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輸入業務の流れ

この記事では「輸入業務」についての流れをご説明します。

中国輸入ビジネスの流れでは直接おこなうことのない業務が多いですが、「輸入」はどのようにしておこなわれるのか、ご一読いただけると嬉しいです。

輸入ビジネスの業務の流れを把握する

実際に輸入業務を行っていくにあたり、専門用語やリスク、メリットなどを学んでおくことはとても大事なことです。

輸入業務を円滑に進めるためには、実務として輸入業務がどういう流れになっているのか、全体像を把握しておく必要があります。

全体像が把握できていなければ、輸入した荷物がどう動いているかもわかりませんので、円滑に輸入業務をおこなうことができません。

国内での仕入れとは異なり、手続きや関わる業者や機関、人数も多くなりますので、「とりあえず発注してしまって、やりながら覚えていけばいい」みたいな安易な考えで進めてしまうと、後で膨大な時間と費用が発生することになります。

各機関などの役割など、細かいところまで知っておく必要ありませんが、全体の大きな流れについてはしっかりと把握しておきましょう。

輸入業務全体の流れ(時系列)

輸入の流れを時系列で追っていくと下記のようになります。
それぞれについて解説をしていきます。

1.取引相手(仕入先)のピックアップ

輸入をするにはもちろん、商品を仕入れる先が無ければできません。
海外の輸出業者とコンタクトを取れるパターンは、展示会などの見本市に出店している業者に直接会ったり、関係者や知り合いから紹介してもらったりしていることが多くあります。

またインターネットで探すこともあります。

参考:日本これから開催される見本市・展示会一覧

これから輸入ビジネスを始める場合は、基本的には初めての取引になりますので、相手企業の信用調査を行うのは重要なことです。

輸入の場合、いったんトラブルが発生してしまうと、その解決には相当の時間と労力とお金がかかります。
トラブルを未然に防ぐためにも信用調査は行いましょう。

また、時々メールで取引を持ちかけてくる業者らしいものがありますが、スパム的に同じメールをばらまいているため、本当に良い業者なのかの検討がつきません。

信用調査で実態がわからない場合もあり、そういった業者は、いくら仕入価格が安くても相手にしないほうが無難です。

仕入れ先の候補が見つかれば、次は条件の交渉です。

2.条件交渉、契約締結

条件の交渉や契約提携については、基本的には日本国内の仕入れと似たことをやりますので、内容的にそれほど困るものではないでしょう。

ただし、商品代金の支払いに関してはL/C(信用状)取引が絶対におすすめです。

L/C(信用状)以外の取引の場合は、相手の口座に直接お金を振り込みますので、万が一のことを考えると危険です。

そのためL/C(信用状)での取引を条件として提案していきましょう。

条件には他に、ロット数や納期、仕入価格などを“明確に”取り決めておきます。

海外の人は日本人ではありませんので、「多少曖昧でもうまくやってくれるだろう」などの、いかにも日本人らしい「察する文化」は無いと思ってください。

外国人、外国語での取引のため意思疎通が難しい場合もありますが、全てにおいて曖昧な部分を無くすように交渉し契約を結んでください。

3. L/C(信用状)の開設依頼

支払い条件がL/C(信用状)にできたら、このL/C(信用状)を作ってもらわなければなりません。

L/C(信用状)を発行してくれるのは、輸入者(つまりあなた)が口座を開設している取引銀行です。

そこで信用状開設依頼書を作成して取引銀行に提出します。

また、輸入ビジネスではドル(外貨)で支払うことが殆どです。
そのため為替交換が必要になるため、為替予約も同時に行うことがあります。

4.輸入の準備

輸入者(あなた)と仕入れ先で売買契約が結べ、L/C(信用状)の発行依頼の手続きが済んだら、基本的には輸出者(仕入元)が輸出の作業をする間は待機状態になります。この時に、輸出者にだいたいの予定を確認しておくと、その間にできることややっておくべきことの作業が進められます。

例えば、保険を掛ける必要がある場合には、その申し込みや手続きをします。
また、輸入の許可や届け出が必要なものは、申請作業の準備などができます。

輸入には手続きが色々とありますので、スムーズに作業が進むように時間を有効活用していきましょう。

5. 書類の入手~代金支払い

輸出者(仕入元)が船積みを完了すると取引銀行から、船積みが完了した旨の連絡がきますので、代金を銀行に支払います。

支払いが完了するとB/Lやインボイス、パッキングリストなどの船積書類を受け取ることができます。

ちなみに、個人事業や1人社長など、営業と決済を同じ人が行う場合は関係ありませんが、会社で営業と経理などの部門が分かれている場合、輸入ビジネスは複数の部門が関係します。

船積み完了等の進捗連絡については営業に入りますので、経理や物流など関係各所に、現在の取引状況や進捗具合など報告して、円滑に手続きが進むように根回しと情報共有をしておきましょう。

6. 通関手続き~荷物の引取

船積み書類を受け取ったら、B/Lやインボイス、パッキングリストなど書類の内容に不備や不足が無いか確認してください。
もし、修正がある場合は早急に輸出者(仕入元)に修正の依頼を行います。

この書類を元に輸入の手続きが進んでいきますので、後で不備が見つかると手続きが途中で止まるなど、面倒なことになります。
また、商品の保管期間が長くなると、余計な費用が発生してしまいます。

書類に不備が無ければ通関手続きを進めてもらうため、フォワーダーに船積書類など必要書類を渡します。

合わせて船会社からアライバルノーティスが到着したら、フォワーダー引き渡し通関等を依頼します。
無事に通関ができたら、引き取りの作業を進めていきます。

最後に

輸入ビジネス

決済方法について、ここではL/C(信用状)をメインに解説しました。

ですが、輸入の決済には他に直接輸出者(仕入元)に直接送金する方法があります。
その場合は「3.L/C(信用状)の開設依頼」が無くなります。
(万が一のことを考えると危険ですのでおススメはしません。)

また、輸入ビジネスは、国内の仕入れと同様に複数の部門が絡みます。
取引先が海外であったり、仕入れのために他の企業が絡んだりしますので、自分自身がしっかりと状況を把握し情報を共有しておかないと、社内に混乱を招くほか、取引先の企業(仕入元や通関など)にも迷惑をかけてしまうことになります。

大きな流れを把握すると共に、現状の進捗状況も常に把握し、最新の情報を共有して、うまく輸入の手続きが回るようにハブ(拠点)となることに注力しましょう。

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