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50代からの挑戦、自ら掴んだ「夢」の人生|“成功のヒケツ” CASE3(後編)

『勝ち残るAmazonセラーが語る“成功のヒケツ”』は、CiLELが会員様限定でお届けしている特別対談企画です。

EC市場規模が拡大する反面、新たなプレイヤーも増加し、競争が激しさを増す一方の中国輸入Amazon販売。
新人プレイヤーはもとより、ベテランプレイヤーでさえ油断するとすぐシェアを奪われてしまう…。
現在の中国輸入Amazon販売は、過酷な生存競争の真っただ中であるといっても過言ではありません。

そんな中でも実績を出し続けるAmazonセラーをゲストに迎え、「今」知りたいリアルな話を、CiLEL会員様へお届けしています。
こちらの記事では、その対談の一部をご紹介します。


【前編はこちらからご覧ください】

ゲストセラー
ゲストセラー笹川氏
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中国輸入ビジネス歴約10年の実力派セラー。

33年間勤めた会社を50代前半で退職したのち、中国輸入ビジネスを開始。ビジネス開始後、約2年をかけて月商300万円を達成。
タイ輸入も実践。現在は、輸入ビジネスの個別コンサルティングや、中国以外の国からの仕入れをミックスした「中国輸入プラスワン戦略」を展開し、無理なく着実にビジネスを成長させ続けている。
インタビュアー
インタビュアー鈴木正行氏
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株式会社レッドタートル代表取締役社長。

「在宅中国貿易」のエキスパートとして知られる。
ビジネスの流儀、これまでの苦難の人生を踏まえ、希望する人へ本当の意味での「自由」を獲得するための方法を広めている。地道に、着実に稼いでいく方法として在宅中国貿易を伝授し、その先の自由を掴むまでのあり方を伝える。全国の中学や高校含め講演、NHK特集、出版等精力的に活動。

月商150万円でSKUは250

次にいきましょう。笹川さんが始めて一年くらいの月商と仕入れ金額、SKU数を教えてください。また、そのあとはどの程度のペースでSKUを増やしていきましたか?
中国輸入ビジネスのスクールに通っていましたが、通っている5か月間はほとんど実績がなかったので、スクール卒業時を「始め」とすると、卒業してから1年後は月商150万円くらいでした。SKUでいうと250くらいだったと思います。
中国輸入を始めて1年で月商150万円、そのときのSKUは250ですね。そのあとはどうでしたか?
その半年後くらいで、SKUは450です。始めてから1年ちょっとですね。売上は月商300万円にいきました。
順調に伸びていったんですね。

広告は魔法じゃない

次です。始めて一年程度のAmazon広告費と、現在の広告費を教えてください。
ああ〜、広告ね。
そもそも笹川さんが始めた一年目なんてAmazon広告の仕組み自体が存在しなかったですよね。
ないですね。当時は広告がないので、広告費とかもなかったです。なので、広告が出来てからの話をしますね。
お願いします。
僕が一番広告費を使ったのは最大で20万円くらいですね。けっこう勘違いしている人が多いのは、Amazon広告スポンサープロダクトっていうのは販売の魔法のツールではないんですよ。あくまでも販売促進のツールなんですね。
広告を出せばいいってもんじゃないってことですか。
そう。Amazonの広告だけに頼ってると、広告費がかさんでいきます。広告費ってのは経費になるので、例えば20万円の広告費を使えば、考え方によっては70〜80万円くらい売り上げが増えないとペイしないんです。でも、広告をかけただけでほかを普通にやってるだけじゃ、実際そこまで売上は増えないんですよ。
どうすればいいんですか?
じゃあ何をしなきゃなんないのかっていうと、Amazonの広告を有効に使って販促をするためには、当然ですけどAmazon商品ページのクオリティを上げなきゃなんない。具体的には商品タイトル、画像、キーワード、商品説明。これらがきちんと出来ている前提で、広告費を抑えながら売上が増える。

広告費は売上の10%まで

広告費と売上の比率の目安はあるんですか?
一般的にですが、広告費と売上の比率は、まあカテゴリにもよって違いますけどもアパレルだったら30%以内。雑貨だったら10〜15%以内が目標です。じゃあ全体ではというと、おおむね10%以内でないと利益が出ません。ですので、例えば月商100万円であれば、広告費は10万円以内に収める必要があります。
めちゃくちゃ具体的でわかりやすいですね。
最近けっこう見るんですが、売れている商品が全て広告経由という人がいて。そりゃダメだよねって思います。「これじゃ売っても売っても利益が全くないじゃん」という方が散見されますが、そういう方は商品ページを作り込めていないんですよ。
つまり、売るための前提が整っていない。
そうです。ちゃんと売るための準備をしてから、販促費としての広告費を使うことですね。広告費ってけっこう高いんで、経費を圧迫するので。
CiLELさんでも商品ページの作り方を講座で教えていますよね。
それはよかった!広告頼りになってる人がいるんです。それって勿体無いんですよ。広告をかければ、確かに売上は上がるんですよ。でも利益が残らない。やっぱりお客さまに選んでもらえるような商品ページがないと、販促のしようがないと思います。
とても具体的な話をありがとうございます。そうですね、初心者の方やこれからの方にとっては難しい話ですが、今は気にしなくても良いです。必要になったタイミングで調べましょう。

SKUが多いだけじゃダメ

では次の質問にいきましょう。月商300万円到達までどれくらい時間がかかりましたか?また、SKUはいくつでしたか?
先ほどチラっと話しましたけど、僕は鈴木さんのスクールを卒業してから1年2ヶ月くらいで月商300万円までいきました。けど、これが早いか遅いかと言ったら、普通です。同期のスクール仲間のみんなと比べて、本当に普通です。
そのときのSKU数はわかりますか?
その頃のSKUは450ほどありました。これでそのあと苦しんだってくだりがあるんですけど…。
SKU数が多くて苦しんだ?
そうなんです。幸いなことにこの頃にCiLELさんがセミナーを開いていて、そこで気づけたんです。このままじゃやばいなと。そこから、もっと骨太の商品を育てて、ダメな商品を切り捨てる、ということを意識してやるようになり、SKUを良い商品に絞っていく流れで、今現在もそのようにやっています。

大事なのは利益が残るかどうか

笹川さん、ちょっと矛盾を感じるんですけども。最初の方から笹川さんは「売上を上げたいならSKU数を増やそう」と話されてきました。でも、SKUが450個と多くて苦しくなっていったんですよね。ちょっと説明してもらえますか?
そうですね、ちょっと矛盾して聞こえますよね。SKUを増やせば売上が上がるというのは物販の当たり前の話なんですね。問題は利益が残るかどうかです。
そうですね。
売上を増やすためには仕入れをしなければいけない。仕入れている間はお金がかかり続ける。なので、ある程度売上が上がってきた時には、同じ売上でもSKU数が減っていくと良いよね、という考え方です。
うーん、ちょっとよくわからないです。
具体的な数字にしましょうか。例えば月商300万円売った時にSKU450なんですが、これだと1SKUあたりの売価が6,600円くらいです。先ほどのCiLELさんの勉強会で言われたのは「ダメな商品は削った方がいいよ」ということでした。
ダメな商品を削る、ですか。
難しい話なんですが、利益に貢献していない商品は削る必要があるんですよ。それで半年間で100SKUは削りました。でも売上は月商250万円を保っていました。利益の出ない商品を削ることで、利益率が上がったんですね。
利益率が大事だったんですね。
そう。要するに1SKUの単価を上げること。欠品すると仕入れたくなるんですが、その商品が1週間後に完売するのか、半年後に完売するのかで「追加の仕入れをしない判断」も大事なんです。最初のうちはSKU数は大事ですが、途中からはこのように削っていくことが大事です。
SKUは最初増やして、途中から削る。
そもそも、最初から利益の出る商品だけを揃えるのは不可能です。誰でも最初は多くの商品を並べ、販売していきます。その中で、数字データとして利益が出ている商品、利益が出ていない商品がそれぞれわかってくるので、データからSKUを削っていくことが出来る流れになりますね。それは販売していく中でしかわからないんです。
なるほど、販売実績ができれば、データから削るべきSKUがわかるんですね。

自分なりの商品ページで差別化

いやー、とてもいい話が聞けました。じゃあ次の質問に行きましょう。他社との差別化で意識されていることはありますか?
大きく言えばふたつあります、ひとつは商標を取ったんですね。Amazonで相乗りがされにくくなり、相乗りされても排除しやすくなります。もうひとつは、商品ページの独自化とでもいいましょうか。
商品ページの独自化?
最初のうちは商品リサーチして仕入れて販売するんですけど、慣れてくると売れる商品売れない商品がわかってくるので、売れる商品というのが長年の勘でわかってきます。そして、売れる商品は売れる商品の構成があり、商品ページも似てきたりするので商品ページ作成も真似できるので楽なんですね。キーワードも同じようなのを使いまわせる。どんどん早くなります。
自分なりの売れるページができるようになるということですね。
そうです。他に差別化で言えば、ひとつの商品のなかで違うサイズを用意したり、違う色を用意したりして、自分のページ内で商品を選んで行ったり来たりできるように作っていますね。
ありがとうございます。私からひとつ補足ですが、差別化に関しては最初から気にするものではないです。慣れていくと共に自然にやっていくもの、とお考えくださいね。最初から考えていると頭が爆発してしまいます。

夢のためのビジネス

それでは笹川さん、最後の質問です。「中国輸入プラスワン戦略」の中国以外の国からの仕入れはどこでしょうか?
これはタイです。私はタイ仕入れもしています。理由はタイが好きだからです。月商300万円にいったとき、当時の担当講師に教えてもらったのがきっかけです。
タイ仕入れも中国仕入れと同じようにできるのですか?
タイ仕入れは中国仕入れより格段に難しいです。タイ仕入れは代行業者なども進んでおらず、現地買付が必須になってきます。そのため、タイ輸入をやっている人は中国輸入の1%にも満たないくらいです。
代行業者がないのは大変ですね。
タイ仕入れはリサーチもできません。商品リサーチは、他にもたくさんの取扱いがされているからこそ、その落札履歴などから需要がわかるのですが、タイ仕入れはそもそもほぼ取り扱われていないからほぼデータがないんです。だから商品リサーチが難しいんですね。
なるほど、確かに。じゃあ何で笹川さんはタイ仕入れができるのですか?
なぜ僕がタイ仕入れをできるのかというと、中国輸入で今まで多くの商品を見てきた中で培われた目利きですね。商品を見る自分の目と、Amazon販売の力が身についているということで、稼ぐことができています。
目利きですか!
タイ仕入れは僕の夢でもあるんです。食べ物はあるし暖かいし、物価も安いし、観光地もめっちゃたくさんあるんですね。僕の夢っていうのは、死ぬまでに世界遺産を100カ所見るなんですよ。仕事って楽しくないと、つまんないので。そんなことを考えながら、タイ仕入れをやっております。
中国輸入で数多くの商品を見てきた笹川さんだからこそ、タイでも商品を見つけられる。こういう話は他の事例でもよくあります。これを見ているあなたも中国輸入ビジネスを身につけて稼ぐようになったその先に、応用発展するビジネスを何かされるかも知れませんね。笹川さん、本日は本当にありがとうございました。

<鈴木正行のひとことメモ>

笹川さんが成功しているヒケツは、何と言っても楽しむこと。インタビューの前半では「この商品が売れたら2,000円!この段ボールが売れた5万円!」と楽しんでました。大好きなタイに仕入れという名目で、経費で遊びに行けるなんて最高ですね。対談中、「スクール中は稼げなかった」という話がありましたが、その理由は自分のこだわりでスクールの教えを素直に実践しなかったことです。素直な方が卒業時に結果を出していて、卒業後素直に実践した結果、成果が出た流れです。余計なこだわりは捨てて、教わったことを素直に実践するのが大事ですね!