中国輸入Amazon販売では販売戦略を考えた時、大きく2つの方法に分かれます。
一つは商品数を「増やす」方法、もう一つは商品数を「絞る」方法です。
簡単に説明すると「増やす方法」とは商品カテゴリや種類に関係なく、とにかく売れている商品を扱っていく戦略のことです。
そのため、商品のSKU数としては多くなっていきます。
それに対して商品数を「絞る方法」は取り扱う商品の種類を極力減らして、その商品に投下する資金を集中することで売上を伸ばそうとする戦略です。
このどちらの戦略も間違いではなく、どちらにもメリットとデメリットがあります。
ですので、ここではどちらのほうが優れているのかを比較するのではなく、「メリットとデメリットを知ったうえでどちらの戦略に向かっていくのか」を考えていただければと思います。
意図的に商品数を増やしたり減らしたりすることも、もちろん戦略のひとつです。
ぜひ中国輸入ビジネスの参考にしてください。
目次
Toggle商品を増やす戦略・絞る戦略の比較
最初に、商品を増やす戦略と商品を絞る戦略について簡単にまとめます。
下記をなんとなく頭に入れて、それぞれのメリットとデメリットについて読み進めていっていただきたいと思います。
【商品数を増やす戦略】
・短期的に見ると売上が上げやすくスタートダッシュにはとても適している
・中長期に見ると売上が伸びにくく少し息切れを起こす
【商品を絞る戦略】
・資金が集中して投下できるので当たった時の成果は大きくなる
・方向転換が難しいので必ず売る(売り切る)という気持ちが必要
商品数を増やすメリット
まず、商品数を増やすメリットについてです。
商品数を増やすということは、いろいろな商品を取り扱うということになりますので、一つの商品カテゴリや商品に絞っていません。
つまり、売れる商品なら何でも扱っていこうという姿勢になります。
トレンドに乗った売り上げを上げやすい
商品数を増やす戦略では、トレンドに乗った売れる商品多数扱えますので売上を上げやすい特徴があります。
もしかすると、取り扱う商品の一貫性について気になるかもしれません。
時々、中国輸入ビジネス初心者の方からのご相談で「中国輸入ビジネスビジネスでは、取り扱う商品に一貫性(コンセプト)を持たせたショップにしたほうがいいのではないか?」と聞かれます。
結論から言えばそれは気にすることはありません。
なぜならAmazonで購入するお客様の多くは検索で「商品」を探します。
「お店を探して商品を探す」のではなく、「検索して商品を探す」ので、そのショップがどんな商品を扱っているのかはあまり見られることはありません。
売上高がぶれにくい
トレンドは常に変化しますが、様々な商品を取り扱っていることで、すべての商品が一斉にトレンドから外れてしまうということが起こりにくくなります。
ある商品が売れなくなっても他の商品でカバーしやすくなりますし、取扱商品の中身を入れ替えることも容易です。
季節ものを思い浮かべると、分かりやすいかもしれませんね。
そのときに売れるものを売るので、売上がぶれにくくなります。
リスクヘッジができる
取り扱う商品数が多いと、常にフットワークを軽く商品を取り扱っていくことができます。
これは、言い換えれば「取扱商品のどれかが売れる」ということ。
商品数を増やすことは、リスクヘッジの効いた戦略ともいえます。
商品数を増やすデメリット
商品数を増やすことのデメリットもあります。
こちらもしっかり理解しておきましょう。
資金が分散する
まず、幅広い商品を扱いますので、資金が多くいることになります。
多くのSKUを扱うとそれぞれに在庫が増えますし、広告などもそれぞれにかけなくてはいけません。
納品でも梱包や作業がバラバラになりコストがアップします。
それを限られた資金の中で行わなければいけませんので、資金が分散してしまい、結果として一つの商品にかけられる資金も減ってしまいます。
在庫の積み方が難しい
資金が分散するため、確保できる在庫数にも限りが出てきます。
どの商品が売れるのかを予想するのは、なかなか難しいです。
自分では売れると思った商品が売れないことも、またその逆もあります。
売れているのに在庫がなかったり、逆に売れてないのに在庫だらけという商品が増えたりすると、売れない商品の在庫のために売れるチャンスのある商品の仕入れができなくなります。
これは大きな機会損失につながります。
商品カテゴリや商品に対する知見が深まりにくい
商品数を増やす戦略では、商品カテゴリや種類に関係なく商品を扱いますので、商品カテゴリや商品そのものの知見がたまりにくくなります。
「浅く広く」の状態ですね。
一つの商品や商品カテゴリを深堀りしませんので当然の結果と言えます。
短期的には問題ありませんが、OEMやODMを突き詰めていこうとすると、自分の取扱商品の知見が深いほうが将来的には良い(売れる)商品を生み出しやすくなります。
商品数を絞るメリット
次に商品数を絞る戦略についてです。
まずはメリットを考えていきましょう。
資金が集中できる
取扱商品をできる限り絞ってていくスタイルの利点としてまず上げられるのは、1商品に対して資金が集中できることです。
在庫状況や広告、商品ページ作成、物流面のコストも商品数が少ないほど集中できますので、作業が効率的になり、低いコストでの販売を目指すことができます。
当たったときの売上が大きい
資金を集中することで一気に露出を高めたり、十分な在庫量を確保できたりしますので、売れる波に乗った時の爆発力があります。
また商品数が少ないので、在庫確認や商品ページのメンテナンスなど作業にかかる時間も短くなります。
短い時間で大きな売り上げと利益を出せるエース商品に成長してくれる可能性があります。
やればやるほど商品カテゴリ、商品に強くなる
商品数を絞ると、ある一つの商品を売るために様々な情報を集め販売に注力しますので、その商品や商品カテゴリに関連した情報や売り方に強くなります。
いくら商品を絞ると言っても、ずっと1商品というわけではありません。
商品ラインナップを拡げていく場合には、すでに培ったノウハウを再現していくだけになります。
そうなると、展開がとても楽になり、そして大きく稼げるようになります。
商品数を絞るデメリット
商品を絞ると増やすよりかなりメリットが大きいように思えますが、もちろんデメリットもあります。
集中した商品が売れないと厳しくなる
まず、資金が集中できるというメリットはありますがその反面、資金を集中した商品が想定通りに売れていかないと他の商品でカバーできません。
なので、単純に売上が作れないことになります。
これは一番大きなデメリットかもしれません。
極端な言い方をすれば商品を絞って売る場合、売ると決めた商品は絶対に売らないといけないということです。
トレンドの変化に対応しにくい
現在は調子よく売れていても、トレンドが変化した場合にそれに対応することが難しいです。
それがこれから売っていこうとしている商品や、商品ページを育てている最中ともなればなおさらです。
売れる見込みがあるから始めたのに、どんどん売れない方向に世の中が動いてしまう悲惨な結果になります。
売れる商品を見逃しているかもしれない
商品を絞ってしまうことで集中する分、他の商品への視野が狭くなります。
商品を絞って集中するあまり、「固執」してしまい離れられなくなるのです。
要するに、他にチャンスがある商品があるのに、それを見落としてしまいがちになるということです。
戦略実行の際に注意すべきポイント
冒頭に言ったように、どちらの販売戦略にもメリットとデメリットがあり、優劣があるわけではありません。
それぞれに良い点と悪い点がありますので、それを理解したうえで自分の戦略を決めます。
そして、その戦略の中でどう戦い、勝っていく行動ができるかが大事です。
これがわかればリサーチや仕入れのやり方もがらりと変わって、効率的に結果を出せる「最短距離の行動」ができるようになります。
最後に、それぞれの戦略で気を付けるポイントをお伝えします。
商品数を増やす戦略で気を付けるポイント
・トレンドに敏感でいる
・資金に余裕を持たせる
・スタートダッシュに成功したら中長期的には単品を目指す
商品数を絞る戦略で気を付けるポイント
・販売ページを育てる感覚を持つ
・出品(制作)前の準備、下調べを徹底的におこなう
・商品に対する知見、知識、販売ノウハウは必ず必要
自分がどちらなのか、どちらになりたいのかを考えてみてくださいね!
投稿者プロフィール
- 梅田 潤
- 合同会社梅田事務所代表。1977年生まれ。大阪府出身。副業で中国輸入ビジネスを始め2014年に株式会社オークファンを退社し独立。現在も現役プレーヤーでAmazonの他、国内・海外クラウドファンディングにも取り組みながら、家族との時間を大切にする自分らしく自由な暮らしをしている。最新の著書に『「ゆる副業」のはじめかた 輸入・ネット販売』(翔泳社)
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