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FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)のメリット・デメリット|輸入ビジネス

今回は、FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)について解説します。

簡単に解説すると、「FCL」はコンテナの中が全て1人(1社)の荷物で輸送、「LCL」複数の荷主の荷物を合わせて輸送することです。

それぞれについてメリットやデメリット、使い分けの方法などを具体的に解説します。

コンテナの種類

FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)について解説する前に、輸送に利用する「コンテナ」の種類についてご説明します。

コンテナは以下の3種類に分かれます。

・20フィート
・40フィート
・40フィートのハイキューブ(HQ)

1フィートは約30.5cmですので、20フィートコンテナで約6.1m、40フィートで12.2mほどの長さになります。

40フィートのハイキューブ(HQ)コンテナとは、長さは40フィートコンテナと同じなのですが、背が高くなっているコンテナです。
高さがあることで背の高い商品でも多く積み込むことができます。

輸入にする際にどのコンテナを使うかは、輸出者側で決められます。

輸入側から指定することもできますが、基本的には輸出する側が最適なコンテナを選んでくれます。

FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)の輸送手順

FCLとLCLでは、輸送する手順が異なります。

■FCL
コンテナに商品を積む ➡︎ 港に運ぶ ➡︎ 船に積む ➡︎ 輸送する ➡︎ 船から下ろす ➡︎ 通関 ➡︎ 指定場所にコンテナのまま配送

■LCL
それぞれが商品を港に運ぶ ➡︎ まとめてコンテナに商品を積む ➡︎ 船に積む ➡︎ 輸送する ➡︎ 船から下ろす ➡︎ コンテナから荷物を取り出す ➡︎ 通関 ➡︎ 指定場所に配送

また、貨物をコンテナに積む作業は、通常、荷主の手配で行います。
(フォワーダーに依頼することもあります。)

LCLの場合は、フォワーダーや船会社が手配し積み込みを行います。
ちなみに、荷物の積み込み、デバン、通関、受け渡しは「CFS (Container Freight Station)」で行われます。



CFSなどの専門用語は、こちらの記事で解説しています。
『これでばっちり!輸入ビジネスに関係する専門用語-1』
『これでばっちり!輸入ビジネスに関係する専門用語-2』

FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)のメリット

木のブロックを並べたMERIT

FCLのメリットはまず「速い」です。
何が速いかと言うと、船から荷物を下ろす(搬入)スピードです。

FCLはコンテナが1人の荷主しかいませんが、それに対してLCL(混載)は複数の荷主がいます。
そのため、LCLはいったんコンテナの中身を出す作業(デバン)が発生します。

この作業がFCLには無いため、LCLに比べて早いのです。

また、FCLはコンテナのスペースを独占するかたちになりますので、商品に最適な積み方ができるため破損等のリスクが軽減されるメリットもあります。

次にLCLのメリットですが、まず、FCLのようにコンテナを全て埋められるくらいの仕入量が無い場合に、自分の身の丈に合った必要な量だけの輸入ができる点です。

それともうひとつは料金です。
ひとつのコンテナに複数の荷主の商品を入れますので、割り勘のようなかたちになり、輸送コストを抑えられる…という訳です。

少量の輸入をする場合は、ほぼこのLCLになります。

FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)のデメリット

木のブロックで並べたDEMERIT

次にデメリットについて解説します。

まずFCLのデメリットですが、FCLはコンテナを1人の荷主で独占します。
ですので、コンテナいっぱいの荷物を輸送するのであれば良いのですが、逆に荷物が少なくスペースが余ってしまうとその分が無駄になってしまいます。

料金としてはコンテナ1本分というのは変わりません。
スペースが余ってしまった場合、料金が割高になるので、原価が上がってしまいます。

もう一つは、通関後の輸送です。
FCLの場合、通関後にコンテナごと指定する倉庫などに運びますが、「ドレー」という専用のトラックで運びます。

この料金が発生するのですが、ちょっと変わった料金体系で、ラウンド料金というものを採用しています。
ラウンド料金とは「港から→指定場所→港まで」の料金です。

つまり持ってくるだけではなく、帰るときの費用も払う、というものです。

タクシーであれば、例えば、駅のタクシー乗り場から自宅まで乗るとその分の料金を支払いますが、それが自宅から駅のタクシー乗り場に戻る分の料金も払う、というようなものです。

感覚的にはちょっと変だなと思うかもしれませんが、コンテナの場合、行きは荷物がありますが帰りは空です。
タクシーであればお客様を下して帰る途中にもまた誰かを乗せるかもしれませんが、ドレーでは一切ありません。

従って帰りの分の移動費をもらえないとなるとタダ働きになってしまうので、こういう料金体系を取っているのではないかと思います。

それに対してLCLのデメリットは、FCLのメリットの真逆で時間がかかることと、破損のリスクが上がることです。
LCLでは自社(自分)以外の荷物も入っていますので輸送中に接触するかもしれません。

また、混載ですので、荷物をコンテナに積み込んだり、下ろしたりする作業の回数がFCLより増えたり仮置きされたりします。
ですので、その際に作業ミスなどで破損等をしてしまう事があるのです。

最後に

世界をまたぐ物流

FCL(コンテナ輸送)とLCL(混載輸送)どちらの場合もメリットとデメリットがあります。

ですが、基本的な使い分けとしては、商品の量によりますので、それを基準に選択するのが良いでしょう。
(基本は輸出側で最適なほうを選んでくれます。)

はじめはLCL(混載輸送)しか利用できないかもしれませんが、どんどん大きく成長して将来的にFCLでの輸入を目指しても良いかもしれませんね。

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