いつも大変お世話になっております。
CiLELセミナー講師の辻知岳(つじ・ともたけ)でございます。
毎日、円安のニュースを見ますよね。
お客様からも「円安で厳しいです…」「円安がこのまま進むとどうなるんでしょうか?」などとお問い合わせをいただくことが増えてきました。
そこで今回は、円安と中国輸入について2回に分けてお伝えしたいと思います。
ちなみに私は元銀行員で、不動産を含めて自身も副業をおこなっておりますから、みなさまの体感に近いところでお話ができるかと思います。
作業の休憩時など、ぜひゆるい感じでお読みいただけますと幸いです。
目次
Toggle円安が進むと輸入業は厳しくなる?
2022年10月25日時点で、32年ぶりの円安、日銀も伝家の宝刀の為替介入を2回も行うなど、対ドルでの円安進行が顕著になっています。
ガソリン価格をはじめ、輸入物価の上昇が顕著になり、生活への影響も無視できないものになっていますよね。
ここでよく言われるのが、円安が進むと輸入業は厳しくなるという話。
実際のところどうなのでしょうか?
中国輸入販売における円安の影響について、実践者の方のお話を伺いつつ、数字で検証してみました。
人民元の為替相場はどうなの?
メディアでは対ドルでの円安進行が大きく取り上げられていますが、中国輸入に影響を及ぼすのは中国の通貨、人民元です。
人民元のレートはどうなっているのでしょうか?
画像引用元:Quick Money World
2022年1月(終値ベース)の18円8銭から比較すると、10月1日で20円51銭。
その差は2円43銭です。
割合にして13.44%の円安になっています。
同期間の対ドル円の下落率が29%程度といわれているので、ドル円ほどは円安になっていないという状況ですね。
とはいえ輸入販売を行う立場からすると、対人民元での円安進行がコスト上昇になるのは否定できません。
では、いったいどれくらいのコスト増になるのでしょうか?
原価ベースで言うとそこまでのコスト増ではない?
コストが増えるということは、輸入販売を行う際の原価が増えるということです。
対人民元での円安が進んだことによって、どれくらい原価が増えてしまうのでしょうか?
実際に計算してみましょう。
利益率の低下は概ね5%~7%
商品代金だけでなく、国際送料や輸入関税まで含めた中国輸入商品の原価率は概ね40%~50%です。
これに先ほど検証しました2022年1月から10月までの円の下落率13.44%を掛け算すると、原価の増加率は5.37%~6.72%となります。
原価が増えるということは利益が減るということなので、利益率が概ね5%~7%低下するということですね。
もちろん5%~7%の利益率低下も少なくない影響を及ぼしますが、2桁の円の下落率13%と比べると、比較的落ち着いた感じと言えるのではないでしょうか。
「高い利益率」の恩恵
このからくりは、なんといっても中国輸入販売の最大の魅力である「高い利益率」によるものです。
中国輸入物販の利益率(粗利率)は他のビジネスに比べてとても高く、60%、中には80%を超えることもあります。
「利益率、そんなに高くないよ!」という方がいらっしゃいましたら、もしかすると商品の探し方を変えることで解決できるかもしれません。
CiLELでは利益の出る商品の探し方を実践的にお伝えする講座を開催していますので、商品リサーチにお悩みの方はぜひご受講ください。
さて、話を戻しまして、「利益率が高い=原価率が低い」ということになります。
つまり、相対的に円安によるコスト増の割合が抑えられるということになるんですね。
ただ、円安のダメージをダイレクトに受けてしまっている販売者もいます。
それは誰でしょうか?
【後編に続く】
円安については現役講師が書いたコラムもありますので、こちらもぜひご覧ください。
『円安になると湧いて出てくる質問「輸出にしたほうがいいでしょうか?」』