施策かもしれません。

メリット:
物流が止まる期間が短ければその期間に在庫切れを起こさないので、売上を落とさずに済みます。

物流が滞る以外に工場が稼働しないなど他の不測の事態にも対応できますし、ライバルが在庫切れを多発することで自社に注文が集中することもあります。
そんな急な売上増にも耐えられますので、機会損失が少なく、売上、利益に直結する施策といえます。

逆にデメリットはこんな感じです。

デメリット:
通常では必要以上の在庫を抱えることになりますので、過剰在庫になると資金繰りがすぐに悪化します。

また、その商品が売れている間は過剰在庫であっても時間の経過と共に在庫ははけていきますが、もしもその商品自体が売れなくなってしまうと、過剰在庫のうえに「大量の不良在庫を抱える」ことになります

資金繰りが悪くなるばかりか資金の回収も難しくなりますので倒産の2文字が確実に近づきます。

物流拠点の異なる複数の代行業者と契約しておく

次の施策は「物流拠点の異なる複数の代行業者と契約しておく」です。
今回の、深センのロックダウンで言うと、「深センを使わない代行業者と契約しておく」ということになります。

メリット:
特定の地域で何かあっても自社の物流は滞らないので、その時々に応じた臨機応変な対応ができるようになります。

1か所で何かあってもその影響を最小限に抑えられる施策です。

一方でデメリットももちろんあります。

デメリット:
発注や納品作業が複数の物流業者を使うことで煩雑になります。

それぞれの物流業者によって発注方法や慣習も違うので、それぞれの業者に自分が合わせることになりますのでけっこう大変です。
相対的に1社あたりの物量は減ります。

そうなると、物流量の少ない業者は小規模な業者扱いになります。

そうすると、大口の発注業者のほうが優先的に対応されることも多いので、小規模な業者は対応が後回しになる可能性もあります。
ようは「お得意様にならない」わけです。

また、もともと利用していた業者からすると物流量が一気に減りますのでこれも同様の扱いになってしまう可能性があります。

待つ

続いての施策は「待つ」です。
パッと見た感じ何もしない放置のような印象ですが、これにもちゃんとメリットとデメリットがあります。

メリット:
すぐに再開となればいろいろなことに対応する労力もなく元通りになります。

そのため、余計な費用も発生しないので時間もお金も奪われることなく通常通りの運営ができるようになります。

逆にデメリットは何でしょうか。

デメリット:
逆にすぐに再開されない場合、時間が経過すればするほど悪化していくだけになります。

そのため、初動が遅くなって動こうと思った時にはすでに手遅れになっている可能性もあります。

病気がわかっていながら放置して病状が進行してしまう感じに似ています。
良くないですよね。

中国輸入から他のビジネスに移行する

最後の施策は「中国輸入から他のビジネス(欧米輸入、国内仕入れ、転売、輸出等)に移行する」です。

メリット:
中国輸入がとまってしまっても欧米や国内など影響のないところから仕入れるのでビジネスとしては滞らない。

その時々の状況に応じて、臨機応変にビジネスを展開できるようになります。
また、中国輸入だけではなくそれ以外のさまざまなノウハウを身につけることになります。

デメリット:
ひとつひとつのノウハウに集中しないので、各々のビジネスの成長は遅くなります。

力が分散するので当然と言えば当然ですし、風見鶏のようにあっちこっち向いていたら社会情勢やニュースなど外的要因に影響されビジネス方向も定まりません。

また、時間の経過と共にルールやノウハウは変わるもので以前に通用していたことが役に立たなくなってしまうというのも珍しい話ではありません。

そのように、以前のノウハウが後々変化しているともうアウトです。
また一から経験を積み上げていくしかありません。

さらに、悪いことにひとつのビジネスをいったん止めてしまうともう一度やり直そうと思っても実際はなかなか取り戻せないものです。
一から始めるよりもさらに努力が必要になり時間的なロスが大きくなります。

避難訓練は平時におこなっておくべし

ヘルメットをかぶった家族

では、今後の対応はどうしていくのがベストなのでしょうか。
残念ながら、「こうすれば完璧!」のようなものはありません

であれば、上記のメリット・デメリットを参考にして、避難訓練をしておきましょう。

たとえば、今と同じ代行業者を信頼して連携を密に取り、有事の際でも連絡をいち早く貰えるように関係性を築くとか、取引量を増やして超お得意様になるなども、避難訓練になりますね。

資金的な体力や資金繰りを考慮する必要がありますが、在庫を多少多めに持っておくのもいいかもしれません。

回転する商品なら、余剰在庫を中国もしくは日本で保管してもらってもいいでしょう。

もしくは、いくつかのメリットを組み合わせるという方法もあります。

いずれにしてもコロナの収束が見えてこない中で、楽観視できる状態ではないと、筆者は思っています。

ですので、今後も同様のケースが起きてもおかしくありません。
今回のこと(深センのロックダウン)をなんとなくやり過ごすのではなく、避難訓練のように、どういう対策ができるのか模索して準備しておきましょう。

避難訓練は平時におこなっておくことで、万が一の非常事態に訓練の成果を発揮できますよ!

投稿者プロフィール

梅田 潤
梅田 潤
合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)

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